7月のアジアカップに向けて日本女子代表が本格始動、2次強化合宿より『リオ五輪組』を加えた18名が熾烈な競争中
昨年度に引き続きキャプテンは吉田亜沙美に 7月のアジアカップ(ワールドカップアジア地区予選)に向けて始動した女子日本代表が、4月25日にメディア公開練習を行った。 トム・ホーバス新ヘッドコーチ(HC)のもと34名の候補選出から始まり、第1次強化合宿ではリオ五輪メンバーを除く選手たちが『トライアウト』と呼ばれる中でふるいにかけられた。4月20日から始まった第2次強化合宿からはリオ五輪組が合流。昨年度に引き続きキャプテンに任命された吉田亜沙美(JX-ENEOS)を筆頭に、現在19名に絞られた中で激しい競争が繰り広げられている。 渡嘉敷来夢(JX-ENEOS)が3年目となるWNBA参戦のために4月12日に渡米し、栗原三佳(トヨタ自動車)が骨折した指の手術のために不参加という中で、リオ組以外で選考に残っているのは8名。リオ五輪の最終選考まで残った篠崎澪(富士通)と藤岡麻菜美(JX-ENEOS)。Wリーグで著しい成長を見せている水島沙紀(トヨタ自動車)、シューターとして上昇中の根本葉瑠乃(三菱電機)、強いプレーが売りの馬瓜エブリン(アイシンAW)。そして、若手インサイド陣として期待されている河村美幸(シャンソン化粧品)、赤穂さくら(デンソー)、西岡里紗(三菱電機)がその顔ぶれだ。 ホーバスHCは「2番(シューティングガード)は競争が激しいけれど、ビッグマンは人材が足りない。今は渡嘉敷がいないし、髙田(真希)や大﨑(佑圭)に続くビッグマンはまだいない。今後は強いプレーができるタフなビッグマンを育てていかなくてはならない」とインサイドプレーヤー育成の急務を課題にあげている。その中で河村、赤穂、西岡の3選手が初の代表入りをかけて争っているところだ。 アメリカ行きをかけて15名をセレクション中 第2次合宿では、主にトランジションとハーフコート展開でのベーシックな攻防を練習。「細かいところはこれから」とホーバスHCは言うものの、この日は1対1や5対5の攻防練習において、実際に国際審判を招集してファウルとなる基準をチェックした。 すでに1次強化合宿からピリピリした戦闘モードの中で練習が行われおり、攻防練習においては、選手間で動きを連絡しあう声が出ていなければホーバスHCの叱責が飛び、意図する動きができない場合は選手間で話し合う姿が頻繁に見られるなど活気に満ちており、細部に至るまで妥協しないホーバスHCのカラーが出ている。 4月30日から予定されているアメリカ遠征に出発できるのは15人。現在は渡嘉敷を除く18名が参加していることから、この中から3名が脱落することになる。 「2次合宿に入ってリオに出ている選手が参加したことで、練習のレベルが上がっている。この中から3人カットされるから、みんな必死に練習を頑張っている。今やっていることはトランジションとセットのベーシックな動きだけれど、誰がきちんと攻められるか、誰がきちんと守れるのか、誰がきちんと動きを理解しているかを厳しくチェックしている」とホーバスHC。 今後のスケジュールは、4月30日から5月13日までアメリカ遠征を行い、シアトル、ダラス、サンアントニオにて、開幕前のWNBAのチームと練習試合が組まれている。帰国後には第3次強化合宿が国内で行われ、5月末にはヨーロッパ遠征(スペイン、セルビア)へと向かう。まずはアメリカ行きを懸けた15名のメンバーが、4月30日の出発直前に発表される予定だ。
文・写真=小永吉陽子