今回、CRAFT SAKE WEEK@KITKAT BARを開催することになったきっかけを教えてください。
「やはりいちばんは、新しく発売される『キットカット 梅酒 鶴梅』と『キットカット 梅酒 鶴梅』の魅力を伝えたかったということです。これまでも日本酒風味のキットカットをプロデュースしてきたんですが、今回は初めて梅酒にも挑戦しました。チョコレートと梅酒の酸味があうのではないかと思い、開発をスタートしたんですが、なかなか大変で。0.01%までこだわって酸味を調整し、新しく、そしておもしろい味が出来上がりました」
パッケージのデザインにもこだわったそうですね。
「新しく発売される2つのキットカットが並んで美しいことにこだわっています。梅も赤くしたかったんですが、赤ばかりになるので、あえて青梅の色にしました。むしろそれがこのチョコレートの爽やかな酸味を伝えることになっているかもしれません。あとは小分けのパッケージに酒蔵名を入れたり、箱の横に日本酒の豆知識を入れたりもしています。キットカットをきっかけにより多くの人が日本酒を楽しめればいい。チョコレートのと日本酒、ふたつの異なるマーケットがつながることになればおもしろいなと思っています」
中田さんがこだわった「キットカット 梅酒 鶴梅」パッケージCRAFT SAKE WEEK@KITKAT BARには、この2つのキットカットにあわせたふたつのオリジナルカクテルのほか、全国の銘酒が並んでいます。このセレクトはどんな基準で行ったんでしょうか?
「今年は西日本豪雨で多くの酒蔵が被害を受けました。今回はそういった蔵を応援したいと考えてメインにしました。“おいしい”の向こう側に、意義があればいいなと。酒を呑むときは、楽しむだけでじゅうぶん。それが結果的に災害で被害を受けた方々を元気づけることになればいちばんいいんじゃないかと思っています。今年は台風や地震でも大きな被害が出ていますが、少しでも役に立てることがあれば、協力したいと思っています」
今回はインバウンドの多い地域でのイベント。キットカットの日本酒風味は、国際空港でお土産としても人気だということです。何か外国人を意識したプロデュースをしているんでしょうか?
「海外の方に高く評価してもらえるのは、とてもうれしく思っています。でも僕は、日本人だから、外国人だからおいしいというものではなく、国籍や年齢に関係なく、だれが食べてもおいしいキットカットを目指しています。ふだん日本酒を呑まない人にもおいしいと思ってもらえる自信があります」
バーには海外からのお客様の姿も目立つこれまでCRAFT SAKE WEEKは、東京、福岡、仙台などの大きな会場で開催してきましたが、今回は宿泊施設の中。今後どのような進化をしてくのでしょうか?
「規模よりも大事にしたいのは、クオリティです。単に酒が集まるイベントではなく、おいしい酒が集まるイベントとして認知されたいですね。CRAFT SAKE WEEKと言っていますが、DAYSでもMANTHでもYEARでもかまわない。みんなが『あそこに行けば、おいしい日本酒が呑めて楽しい』と思える“ブランド”になればいいなと。日本はどこにいってもおいしいお酒があるから、47都道府県地元の酒でも開催できます。そうだ! このキットカットも47都道府県バージョンを出せたら、選ぶのが楽しいでしょうね(笑)」
これからも中田さんプロデュースの日本酒イベントがどんどん開催されるということですね。
「日本酒だけでなく、食や器、スイーツなど、日本酒のまわりにある文化を伝えるイベントを開催していけるといいですね。僕はいま酒器や日本酒セラー、発酵食品などの開発も行っています。いろいろな方の協力を得ながら、焦らず進めていきたいと思っています」
今後も中田さんの活動から目が離せない