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【10月5日(土)】

©カネシゲタカシ

さあ、さっそく試合がはじまりました!

今日の先発はわれらが番長・三浦大輔投手。
ひさしぶりの二桁勝利をめざすマウンドとなりました。

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しかし、エラーなども重なってしまい、三浦投手は不運な3失点……。


その後、ベイスターズがなんとか同点に追いつくも、追い越すことはできず…。
9回148球を投げ切った番長投手は、延長戦でマウンドを降りることになります。

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怒られてんじゃないよ、まったく……。




さて、試合にもどりましょう。
その後、ベイスターズは延長十一回に多村選手の犠飛フライで1点を奪います。

そして三浦投手からソーサ投手、大原投手へとつないだバトンは途切れることなく、みごとドラゴンズさん相手に勝利しました!

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「ベイスターズ、つおいやよ!やさしいやよ!かっくいいやよ!

ばんちょうとうしゅ、おしくも、おほしさまは、つかなかったやよ!
でも、でも、だれよりも、つおいやよ!だれよりも、やさしいやよ!
(ばりばりぶぶーん、ばりぶぶーん)」

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こころの、おほしさま。


たとえばこれは、三浦投手の今日の試合後のコメントです。

「失策をしようと思ってやっていない。逆に踏ん張れなくて申し訳ない」

エラーをしてしまった味方の選手を、やさしくかばいます。
われらが番長は、いつだってつよくて、いつだってやさしいのです。


二桁勝利には惜しくも1勝たりなかったけれど、
今年もベイスターズとベイスターズファンは、三浦投手から大切なものをたくさんもらいました。

それがベイスたんの言う、「こころのおほしさま」なのでしょう。

それは二桁どころじゃない、決して数字ではあらわせない、
勝ち星よりも ずっとずっと大切なものなのです。






そして、セレモニーがはじまりました。

そうです。ドラゴンズ・山崎選手の引退セレモニーです。

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ベイスたんも、スタンドから手を振りました。

「こいけせんしゅも、きょう、すためんで、かっこやかったやよ!
でもでも、もうすぐ、おわかれやよ!
ベイスたん、おわかれするの、にがてやよぉ…(うるうる)」

「うむ、気持ちはわかるで候」

おサムちゃんは言いました。

「しかし、去るものいるからこそ、来るものがいる。
そうやって世界は、未来へ進んでいくので候」

「あややぁ…」

わかったような、わからないような。
ベイスたんには、すこしむずかしいお話でした。

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あと、1試合。

たくさんの「ありがとう」を言いながら、最後までベイスターズを応援しよう。
いっしょうけんめい、応援しよう!

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カネシゲ タカシ

漫画家・コラムニスト。1975年生まれ、大阪府出身。 「週刊少年ジャンプ」にてデビュー。 現在は「週刊アサヒ芸能」や「スポーツナビ」に連載を持つほか、テレビ・ラジオ・トークイベントに出演するなど活動範囲を拡大中。 著書・共著に『みんなのプロ野球川柳』、『みんなの あるあるプロ野球』(ともに講談社)、『ベイスたんやよ!』(KADOKAWA)、『野球大喜利 ザ・レジェンド』(徳間書店)などがある。 元よしもと芸人。