最初に続いたのは新垣比菜。2018年4月の「サイバーエージェント レディスゴルフトーナメント」で、世代3人目のツアー優勝を果たした。すると、2018年8月の「CAT Ladies」で、大里桃子が世代4人目のツアー優勝を飾った。

そして2019年シーズンに入ると、第4戦の「アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI」で河本結が世代5人目の勝利。

第10戦「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」では、渋野日向子が世代6人目の勝利を公式戦で達成するという快挙をやってのけた。

さらに、第13戦の「リゾートトラストレディス」では、原英莉花が世代7人目の栄冠を手にした。

その間、第9戦の「パナソニックオープンレディースゴルフトーナメント」と第12戦の「中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン」では、黄金世代の象徴的存在である勝みなみが今季2勝を挙げている。

【参考】黄金世代のツアー勝利(日米両ツアーを含む)

これにより、14試合中5試合が黄金世代の勝利という大旋風となっている(6月9日時点)。しかも、黄金世代のもう一人の象徴的存在である畑岡奈紗は、3月の「起亜クラシック」で米ツアー3勝目を挙げている。

ゴルフの世界では、同世代の選手の活躍に刺激を受けて、他の選手が台頭することがしばしば起こる。

宮里藍が2003年9月の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント」でアマチュア優勝したことに刺激を受け、同学年の横峯さくらは2005年4月の「ライフカードレディスゴルフトーナメント」での初優勝を皮切りにツアー23勝を挙げるトップ選手になった。

石川遼が2007年5月の「マンシングウェアオープンKSBカップ」でアマチュア優勝したことに奮起し、同学年の松山英樹は2011年11月の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で世代2人目のアマチュア優勝を成し遂げ、PGAツアーでも5勝を挙げる世界的な選手になった。

だが、同世代でこれだけ多くの選手が活躍するというのは、日本のゴルフ界では初めての出来事だ。プロ野球界で松坂世代や1988年世代といった呼称があるが、それに近い感じになってきた。

しかも、これに続こうとしている選手が、まだたくさんいる。2018年の賞金ランキングで世代トップの8位だった小祝さくらは、今季もトップ10入り3回と順調なシーズンを送っているが、初優勝には手が届いていない。世代の先頭集団を走っていたつもりが、いつの間にか第二集団に置いて行かれたような感じで、悔しい思いをしているかもしれない。当然、世代8人目の優勝を狙っているだろう。

吉本ひかるはQTランキング21位で前半戦の出場資格を獲得し、今季トップ10入り6回と絶好調。すでに2957万3333円を獲得し、来季の賞金シードを確定させている。ステップ・アップ・ツアーではすでに優勝経験があり、次の目標はレギュラーツアー初優勝となる。

淺井咲希もQTランキング2位で前半戦の出場資格を獲得し、「リゾートトラスト レディス」で今季初のトップ10フィニッシュ。715万1000円を獲得し、暫定リランキング15位で、中盤戦の出場資格を確定させている。

高橋彩華もQTランキング28位で前半戦の出場資格を獲得し、トップ10フィニッシュこそないものの、439万7000円を獲得しているので、中盤戦の出場資格が確定。

臼井麗香もQTランキング65位ながら、前半戦6試合で351万1666円を獲得。暫定リランキング29位で中盤戦の出場資格をほぼ手中にしたと言っていいだろう。

それ以外の選手は、中盤戦以降の出場資格はまだ獲得できていないが、第1回リランキングが実施される「アース・モンダミンカップ」までに上位に入ればリランキングの順位を上げることができる。

【参考】初優勝が期待される黄金世代の選手

黄金世代の中でも愛らしいルックスで人気を集めている三浦桃香は、QTランキング6位でシーズンを迎えながら、14試合中11試合で予選落ちと苦戦しているが、前半戦の残り試合で巻き返すことができるか。

女子ゴルフの世界では、ルックスによって人気が先行する選手は毎年出てくるが、成績が伴わないと人気も下降していく傾向がある。一方で、成績が上がることによって、表情に自信がみなぎり、それによって人気が出てくる選手もいる。

宮里藍はアマチュア時代、少年のようなショートカットだったが、2004年に5勝、2005年に6勝を挙げたころには、まばゆいばかりの輝きを放ち、人気に拍車をかけた。

そう言った意味では、今季2勝を挙げている勝みなみが、今後も勝利を積み上げて賞金女王争いを繰り広げれば、持ち前の笑顔に輝きが増し、人気がさらに加速するかもしれない。

畑岡奈紗は、海外メジャー制覇や米女子ツアーでの賞金女王といったビッグタイトルを手にしたら、ゴルフを知らない人にも一気に名前が知れ渡るだろう。

原英莉花は身長173センチのモデル並みの長身で、端正な顔つき。すでに取材のオファーが殺到しているらしいが、今季中にもう1~2勝すれば、世代トップクラスの人気選手になる可能性が十分にある。


保井友秀

1974年生まれ。出版社勤務、ゴルフ雑誌編集部勤務を経て、2015年にフリーランスとして活動を始める。2015年から2018年までPGAツアー日本語版サイトの原稿執筆および編集を担当。その他、ゴルフ雑誌や経済誌などで連載記事を執筆している。