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【5月24日(金)】

©️カネシゲタカシ

あわてて片付けるベイスたんたち。
そうじきさんは、いつになったら一人前になれるのでしょうか?

©️カネシゲタカシ

そうなんです。

25日のハマスタでは、試合前に中村紀洋選手の名球会入りをお祝いする
セレモニーが予定されているのです。

©️カネシゲタカシ

「やきゅうかいに、とっても、ベイスターズに、とっても、
もちっ、もちっ、もちろん、ベイスたんにとっても、
いつだって、とくべつな そんざいやよ!(ぴょんぴょん)」

ベイスたんは、大好きな中村ノリ選手が表彰されることが
自分のことのようにうれしく、いつまでも いつまでも飛びはねていました。

©️カネシゲタカシ©️カネシゲタカシ


「あややぁ…、なんだか、ねむれないやよ!(むくり)」

中村ノリ選手がくれた楽しい思い出を
ひとつひとつ思い出していたベイスたん。

むねがドキドキして、ねむれなくなってしまいました。

「あっ、あっ、いいこと、おもいついたやよ!
ベイスたん、ベイスたん…」

©️カネシゲタカシ©️カネシゲタカシ

おえかきセットの中に入っていた 便せんを使い、
ベイスたんは中村ノリ選手へのいろんな想いを、
手紙にしたためました。

祝福の気持ちを込めていっしょうけんめい描いたあの絵とともに、
ノリ選手に渡そうとおもったのです。


「あっ、あっ、でも、でも…」

©️カネシゲタカシ

大切なことを忘れていました。

今のベイスたんは、ハマスタではたらくスタッフの一員です。
そして、スタッフには、きびしい決まりがあります。

勝手にベイスターズの選手に会いに行くことは、許されていません。
それをすれば、ハマスタにいられなくなってしまうかもしれないのです。


「あややぁ…(しょんぼり)」


いろいろ考えてみたものの、よいアイデアは見つかりません。
そうじきさんは、ただ「ずずーい」と言うばかり。

途方に暮れてしまったベイスたん、
いつしか すやすやと眠ってしまいました。

©️カネシゲタカシ©️カネシゲタカシ

~つづく~

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カネシゲ タカシ

漫画家・コラムニスト。1975年生まれ、大阪府出身。 「週刊少年ジャンプ」にてデビュー。 現在は「週刊アサヒ芸能」や「スポーツナビ」に連載を持つほか、テレビ・ラジオ・トークイベントに出演するなど活動範囲を拡大中。 著書・共著に『みんなのプロ野球川柳』、『みんなの あるあるプロ野球』(ともに講談社)、『ベイスたんやよ!』(KADOKAWA)、『野球大喜利 ザ・レジェンド』(徳間書店)などがある。 元よしもと芸人。