「The Heart of LifeWear」―支援の輪が能登に広がる
当日は、石川県内から集まった46名の子どもたちと一緒に汗を流しながら交流を深め、サッカーを通じた被災地支援や次世代の子どもたちへのメッセージを発信し、復興に向けた継続的な想いを共有した。さらに、今回の能登会場では「The Heart of LifeWear」活動の一環として、実際に内田さんから子どもたちへヒートテックの寄贈を実施。もうすぐ冬を迎える被災地の方々に、少しでも温もりと快適さをお届けするための支援活動として行われた。
開会式がスタートし、実際に子どもたちの前に元サッカー日本代表の内田篤人さんが登場すると、子どもたちは少し緊張気味の表情を浮かべながらも、内田さんの一挙手一投足に釘付けだった。昨年に引き続き、JFAユニクロサッカーキッズのゲストとして2度目の石川県訪問を果たした内田さんは、「1年前に訪問した際は地震の影響がまだ残っており、校舎のコンクリートが崩れたりしていたのが印象的でした。そこから1年ほど経過しますが、まだ復興が進んでいない場所も目の当たりにしており、この活動をする意味を改めて感じています。また、地域の方と共にこの活動を盛り上げることに意味があると感じており、僕にもまだできることがたくさんあると思っているので、これからも支援をしていきたいですし、能登という地域の素晴らしさを届けていきたいと思っています」と、復興に向けた自身の役割や被災地への想いを口にした。その後、内田さんと子どもたち全員でJFAユニクロサッカーキッズ恒例のウォーミングアップダンスである「クラッキ!ダンス」を踊り、会場中が一体感に包まれた。続いて行われたキックオフセレモニーでは、内田さんが子どもたちの想いを背負いながら、サッカーボールをゴールに蹴り込む演出が行われた。開会式の最後には、内田さんから子どもたち一人ひとりに対してユニクロのヒートテックが手渡された。

真剣な眼差しと笑顔あふれる交流 サッカーを通じて心がひとつに
開会式ののちに行われた試合は1チームあたり5~6人に分かれ、前後半5分ハーフで実施。参加した子どもたちは一目散にボールを追いかけ、時には真剣な眼差しで内田さんから直々に指導を受ける場面も見られるなど、終始目を輝かせながら満足げな表情を浮かべた。また、子どもたちからは内田さんに対して、「カッコよかった!」「一緒にサッカーができて嬉しかった!」といった感想も飛び出すなど、参加者全員がかけがえのない有意義な時間を過ごしていた。内田さんも試合中は、「あっちあっち!」とゴール方向を指差しながら子どもたちと一緒に得点を目指したり、時には子どもの手を引いて笑顔でボールを追いかけたりするなど、子どもたちと楽しそうに打ち解けている様子が見られた。
また、会場内にはユニクロが支援の必要な世界中の人々にヒートテックを100万点寄贈する活動「The Heart of LifeWear」の一環として、ハートのシールをパネルに貼る企画が実施され、試合の合間に内田さんが子どもたちと共に参加する姿も見受けられた。高いところに手が届かない子どもがいると抱っこをしてあげたり、試合の合間には参加者の子どもたちやそのきょうだいらと積極的に遊ぶ姿が見られるなど、現役時代の表情とはまた違った、三姉妹の“パパ”としての姿も垣間見えた。

サッカーがつなぐ笑顔と絆 復興への想いを胸に…
イベントの最後には、ゲストの内田さんから総評として「今回は6歳以下の子どもたちに向けて、純粋にサッカーを楽しんでもらうという意味も込められていたイベントだと感じています。小学校に上がる前なので、走る・転ぶ・立ち上がるなどの基礎的な能力が伸びる年代ということで、今回のサッカーキッズのようにチームスポーツに挑戦しながら、接触を怖がらずにこれからも色々なスポーツを楽しんで欲しいと思います。今回のイベントを通じて、子どもたちがスポーツを始めるきっかけになってくれたら嬉しいです」と、将来有望な子どもたちに激励のメッセージがありました。さらに、「地域によって、勝負にこだわるエリアがあったり、楽しさにこだわるエリアがあったりと非常に面白いです。石川の皆さんは子どもたちが必死にボールを追いかけてサッカーを楽しんでいるだけでなく、イベントのお手伝いをしてくれた高校生もとても協力的で、一緒に盛り上げてくれていたのが嬉しかったです。優しさやチームワークのある地域性を肌で感じることができたので、温かく迎えてくれた石川の皆さんに対して、自分ができることを今後も積極的に行っていきたいです」と、ボール一つでたくさんの人が繋がることができるサッカーそのものの魅力を発信するとともに、今後も震災復興に向けた活動を継続していく思いの丈を語り、本イベントを締め括った。