男子日本代表の第3回重点強化合宿がスタート、指揮官は「一人ひとりが日本代表としての誇りを持っている」と評価
疲労を考慮しつつも、ディフェンス主体に入念な指導を実施 2月に新体制となって初の強化試合をイランと戦った日本代表は、6月2日から7日に行われる『東アジア選手権』に向けたチーム強化を行っている。30名の候補選手の半数が、昨日と今日で強化合宿を行った。 イランとの2試合でも見て取れたように、国際舞台を戦う上での第一の課題はディフェンスである。暫定ヘッドコーチを務めるルカ・パヴィチェヴィッチは、報道陣に公開されたこの日の練習でも守備の指導に多くの時間を割いた。 強化合宿を始めた当初はディフェンスの細かい基礎ばかりだった練習内容も次第に変化。ディフェンスリバウンドから速攻に持ち込む動きの確認では、ガード陣に重点的にアドバイスを送った。また同じくディフェンスリバウンドからセットオフェンスのバリエーションをいくつか指導している。ルカコーチが「長いシーズンの終盤、しかも2試合を終えているので、疲労を考慮しながらやっている」と説明する通り、インテンシティ(激しさ)は求めないが、頭を使わせるメニューが続いた。 ハーフコートでの5対5では、ディフェンスを重点的に指導。誰でもやっている『ディナイ』(パスコースに手を入れる守備の動き)を、実際の動作、やるべき場所といったディティールにこだわって選手たちに教え込んだ。 ルカコーチは合宿に取り組む選手の姿勢を高く評価 ルカコーチは「日本の選手はサイズもないし身体能力も高くない中で、ゲームの動きを作らなければならない。リーグが終わって6月頭の東アジア選手権開幕まで時間がない中、今やっていることをどれだけ積み重ねられるか」と課題を挙げつつも、合宿に参加する選手の姿勢をこう評価する。 「選手は厳しいスケジュールで疲労困憊の中でも、毎回ミーティング、練習を姿勢良くやってくれる。一人ひとりが日本代表としての誇りを持っているのも感じるし、『スタンダードを築きたい』という気持ちがあるのも感じる」 来週は第2班の15選手が参加し、同じ内容の強化合宿を実施する。終盤戦に入るリーグ戦がいよいよ加熱する中、気持ちを切り替えつつクラブと代表を掛け持ちする選手にとっては厳しい時期ではあるが、この積み重ねが日本代表を強くしていく。
文・写真=丸山素行