男子日本代表の第4次強化合宿、コンディション管理を重視した前回から一転『実戦に近い強度』の練習で濃密な時間を過ごす
代表選考レースであることを思い起こさせる激しさ 6月に行われる東アジア選手権に向け強化を進めている男子日本代表は、4月18日、19日の2日間で第4次強化合宿を実施した。 週末の試合の翌日に開催されていたこれまでのスケジュールとは異なり、月曜日のオフを挟んで火・水の練習ということもあって、強度の高い練習内容となった。 速攻の練習では3人、4人、5人と人数を増やしていき、フィニッシュの選手を自由に選択させて選手たちの創造力を引き出す。その後のハーフコートオフェンスの練習ではピック&ロールの動きを重点的に確認。ディテールにこだわるルカ・パヴィチェヴィッチはセンター陣に対し、「ガードがどこに行きたいかを予測しながら動け」と指示を送った。 ディフェンスリバウンド後のリスタートというシチュエーションの練習では、タイマーを7秒に合わせ、4対3の数的優位な状況のままフィニッシュまで持っていくことを意識させた。 合宿の締めくくりはハーフコートの5対5。実戦さながらの激しいコンタクトが繰り返される『ガチンコ』のプレーは、この合宿が12枠の代表選考レースを兼ねていることをあらためて思い出させるに十分なものだった。 インテンシティとアグレッシブネスの意識が選手に浸透 「今回の合宿に関しては特に激しく素晴らしい質でやってくれた」とルカコーチは手応えを語り、ディフェンスに注力してきたこれまでの合宿で『インテンシティ』と『アグレッシブネス』の意識が選手たちに浸透したことを成果に挙げた。 その一方で「オフェンスに関してはディフェンスよりも複雑で、すぐに結果をもたらすことが難しく、プレーブックが十分に完成されたわけではない」と話し、オフェンス面はまだまだ発展途上だと言う。それでも「ヨーロッパのピック&ロールスタイルを紹介して、そのスタンダードは確立できた」と一定の満足は得ているようだ。 12人の選定はチャンピオンシップ、残留プレーオフを終えるまで分からないとルカコーチは話す。Bリーグはレギュラーシーズンも残すところ7試合となり佳境を迎え、選手たちはそれぞれのチームでアピールを続けていくことになる。
文・写真=丸山素行