「良いショット増えた」松山英樹は初の欧州ツアーに納得顔
◇欧州男子◇ドバイデューティーフリー アイルランドオープンbyロリーファウンデーション 最終日(9日)◇ポートスチュワートGC(北アイルランド)◇7004yd(パー72) 松山英樹は初出場の欧州ツアー(メジャー、WGCを除く)を14位タイで終えた。9アンダー22位タイから出た最終日は5バーディ、1ボギーの「68」。通算14アンダーでまとめ、2週後の「全英オープン」(イングランド・ロイヤルバークデール)に備えた。 時折、横殴りの雨が降る厳しい天候で、松山はきっちりスコアを伸ばした。グリーンで苦戦した序盤を経て、5番で沈めた5mのバーディパットが呼び水となり、14番(パー5)までに5ストローク縮めた。トップとは8打差でスタートし、追う背中は小さかった。それでも「前半であれだけパターを外した時点で、難しかったけれど、14番でティショットがうまくいったので『イーグルを獲って、あと全部バーディだったら面白いところに行く』と思っていた」と、終盤まで希望を持ってプレーした。 2週後のメジャーを控えて「雨でゴルフをするのは久々だった」と、レインウェアやベストをラウンド中に何度も脱ぎ着するリンクスでのゴルフを、事前に体験できたことも大きい。「曲がっていますけど、良いショットの回数が増えてきている。飛距離も戻ってきた。来週、トレーニングと調整をして、良い状態で(全英に)臨みたい」。予行演習としては及第点をつけられた。 これまで「全英」を除いて、初めて出場した欧州での試合。世界ランキング2位に浮上してから初めて臨んだ試合でもあり、大会から厚遇を受けた。 海外選手の多くがホテル通いとなる一方で、松山にはコースから車で約15分の場所に宿泊用の家を用意された。選手が移動する際、米ツアーでは多くの大会で全選手に自動車が貸与されるが、欧州ツアーではボランティアスタッフの運転によるピストン輸送が一般的。ただし、5人前後には米ツアーと同様のサービスがあり、松山には自動車が貸し出され、コース内では、大会ホストのロリー・マキロイ(北アイルランド)の左隣の駐車スペースをあてがわれた。 ただ、コース外での待遇以上に英国でのゴルフに、何より心をくすぐられた。「難しかったですし、また出たいと思った。楽しそうだし、いろんな選手がいるんだなって。こういうコースもあるんだ、こういうコースを回っておかないと、いろんな状況に対応できない。谷さん(谷原秀人)が行くのも分かるなあって」。メジャータイトルを争う前に、新鮮な気持ちも得られたはずだ。(北アイルランド・ロンドンデリー/桂川洋一)
全英の前哨戦で復調のきっかけは?松山英樹は初の欧州ツアーを戦い抜いた