WBC一次ラウンドに連れて来られたベイスたん。
おサムちゃんから「応援しろ」と怒られても、
やはりじぶんの気持ちにウソはつけません……。
おやおや…
©カネシゲタカシ
どうやらベイスたんのがまんが、限界に……
ほら来た!大爆発!!
「おさむらいジャパン、まけてしもたやよ!!
ベイスターズがいれば、ベイスターズがいれば、
きっと、きっと、かてていたやよ!
ベイスたん、やまもとかんとくに、こうぎするーー!!(とてちてたーっ)」
そう叫ぶやいなや、いちもくさんにベイスたんは走り出しました。
「あっ…コラ待て!!
テレビさん、冷ぞうこさん、あのバカを、とめるで候!」
しかし、怒り心頭のベイスたんを、誰もとめることはできません。
なんてことでしょう!
堪忍袋の緒が切れたベイスたんは、
インタビュー中の山本浩二監督に飛びかかってしまいました。
「おさむらいジャパン、ベイスターズのせんしゅ、
えらばれてへんの、おかしいやよ!!
なかむらノリせんしゅも、ばんちょうとうしゅも、やまぐちとうしゅも、
つ、つ、つ、つ、つつごうせんしゅも、
あ、あ、あ、あ、あらなみせんしゅも、
つおいやよ!やさいしいやよ!!
くやしいやよ!はがゆいやよ!うわーーーん!!」
こらえていた気持ちを全部山本監督にぶつけたベイスたんは、
そのまま泣きだしてしまいました。
しかし、そんなようすを見て全てを理解した山本監督。
おもむろに口を開くとこんなことを言いました。
「う、う、うそやよ!うそやよ!」
「うそじゃないよ、ぼうや」
山本監督はやさしく微笑み、こう続けます。
「超一流の選手たちがひしめきあうプロの世界で、
代表メンバーに選ばれるかどうかは、本当に紙一重なんだ。
筒香のパワー、山口の球威、荒波の機動力……どれも本当に魅力的だ。
だが、残念ながら全員を選ぶことはできない。
すべては、ぎりぎりの選択だったんだ。
だけどね……」
「あやや…ベイスターズも、おさむらい?」
「その通りだ、ぼうや。
12球団が力を合わせなければ、絶対にこの戦いは勝てない」
そうベイスたんに言い残し、山本監督は去って行きました。
力強く、前だけを見据えながら……
「…あ、あ、ベイスたん、ベイスたん……(よいしょっ)」
去年、交流戦で杉内投手を応援した時にもらった、「ノーノー手ぬぐい」です。
「すぎうちとうしゅも、おさむらいジャパンやよ!(おつむに、きゅっ)」
わあ、かっこいい!
ついにベイスたんは、侍ジャパンを一生懸命応援することを、心に決めたようです。
「きょうは、ちこっと、まけたけど、おつぎは、きっと、かてるやよ!
ベイスたん、おさむらいジャパン、すきーーーっ!!(ぴょーん)」