謙虚な言葉ににじむオーラ 不動裕理が宮里藍引退に思うこと
◇国内女子◇アース・モンダミンカップ 初日(22日)◇カメリアヒルズCC(千葉県)◇6545yd(パー72) 賞金女王6回、通算50勝、永久シード保持者の不動裕理が4バーディ、ボギーなしの「68」でまわり、首位と2打差の4アンダー4位タイでスタートした。初日のフェアウェイキープは14ホール中12回と抜群の安定感が光った。 スタートホールの1番(パー5)で、残り85ydの第3打をアプローチウェッジでピンそば1.5mに寄せバーディ。3番では残り215ydの第2打を3Wで1.5mに運んで、バーディとした。「きょうはウッドとUTが良かった。長い距離でグリーンオンでき、寄せやすいところに運べた」ことがスコアメークの要とした。 今季の出場は5試合目。2016年シーズンの出場が3試合にとどまったことを考えれば、今年はハイペースに参戦を続けている。今週の出場を決めたのは、先輩の鬼澤信子からの「私が出るんだから(不動も)出るでしょ」と、半ば強引な?誘いだったという。 2011年に結婚。14年にはプロ転向以来初めて賞金シードを逃し、15年から出場試合を大幅に減らしてきた。現在は、午前中に練習場へ行き2時間程度の打ち込み。午後は自宅のパターマットでボールを転がしている。トレーニングの指導を受けるのは週1回で、日々はランニングで身体を動かしているという。 宮里藍引退の話題に及ぶと「周囲のために良い成績を残さないと、という気持ちは私も感じていた。でも今はヘタでもいいやって。賞金女王を獲ることを目標にやってきたわけでもない。ただ目の前の1試合をがむしゃらにやっていただけ。モチベーション?みんながプレーを見て喜んでくれるなら…」と、自らの考えを明かした。 今季初のアンダーパーマークにも気持ちが浮き立つことはない。「まだ初日ですから。絶好調ではなく全部がそこそこ。手応えがないので、自分がいちばん大丈夫かなと心配しています」。謙虚な言葉からにじみ出る強さが、かつての女王の証し。試合数は減っても、練習量が減っても、まとうオーラはただ者ではない。(千葉県袖ケ浦市/糸井順子)
5月の「ワールドレディスサロンパス杯」以来の出場となる不動裕理が首位と2打差の好発進を決めた