ボクシングマニアの池田氏は、WBSSの決勝を心待ちにしているという。
「初めて井上尚弥選手の試合を観たのは、彼が高校生のとき。千葉で行われた国体だったんですけど、こんなに華麗でカッコいいボクサーがいるんだと驚いたんです。そうしたらあれよあれよと世界チャンピオンになった(笑)。ちょうど私は横浜DeNAベイスターズの球団社長だったので、神奈川県座間出身の彼にいち早く始球式をやってもらいました。まだチャンプになりたてで初々しい印象でしたね」

アマチュア時代から華々しい成績を収め、2012年10月にプロデビューした井上は、2014年4月当時日本人最速の6戦目にして世界王座を獲得(WBC世界ライトフライ級)。同年9月に初防衛を果たすと、王座を返上し、12月には8戦目にしてWBO世界スーパーフライ級王者に輝き、2階級制覇を達成する。その後、王座防衛を重ね、2018年5月には世界バンタム級王者ジャイミー・マクドネルを倒し、ついに3階級を制覇。デビュー以来、18戦18勝、うち16戦がKOというまさにモンスター。その井上がいま挑んでいるのが、最強の王者を決める“リアル天下一武道会”(池田氏)WBSSなのだ。

「現在、ボクシング界にはWBA、WBC、IBF、WBOの4団体があり、それぞれにチャンピオンがいます。この団体の枠をとっぱらって、誰が一番強いかをトーナメント制で争うのがWBSS。第1シーズンは過去に例のない大会とあって、世界的もかなり注目を集めています」(大橋会長)

今回のさいたまスーパーアリーナで開催される決勝も、A席10万円、B席5万円という強気の価格設定ながら発売から15分間で完売したとか。もちろん優勝賞金も破格。公式には発表されていないが、バンタム級の場合優勝賞金は400万ドルといわれている。ここまで1回戦、準決勝と順当にKO勝利を収めてきた井上だが、決勝の対戦相手はかなりの難敵だ。

「相手は、ノニト・ドネアはベテランのハードパンチャーです。世界一の左フックを武器に5階級を制覇してきたフィリピンのスーパースター。実はかつて井上も彼に指導を受けたことがあるんです。36歳という年齢から井上が有利という声が多いようですが、まったく油断ができない相手だと思っています。ディフェンスもいいので、相打ちのカウンターで一発勝負を仕掛けてくるのではないかと警戒しています」(大橋会長)

「私はこれまで井上選手の世界戦はすべて観ているのですが、とにかく一瞬も気を抜かず、いつでも勝負する、世界を取る選手に共通する鋭すぎる“気”が格段に凄いのを毎回感じます。毎回、早い段階でKO勝ちしてしまうのでスタミナまで気にすることがないのですが、長期戦になっても問題ないんでしょうか?」(池田氏)

「ここまでかなり中身の濃い練習を重ねているので、後半勝負になっても問題ないだけのスタミナはあります。実は彼は消耗戦にも強いんですよ。おっしゃるとおり、早めの決着が多いのでなかなかそれを見せることができないんですが(笑)」(大橋会長)

大橋会長によると、今回のWBSS決勝はボクシングファン以外の、特に女性からの注目度も高いという。

「井上選手はほとんど打たれないから顔がきれいでカッコいいんですよ。まったくボクシングに興味のないうちの妻も彼の試合だけは観たがりますからね(笑)」(池田氏)

「私の母親もそうなんです。私の試合とかまったく観てなかったのに、井上の試合は観たがる(笑)。そういうこともあって、今回の試合の結果によっては、日本のボクシングの景色が変わるかもしれないと期待しているんです」(大橋会長)

井上は現在、必死の覚悟でドネア対策を積み重ねているという。井上は真の世界王者になれるのか? 日本のボクシングの景色は変わるのか? ファンならずとも目が話せない一戦のゴングまで残された時間は、すでに1ヶ月を切っている。




取材協力:文化放送

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