青春体験型野球ゲーム『八月のシンデレラナイン』(略称:ハチナイ) のCM「全力少女」シリーズへの出演で注目を浴びる池田朱那。兄の影響で小学校1年生から中学1年まで本格的に野球をやっていたという彼女。“現役”時代は、ピッチャーの他、ショートやキャッチャーなどさまざまなポジションをこなしていたという。154.5cmの小さな体ながら運動能力は抜群で、CMからもその動きの良さが伝わってくる。

この日、炎天下の東京郊外の野球場で彼女は球速チャレンジを行った。目指すは104km/h。女性タレントによるプロ野球始球式の最速記録に挑むのだという。ウォーミングアップを終え、マウンドに上がる。表情は真剣そのものだ。まずはセットアップから第1球。見事なストライクがキャッチャーミットに吸い込まれる。見た目にはかなり速く感じたが、球速は87 km/h。池田もマウンドでクビをひねる。次はワインドアップポジションから足を振り上げ、ダイナミックに投げ込む。キャッチボールのときと異なり、ちゃんとピッチャーのフォームになっていることに驚く。球速91 km/h。当初5球といわれていた球速チャレンジだが、なかなか球速が伸びないため、止まることなく池田が投げ続ける。

92 km/h、87 km/h、95 km/h、94 km/h、97 km/h……。なかなか100km/hまで届かない。汗だくになりながら、黙々と投げ続ける池田。驚くのはほとんどのボールがきちんとド真ん中に投げ込まれていることだ。球筋は鋭く、もし素人がバッターボックスに入ったら軽くのけぞるほどの迫力がある。

結局、この日は最速97km/hでチャレンジ終了。終了直後、まだ汗もひかない彼女にインタビューを行った。

「球速を測ったのは初めてだったんですが、もう少し出るかなと思っていました。ちゃんとボールを握ったのが4年半ぶりで、ほとんど練習できなかったので、感覚がなかなか戻らなくて。もう少し練習をして、まずは100 km/hを出したいと思います」

目指すはプロ野球の始球式。いずれは「女性タレントで一番速いピッチャーになりたい」と無邪気に笑う。

「負けず嫌いなので、やっぱり一番を目指したい。野球が本当に好きなんです。7年間野球を続けて、地元の選抜チームに選ばれたこともありますが、男子チームのなかでやって限界を感じました。野球のいいところは、チームで戦うところ。当時のチームメイトとは今も仲が良くて、たまにご飯を食べに行ったりもしますよ。好きなチームはジャイアンツです。子供の頃は、地元の群馬県から毎週のように東京ドームまで観戦に行っていました。当時はアレックス・ラミレス選手が大好きで、あと阿部慎之助選手とか……。これを言うと必ず笑われます(笑)」

女優としてもこれからさらなる飛躍を目指す。

「今は舞台などをやりながら、お芝居の勉強中です。ドラマとか映画とか、野球にかかわる仕事があればぜひやってみたいですね」

その球筋のように夢に向かってまっすぐに努力する彼女。その姿をプロ野球の始球式で見るのは、そう遠い未来ではないかもしれない。


VictorySportsNews編集部