リオ五輪でベスト8に躍進したバスケットボール女子代表、アジアカップ3連覇&その先の東京五輪を見据えた戦いがスタート
「鍛え、考え、戦い抜く」「チーム一丸」「不屈」 3月21日、日本バスケットボール協会は会見を開き、技術委員長の東野智弥、新ヘッドコーチのトム・ホーバスが新たな代表チームの概要とともに、バスケットボール女子日本代表候補34名を発表した。 チームスローガンは『Out work, Out think, Out Play; Play as One; Relentless』。「鍛え、考え、戦い抜く」「チーム一丸」「不屈」を意味する。 ホーバス新ヘッドコーチは、練習に励み、考えながらプレーをして、体格差や疲れを言い訳にせずチーム一丸となって戦い抜くことを大前提に置き、「オフェンスもディフェンスもトランジションも最後まで絶対に止まらないようなチームに」と新たな代表チームの構想を語った。 また、攻撃は「速いペースのトランジションオフェンス。4番、5番も含め全員が走るバスケット」をコンセプトとし、守備では「いろいろな種類のディフェンスを用意し、アグレッシブなチームディフェンスを目指す」と説明した。 リオ五輪後の再始動は、4月6日から16日、4月20日から30日の2回に分けた強化合宿から。リオ五輪を控えて長期の合宿を繰り返した前体制から引き続き、「チームをファミリーにするため」という狙いで合宿を実施する。 リオのメンバーに若手を加えた34名の代表候補を発表 この合宿に参加する代表候補選手は34名。吉田亜沙美、渡嘉敷来夢を始めリオ五輪メンバー12名は全員が招集されているが、2020年の東京オリンピックをターゲットとし、多くの若手をリストアップしており、平均23.6歳と若いグループになった。 「若い選手たちにとってはトライアウトです。実績のある選手たちも代表の指定席が約束されているわけではありません」とヘッドコーチは言う。第3次合宿以降は15名ほどに選手を絞り込むと明言しており、最初から『競争原理』が働くことになる。 ひとまずの目標は7月23日から29日まで、インドのバンガロールで行われるアジアカップでのアジア王座防衛だ。2013年で43年ぶりにアジア女王となった日本は、リオ五輪予選を兼ねた2015年大会でも中国を破り優勝。このタイトルを死守し、2020年に向けて『アジアの盟主』の地位を固めることを目指す。 強化合宿は4月の2回を皮切りに、5月、6月、7月と計5回を予定。その間に海外遠征も実施し、アジアカップに万全の準備を整える。 連覇を果たしているとはいえ、今年から強豪オーストラリアとニュージーランドが加わり、大会のレベルは飛躍的にアップしている。4位までが2018年にスペインで行われるワールドカップへの出場権を得るが、AKATSUKI FIVEの目標は優勝のみ。リオ五輪の記憶は色褪せていないが、新たな戦いが始まろうとしている。
文・写真=丸山素行