20歳台前半のとき以来だというラジオでの共演。3学年上の前園氏は「最初会った頃から『ゾノ』だよね。一応、先輩だけどね」と笑うと、中田氏は「『ゾノ』っていうのは誰もが呼ぶ名前。そこには年上も年下もない。キャラクターの名前みたいなものだから仕方ないよ」と反応。そんなやり取りに、2人の関係性が表れていた。
2人の出会いは1996年アトランタ五輪の日本代表。宿舎が2人部屋で、同部屋だった。「ヒデは19歳だよね。一番後で(代表に)入って来た」と前園氏。その出会いの際の中田氏の行動が、今でも鮮明に脳裏に焼き付いているという。
「僕は面倒だからスーツケースに練習着を入れたまま取り出していたら、ヒデは衣類をクローゼットにしっかりたたんで入れていて・・・。2日目になったら、僕のもクローゼットに入れてありましたからね。きっちりと」
一方、中田氏は「昔から几帳面で(笑)。でもね、それを僕がやっていると、ゾノも自分でやるようになって。その辺の距離感が僕はすごく心地良かった」。それから25年。「僕は19歳でゾノに出会って、今でもずっと仲良くしていますけど、ゾノといると素に戻れるというか、いつ話しても楽しい。本当にいいやつだなと思います。自分の人生の半分以上、一緒にいますからね。僕にとっての永遠の兄貴です」と思いを明かした。
そんな仲の良い2人は、ともに現状ではサッカー界と少し距離を置いているように見える。スター選手として一時代を築き、その経験から指導者としての期待も高いだけに、その今後が注目されるが、中田氏が「ゾノはサッカーの業界に戻りたいとか、やりたいという思いはあるの」と尋ねると、前園氏は「ないないない」と即答。「現役の時と同じルーティンになるでしょ。プレーはしないけど、1週間練習に行って、週末に試合というのは、もう一回やれと言われても無理だね」と理由を明かした。
中田 「ゾノは、そのうち監督をやるのかなって何となく思っていたんだけど」
前園 「本当?想像つく?俺の監督」
中田 「ゾノは意外と真面目。嫌いじゃないと思うよ」
前園 「やっぱり、チームを束ねるというか、マネジメントにストレスを感じると思う。気を使わなきゃいけない」
そんなやり取りがあった後に、前園氏が可能性として示したのは「もし、やるとしたらちょっと若い育成年代」というもの。「だからサッカー教室をやったりとかしているわけだね。そういうのは嫌いじゃない」と中田氏。逆に、前園氏も「サッカー番組とかにも出てほしいよね。ヒデの視点で・・・とか」と中田氏がサッカーに関わってほしい様子。NHKBS1で昨年から「サッカーの園~究極のワンプレー~」という自身のサッカー番組がスタートしており「全然関わらないんですよ、サッカーに。僕の番組じゃなくてもいいから、何か出てほしい」と熱望したが「サッカーを見ていないし、薄っぺらい発言はできないからね」と中田氏は、ここでも“こだわり”のスタンスを崩さなかった。
ただ、前園氏が出演している旅番組(NHK「しこく絶景たび」)には興味津々。自転車に乗って知られざる絶景写真をSNSで発信しながら、行ってみたくなるオススメスポットを訪ねるという番組内容に、「普段は僕が行っている旅をJ-WAVEで流しているけど、今度はゾノの旅に付き合ってみたいね。一緒に行って、ゾノ目線と僕目線のどっちが良いか・・・とか」とアイデアを膨らませていた。
中田氏が、世界に誇れる日本の文化・伝統・食など、その土地でしか出会えない「にほんもの」を発信するラジオプログラム「「VOICES FROM NIHONMONO」は、明日4月4日から“ラジオのゴールデンタイム”毎週日曜日正午に放送時間を移す。土曜深夜帯の最後の放送で、盟友の前園氏とざっくばらんなトークを繰り広げた中田氏は、「いろいろな企画を考えておきます」と番組のさらなる発展へ、意欲をかき立てられた様子だった。
≪中田英寿と前園真聖がラジオで久々共演<後編>≫・了
【番組概要】
放送局:J-WAVE(81.3FM)
番組名:VOICES FROM NIHONMONO
放送日時:毎週日曜 12:00~12:54(4月4日~)
出演者:中田英寿、堀口ミイナ
中田英寿と前園真聖がラジオで久々共演<前編> ~“スイーツ専門家”前園の3選と、中田の「ほんもの」へのこだわり
元サッカー日本代表の中田英寿氏(44)がナビゲーターを務めるラジオ番組「VOICES FROM NIHONMONO」(J-WAVE)の3月27日放送回に、特別ゲストとして日本代表でともにプレーした前園真聖氏が生出演した。次回、4月4日から毎週日曜日正午に放送時間を移す同番組。元アスリートが“ラジオのゴールデンタイム”と呼ばれる時間帯に番組を持つのは異例で、日本文化の魅力などを伝える中田氏の取り組みへの注目度が現れる形となった。