このポップアップストアが展開されているのは原宿・神宮前交差点に面した「オモカド」の5階。200点以上のアイテムが並ぶ店内では、レイズとブルワーズのキャップやリーグ優勝記念Tシャツ、タオルなど、このワールドシリーズの主役たる両球団のグッズが真っ先に目に入る。

 現在のMLBでは両リーグ各15球団のうち、東中西3地区の優勝チームとそれ以外の勝率上位3チームがプレーオフに進出。これを勝ち抜いた1球団のみがワールドシリーズに駒を進めるのだが、レイズとブルワーズはどちらもレギュラーシーズンのリーグ勝率No.1であり、今年はまさにア・ナ両リーグの「最も強いチーム」同士によるワールドシリーズと言える。

 ファナティクスはこれまでもロサンゼルス・ドジャースとシカゴ・カブスによるMLB東京シリーズや、ワールド・ベースボール・クラシックなどに合わせてポップアップストアを展開してきた。同社の戦略部マネージャーの栗栖勇人氏は、今回も「MLB 最大のイベントであるワールドシリーズ期間中に、実際にお客様に商品を手に取っていただく機会を提供したいと考えて、この期間になりました」と話す。

 このワールドシリーズに合わせての展開だけに、前述のとおり店頭にはレイズ、ブルワーズのグッズやユニフォームの他、両チームのロゴが入ったワールドシリーズ記念Tシャツやタオルなどが並ぶ。これについては栗栖氏も「対戦チームが決まってから製造を始めているので、なかなか難しいところを実現できたのが1つのポイントかなと思います」と胸を張る。

 店内の大型スクリーンにはワールドシリーズの試合中はライブ映像が映し出され、時間帯によっては録画を流すこともあるという。つまりはレイズとブルワーズの熱い戦いを横目で、あるいは食い入るように見つめながら、その場で両チームのグッズを手に取るという、実に贅沢な時間をここでは過ごすことができるというわけだ。

 もっともこの店舗で扱っているのは、レイズとブルワーズの両球団およびワールドシリーズにちなんだ商品ばかりではない。ドジャースの大谷翔平や山本由伸、今年から海を渡ったシカゴ・ホワイトソックスの村上宗隆とトロント・ブルージェイズの岡本和真といった日本人メジャーリーガーのグッズも、ユニフォームなどはもちろんキーホルダーといった小物まで取り揃えられている。

岡本和真選手、村上宗隆選手のアクリルスタンド

 今やアニメ、アイドル等にとどまらずスポーツ、MLBも“推し活”の1つになったことを実感させられる商品がアクリルスタンド。こちらは大谷、村上、岡本ら日本人選手だけでなく、昨季はナ・リーグのサイ・ヤング賞に輝いたポール・スキーンズ(ピッツバーグ・パイレーツ)、今季のナ・リーグMVPの呼び声高い「PCA」ことピート・クロウ=アームストロング(カブス)などMLBを代表するスタープレーヤーもラインナップされている。ちなみにスキーンズに関しては直筆サインボールも展示販売されていて(税込み11万7000円!)、これを拝むだけでもここに足を運ぶ価値がありそうだ。

 さらに各種キャップや、フーディー(パーカー)、ジャケットなどのアパレル、古よりの定番であるベースボールカードなど、充実したアイテムの中でも“目玉”といって過言ではないのが「Under Wraps(アンダーラップス)MLB Jerseys」という商品。Jerseysとはユニフォームのことで、大きめの箱に封入されているのはなんと選手のサイン入りユニフォーム! 現役のスター選手、あるいは往年のレジェンドプレーヤーなど、開けてみるまでどの選手のものが入っているか分からない「福袋」的な商品であり、選手が試合で実際に使用したユニフォームも含まれているという。それこそ大谷のユニフォームを引き当てでもしたら、とんでもないお宝ゲットとなりそうだ。

MLB公式直筆サイン入りユニフォームが封入されている「Under Wraps」

 このポップアップストアの営業は11月2日までの予定で、ワールドシリーズがこのまま順延なく第7戦まで行われた場合は、その翌日が最終日ということになる。栗栖氏によるとこれも定番のワールドシリーズ優勝グッズは「優勝チームが決まりしだいすぐに製造し、できるだけ早いタイミングで販売する予定」とのこと。冒頭でも紹介したとおり、レイズが勝ってもブルワーズが勝っても初のワールドシリーズ制覇となるだけに、歴史的なグッズをいち早くこの店舗で手に入れられる可能性は大いにありそうだ。

「古くから MLB をお好きな方には、念願のオフィシャルポップアップストアということでぜひ来ていただきたいですし、昨今は日本人選手がかなり増えてきていますので、最近MLBを見始めて何を買えばいいか分からないというお客様にとっても、ここでしっかりと商品を手に取っていただくという機会になればと思っております」(栗栖氏)

 商品目当てで来るもよし。大画面で野球界最高峰の試合を楽しむもよし。MLB、いや野球好きならば、ぜひこの機会に足を運んでほしい。


菊田康彦

著者プロフィール 菊田康彦

1966年、静岡県生まれ。地方公務員、英会話講師などを経てメジャーリーグ日本語公式サイトの編集に携わった後、ライターとして独立。雑誌、ウェブなどさまざまな媒体に寄稿し、2004~08年は「スカパー!MLBライブ」、2016〜17年は「スポナビライブMLB」でコメンテイターも務めた。プロ野球は2010年から東京ヤクルトスワローズを取材。著書に『燕軍戦記 スワローズ、14年ぶり優勝への軌跡』、編集協力に『東京ヤクルトスワローズ語録集 燕之書』などがある。