「最高です」優勝戦線浮上の松山英樹、パット開眼で7バーディ
◇海外メジャー第2戦◇全米オープン 2日目(16日)◇エリンヒルズ(ウィスコンシン州)◇7845yd(パー72) 「かなりうれしいラウンドになりましたね」。メジャー大会での自己ベストを更新する「65」で回った松山英樹は、こぼれるような笑みを浮かべた。7バーディ、ノーボギーで通算5アンダーへとスコアを伸ばし、首位と2打差の8位に浮上。普段は自分に厳しい世界4位も「最高ですね」と、素直に喜びを口にした。 真っ青な空と広大な緑の平原に、松山の黄色いシャツが映える。この日、単独首位からスタートした同組のリッキー・ファウラーから、松山はすぐに主役の座を奪いとった。 1番(パー5)は2打でグリーン手前まで運び、パターで寄せてバーディ発進。2番もアプローチを1m強に寄せて連続バーディ。4番は3mを沈め、この日の難易度1位の6番(249yd/パー3)では、現地のラジオ解説者が「Phenomenal! (驚異的)」と感嘆した5Iショットでピン手前4mにつけると、このパットも当然のようにカップへと流し込んだ。 前日のホールアウト後、宮里優作の父・優氏にアドバイスをもらったパッティング。松山は「それを参考にして、すべてを受け入れるわけじゃなく、自分の中で試行錯誤しながらやった」という。 前半を6アンダーで終えると、メジャー最少ストロークの「63」もちらついたが、後半は1バーディ。それでも、今週のベストスコアに並ぶ「65」に「パッティングが良くなった。そこが変わった。去年ぶり(昨年以来)くらいの感覚」と、日米通算4勝を荒稼ぎした時期を引き合いにした。 パットが良ければ、ショットへのストレスも減る。「自分が嫌なシチュエーションならピンを狙わなくて良いっていう感覚になるし、それでも10m以内ならチャンスと思える。そういう意味ではパットが大事というのは分かる」と松山。「まだ、そこまで自信はないですけど」と付け加えたが、最終ホールまで継続した好感触は、週末に向けた大きな支えとなるはずだ。 「良いプレーをしたら5、6アンダーで回れるって(初日に)口では言ったけど、回れなかったら『口だけかよ!』って言われるので、1度でも回れて良かった」と、冗談めかして笑った松山。だが、1度では終わるまい。この日、グリーン上で醸し出していた“どこからでも入りそう”という雰囲気は、確かに常勝を予感させた頃をほうふつさせた。(ウィスコンシン州エリン/今岡涼太)
この日はわずか25パット。7バーディ、ノーボギーで優勝戦線に浮上した松山英樹