変わりゆく栃木ブレックスと変わらない田臥勇太、残留を決めて「連覇に向け全力」
まだしばらくは『田臥の時代』が続きそう 栃木ブレックスは今日、田臥勇太と2017-18シーズンの契約について合意したことを発表した。アメリカ挑戦を終えて帰国した田臥が栃木に入団したのは2008年の夏。9月末に開幕する2017-18シーズンで栃木での10シーズン目となる。 開幕1週間後の10月5日には37歳となる田臥。もう決して若くはないが、Bリーグ1年目のシーズンは終盤の平日開催1試合を欠場しただけで、59試合にスタメン出場。もちろん、チャンピオンシップも全試合で先発出場している。レギュラーシーズン20.8分のプレータイムできっちりと試合を組み立て、チームを引っ張った。 大ベテランの域に達した今も身体のキレは健在。緩急をきっちりとコントロールできることで『遅い』という印象は全く感じさせない。そして何より、試合の展開を読み、チームメートを束ねてチームとして動かす『司令塔』としての働きにおいて、田臥の右に出る者はいない。その真価はBリーグ初代王者の栄誉を勝ち取ったチャンピオンシップで存分に発揮された。 また『リーグの顔』としてBリーグ立ち上げからコート外でもフル回転。「日本バスケ界になくてはならない存在」として、まだしばらくは『田臥の時代』が続きそうだ。 「来シーズンも僕らと一緒に戦ってください」 その田臥はチームを通じて次のようなコメントを発表している。 「2017-18シーズンもブレックスでプレーすることができ大変嬉しく思っています。チームメイトをはじめこのチームに関わる全てのスタッフ、そして自分達を応援してくれているファンの皆さんと共に、昨シーズン以上に力を合わせ連覇という新たな目標に向かい全力でチャレンジしていきたいと思います。皆さん、来シーズンも僕らと一緒に戦ってください。よろしくお願いします」 もっとも、新シーズンは栃木と田臥にとって難しい1年になりそうだ。東地区は昨シーズン以上の激戦区となり、初代王者としてどのチームからもマークされる立場となる。田臥個人としては、ここ4年間、同じポイントガードとしてプレータイムをシェアしてきた渡邉裕規が引退することで、新しい『相棒』とどのように呼吸を合わせていくかも課題となる。 須田侑太郎と熊谷尚也の退団も決まり、大きく変わりそうな栃木。新体制が固まるまでまだしばらくかかりそうだが、文字通りチームの『核』である田臥の残留が決まったことは大きい。
写真=野口岳彦