2025年のノミネート結果は次の通り。

★年間最優秀選手賞=井上尚弥、堤聖也、中谷潤人、矢吹正道
★技能賞=井上拓真、井上尚弥、高見亨介、堤聖也、寺地拳四朗、中谷潤人、矢吹正道
★殊勲賞=井上拓真、井上尚弥、高見亨介、堤聖也、中谷潤人、松本流星、矢吹正道
★努力・敢闘賞=飯村樹輝弥、川満俊輝、国本陸、谷口将隆、坪井智也、豊嶋亮太、奈良井翼、森且貴
★新鋭賞=石井渡士也、吉良大弥、高見亨介、田中空、堤麗斗、坪井智也、松本流星
★KO賞=中野幹士−英洸貴、中谷潤人−クエジャール、井上尚弥−カルデナス、武居由樹−ユッタポン、矢吹正道−アルバラード
★年間最高試合(世界戦)=堤聖也−比嘉大吾、寺地拳四朗−ユーリ阿久井政悟、矢吹正道−アヤラ、井上尚弥−カルデナス、中谷潤人−西田凌佑、井上尚弥−アフマダリエフ、井上拓真−那須川天心、堤聖也−ドネア、矢吹正道−アルバラード
★年間最高試合(世界戦以外)=李健太−渡来美響、高見亨介−川満俊輝、村田昴−小國以載、齋藤麗王−渡邊海、谷口将隆−井上彪、石井渡士也−津川龍也、奈良井翼−梶野翔太、中谷潤人−エルナンデス
★女子最優秀選手賞=黒木優子、晝田瑞希
★女子年間最高試合=ルプレヒト−山中菫、晝田瑞希−メリノ、黒木優子−鈴木なな子、ボルマン−黒木優子、晝田瑞希−ガジャルド

 一番の注目は、やはり井上尚弥(大橋)の8年連続9度目のMVP(最優秀選手賞)受賞がなるかだろう。2025年のMVP候補は井上のほか、WBA(世界ボクシング協会)バンタム級チャンピオンの堤聖也(角海老宝石)、前WBC(世界ボクシング評議会)&IBF(国際ボクシング連盟)バンタム級チャンピオンの中谷潤人(M.T)、IBFフライ級チャンピオンの矢吹正道(緑)が挙げられている。

 昨年は統一世界スーパーバンタム級王座を4度も防衛した井上。バンタム級で王座統一を果たした中谷。2度の死闘に生き残った堤。印象的なKO勝ちで2階級制覇と防衛を遂げた矢吹。いずれもすばらしい活躍を見せてくれた。

 ちなみに歴代のMVP受賞最多記録では2位の白井義男(日本初の世界王者)、具志堅用高(世界王座13連続防衛)が5度だから、井上がいかに抜きんでているかがわかる。まさに「井上の時代」である。

未来のスター候補が集結。群雄割拠の「新鋭賞」争い

 「年間優秀選手表彰」は賞に値する優秀なボクサーが多ければそのぶん選考も難しくなる。一昔前の日本人世界チャンピオンが二けたを数えたころは、世界チャンピオンに賞が行きわたらず、選考から漏れてしまうケースが目立った。今も昔も世界チャンピオンはボクサー最大の目標である。それを叶えた選手は何かしら受賞するのが自然だが、賞の数を超える世界チャンピオンがいてはそれも困難、ということだ。その結果、「新鋭賞」に世界チャンピオンが選ばれるという珍しい年もあった。2025年も「新鋭賞」候補に高見亨介、松本流星(ともに帝拳)の世界王者獲得者がノミネートされているが、これは2人の世界への出世スピードが異例の速さだったのである。

 近年は世界チャンピオンの誕生ラッシュがやや落ち着いた感があるが、それでも賞レースのレベルの高さは健在である。その年に世界戦で1勝以上の現・元チャンピオン全員に贈られる「優秀選手賞」にしても、2025年は9人。言い換えれば、世界チャンピオン以外の表彰ボクサーの割合がどうしても小さくなってしまう。

 そんな中、「努力・敢闘賞」については日本・アジア圏クラスの選手を対象に選ばれている。2025年は、飯村樹輝弥(角海老宝石)、川満俊輝(三迫)、国本陸(六島)、谷口将隆(ワタナベ)、坪井智也(帝拳)、豊嶋亮太(帝拳)、奈良井翼(RK蒲田)、森且貴(大橋)をノミネート。中堅以上がほとんどで、甲乙つけがたく選考側を悩ませることだろう。

 この賞は10年ほど前に「努力賞」と「敢闘賞」がひとまとめにされたものだが、かつては元日本ライト級チャンピオンのリック吉村のように「努力賞」を指定席にしたボクサーもいた。米軍人ボクサーだったリックは日本ライト級王座を22度も防衛した名選手。1997年に初めて「努力賞」に選ばれたリックはその後、念願の世界タイトルに挑み王者畑山隆則と引き分けた2001年まで、5年連続で受賞した。コツコツと日本タイトルを守り続けたリックのようなベテラン選手にもスポットライトが当たることは喜ばしい。

 できるだけ多くの選手に受賞の栄誉に浴してもらいたいが、賞はそれにふさわしい選手に贈られるのがベストだ。


VictorySportsNews編集部

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