バッティングレッスン体験のお話をいただいて、是非是非とお引き受けしたが、当日が迫るにつれて憂鬱になってきた。何しろ私は鈍いのだ。ぱっと表れる事態にさっと反応する、つまり適切な身体の部分に瞬時に力を入れて動かすことができない。30分やそこらで上達するはずがない、その場合は、ぐんぐんうまくなるので超おすすめ!みたいな嘘を書いた方がいいのかな、とさまざまな心配を抱えて、アカフースタジアム(横浜市港南区)に向かった。

井手正太郎 野球塾について | 株式会社ニーロク

井手正太郎 バッティングクリニックについて【コンセプト】当院はバッティング専門の診療所です。完全マンツーマン指導で患者様の骨格や筋力に合わせた治療方法で全力サポートさせていただきます。塾やスクールではないので週に何回来てもいいし、打てるようになったら1~2か月期間が空いてもいい。でまた打てなくなったら来てください!そういったスタイルですので歯医者に行く感覚で予約の方どうぞ!

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アカフースタジアム

が、井手正太郎先生に会うと、こんにちは、と自然と笑顔で挨拶していた。以前イベントでお話したのを覚えていてくださって、ありがとうございます。

まずは問診から

 クリニックなので、まずは先生に症状を伝えて、問診票作成。

「週に一度くらいバッティングセンターに通っているがまったくうまくならない、悪いところはたくさんあるはずだがひとまず何から直せばいいか知りたい、ボールも見えない」

 打つ手なしかと思われる重症を、井手先生は頷きながら真剣に聞いて書き込んでくれる。ほんとにヘタですよ、と念を押して、まず1ゲーム。

©Baseball Crix編集部

 こんなに近くで、元プロ野球選手が、私のしょうもないバッティングを見てくださっている。非日常。それにしても、なんだろうかこのフォームは。いかにも気合いが空回りしそうな。子どもなら教えたことをすぐに習得できるかもしれないが、私は今さらどうしようもないのでは。

問題点を見抜き、まずはフィードバックから

 心配もつかの間、「わかった、じゃあまずは……」と、井手先生はすばやくメニューを組んで、始めてくださった。こんなレベルの人間に指導をした経験は多くはないはずだが、素晴らしい対応力。できないなりに、ついていくしかない。

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左足はそんなに上げなくていい、右足に体重を乗せる感じで。

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 そんな基本的なこともできないなら、反省して真面目に聞いて……といいたいところだが、なぜか楽しそう。

プロ時代の経験を生かし、レベルに合わせた”治療”を行う

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次は、「直接見ずに、ボールがどのあたりにあるかを知る」練習。選手は皆、バットに当たる瞬間までボールを見ているのではなく、この軌道ならここに来る、という予測で打っているとのこと。

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 動いているものは、つい見てしまうもの。めっちゃ見てるやん、といわれて、苦笑いどころか大笑いの私。

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 今度は自分で投げ上げるのではなく、投げてもらったボールを、バットを振るイメージで右手でキャッチ。

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 また左足が上がっている。どこまでも嘆かわしい生徒に呆れることなく、根気よく指導する井手先生。

じっくり個々のペースに合わせて指導しつつ、徐々に実践的要素を取り入れていく

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 続いて、ティーバッティング。これ初めてです、という私に、実演してみせてくれる。

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 こうですか、先生。

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 では、打ってみます。いちばん初めにバットを構えている写真よりは、すでにいくらかましになっているような。

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 重心はここに残す、前につっこまない。

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 なかなかできない私に、先生が魔法の言葉。おかげで、イメージできたかも。

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 最後にもう1ゲーム、のち爆笑。打率が格段に上がった、というようなことは、実はなかった。それはそうだろう、フォームを大改造して、急にバンバン打てるものではない。定着するまで練習を繰り返さなければ……そう。フォームは確実に、変わったのだ。

 そのことは、翌日以降にも証明された。今までバッティングセンターに行っていた時とはまったく違う部分が、筋肉痛になった。初めて脇腹が痛くなった。ようやく身体をひねることができるようになったのだ。今まで何をやっていたのかという話ではあるが、とにかく大きな進歩だ。

今回はここまで。実際にクリニックを受けてみてどうだった?

 井手先生とお話している時の、なんとなく懐かしいような雰囲気は何なのだろうと考えて、思い至った。「教育実習生の先生」だ。

 私が通っていた教育大の附属小学校には、各学級に5、6人の教育実習生が配属されていた。体育の先生は明るくてかっこよくて、男子からも女子からも大人気だった。回数を重ねても、小手先で済ませてしまうベテランの先生のようにならずに、ちょっとでもうまくなってほしい、楽しんでほしいという情熱をもった教育実習生の先生でいてくださいね、井手先生。いや、お願いするまでもなく、変わらないでいてくれるはずだ。

最後にプロのバッティングを拝見

©Baseball Crix編集部

 最後に見せていただいた先生の打撃……当たり前といえばそうだが、これまでバッティングセンターで見たことのないレベルで、ぽかんと口を開けて眺めていた。音が違う、打球の鋭さが違う。絶対、私がこんな風に打てるようになることはないけれど、でも練習しよう、と思った。こんな人に教えていただいたのだから。一日限りの経験として徐々に忘れていくだけでは、もったいなすぎる。先生、これだけできるようになったよ、と報告できる頃に、またお邪魔しますね。

(了)

ご予約はこちらから

 いかがだったでしょうか? 実際に元プロが教える、というとなんだか尻込みしてしまうかもしれませんが、実際には笑い声が絶えず、終始和やかなムードで進行していました。そんな中でも確実に遠藤さんのフォームが修正され、一つ進化した結果を見届けることが出来たのは「さすが!」という他ありませんでした。

 このクリニックは、井手さん曰く「全年齢対象、性別・経験問わず誰でもオッケー」とのこと。少年野球をやっていて伸び悩んでいるお子さんから、果ては仕事帰りのバッティングセンターでストレス解消のために快音を響かせたいというOLさんまで大歓迎ということです。技術向上ももちろんですが、トップアスリートとして15年もの経験を積んだ方との交流という面でも魅力的なものに映りました(編集部)


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【井手正太郎バッティングクリニック】
 マンツーマン指導によるバッティング専門クリニック。年齢・性別・レベル問わず指導を受けられます。
 完全予約制、1回30分 5000円。入会金・会費等は不要。

 実際に受けてみたい方は、下記のリンクから詳細をご確認ください。

井手正太郎 野球塾について | 株式会社ニーロク

井手正太郎 バッティングクリニックについて【コンセプト】当院はバッティング専門の診療所です。完全マンツーマン指導で患者様の骨格や筋力に合わせた治療方法で全力サポートさせていただきます。塾やスクールではないので週に何回来てもいいし、打てるようになったら1~2か月期間が空いてもいい。でまた打てなくなったら来てください!そういったスタイルですので歯医者に行く感覚で予約の方どうぞ!

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取材協力:アカフースタジアム、井手正太郎(株式会社ニーロク)


BBCrix編集部