つま先下がりの“目”を盗め! 田村尚之編
視線計測tobii Pro(トビー・プロ)グラス2を使い、“元最強アマ”田村尚之プロの視点を検証していく本企画。今回のテーマは、振りにくさとしてはアベレージゴルファーにとって一番の壁という人も多いだろう“つま先下がり”。どんな傾斜からでもできるだけ平地のスイングと同じように考える田村メソッド、今回はどのような理論が炸裂するのか!? 田村尚之プロの視点データを見ると、特に気になるのはボールがかなり右足寄りになっている点。まるでアプローチのようなボールポジションなのだが、その意図とは……!? (以下、田村尚之プロの解説) 前回のつま先上がりのライ(「つま先上がりの“目”を盗め! 田村尚之編)で、最も注意すべき点は斜面による“ヘッドの突っかかり”でした。一方、今回のつま先下がりで最も避けたいのは、体が前に引っ張られることによって起こる、体の“左への突っ込み”です。 どんなにヒザを落として体勢をドッシリ固めたとしても、やはり実際のショットでは重力に負けて前に引っ張られる力がかかります。そこで私が行っている対処法は、ボールをやや右足寄りにセットすることです。 私はもともとつま先下がりでは右に球が行きやすいからといって、スタンスの向きを無理に左へ向けたりはしません。ボールを右足寄りにセットするだけで、インパクト前後で体が左へ突っ込んだとしても、通常より早めにインパクトを迎えさせていることで、大きなミスヒットを未然に防いでいるのです。 最後にポイントをもう一つだけ。フェースの向きを、ややクローズにグリップしています。これは、前回のつま先上がりでオープンにした考え方を、単純に逆にしたシンプルな考え方です。つま先下がりではクラブがフラットになる分、フェース面が右に向きやすくなります。それをあらかじめクローズにしておくことで、調整しているのです。球を右足寄りに置き、フェースをクローズに。あとは、いつも通りに振ってみてください! 【ここを盗め!】 ・右足寄りにボールをセット ・フェースはややクローズに! 取材協力/ゴルフ倶楽部成田ハイツリー、トビー・テクノロジー株式会社 【解説】田村尚之 1964年生まれ。サラリーマンを続けながら、独自のゴルフ理論を構築し、トップアマとして活躍。2013年にプロテストに合格し、2016年のシニアツアー「富士フイルムシニアチャンピオンシップ」でプロ初勝利を果たす