2009年から2017年まで横須賀市長を2期8年にわたって務めた吉田氏。横浜DeNAベイスターズの初代球団社長に就任した池田氏の表敬訪問を受けた際の言葉が、今も印象に残っているという。

「すぐに優勝するなんて無理ですよ」

市長室で挨拶され「優勝をお願いします」と期待した吉田氏だが、社交辞令なしに本音を語った池田氏に「何だ、このやる気のなさは」と感じたという。ところが「まず会社の基盤をつくって、ファンを増やし、お金を集めて、選手を育成して、それで初めてチームづくりができて、優勝争いができるんです」と、冷静に“5カ年計画”を説明し、言葉通りにそれを実現した池田氏に深い感銘を受けたという。

横須賀市の追浜公園内に先ごろ完成したベイスターズの2軍施設「DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKA」は、まさにこの2人が協力し、規制緩和などの法整備を行うことで実現したもの。「池田さんはDeNAだけでなく、横須賀市の利益も考え、土地の借入金を払ってくれたり、収支が合う仕組みを提案してくれた」と吉田氏が話すように、2人がいなければ決して実現しなかった施設だ。現在はグローカルガバメントリレーションズ株式会社という官民の連携などを提案する会社を設立し、代表取締役を担う吉田氏だが、その原点が池田氏と進め、形にした“池田・吉田モデル”にある。

そんな吉田氏が推したのが、横須賀市にある宿泊施設、衣笠温泉旅館内の「衣笠温泉」だ。

「横須賀に温泉のイメージってないと思うんですけど、ちょっと人里離れた環境で、すごくゆっくりできる場所です」

三浦半島の中央部にあり、平安末期の戦乱「治承・寿永の乱」では源義家を支援した三浦氏が武士の湯治場として開設したとされる歴史ある温泉地。「衣笠温泉旅館」が一軒宿として営業しており、ph9.5のアルカリ泉でメタケイ酸などを含有する美肌の湯としても知られる。

「料理も美味しいし、馴染みの温泉です。ひなびた雰囲気が、とてもいいんです」

また、2人には1885年に創業し、東郷平八郎や山本五十六、井上成美らが利用したことから「海軍料亭」とも呼ばれる横須賀市の老舗料亭「小松」で会食した思い出もあるという。「小松」は2016年5月に火災で全焼してしまったが、横須賀とスポーツの深い縁は今も不変。吉田前市長と池田前社長という同年代の若きリーダーが基礎を築いた“スポーツの灯”は、横須賀の街に新たな活気をもたらしている。



【衣笠温泉】（衣笠温泉旅館内）
■住所
〒238-0025 神奈川県横須賀市衣笠町21-20

■アクセス
車 ：横浜横須賀道路・横須賀ICからすぐ
電車：横須賀中央駅からバスで約25分。「衣笠城址」から徒歩で約10分

■公式サイト
http://www.kinugasaonsen.com

※宿泊施設内のため、温泉のみの利用はできません。




取材協力：文化放送

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文化放送「池田純 スポーツコロシアム！」（毎週月 20:00～20:30）
パーソナリティ：池田純
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