世界水泳福岡はマリンメッセ福岡をメイン会場とし、競泳、飛込、ハイダイビング、アーティスティックスイミング(AS)、水球、オープンウォータースイミング(OWS)の全6種別75種目が実施される。日本開催の世界水泳は22年ぶり2回目。ユニクロはマスターズ2023九州大会(8月2~11日、福岡・熊本・鹿児島)を含めた2大会で、関係者やスタッフ・ボランティア用のウェアを提供する。また、大会を盛り上げるため、元競泳選手で金メダリストの萩野公介さんを「ユニクロドリームキャプテン」に任命し、世界水泳観戦ツアーやスイムクリニックなど、さまざまな施策を実施する。今回の「スポGOMI×UNIQLO×世界水泳福岡」はその第1弾企画だ。

 「スポGOMI×UNIQLO×世界水泳福岡」は、世界水泳福岡のハイダイビングとOWSの会場にもなる福岡市内のシーサイドももち海浜公園で開催。早朝にも関わらず、約80名の参加者で賑わった。

 開会式で大きな拍手で迎えられた萩野さんは、「スポGOMI自体は、先輩の松田丈志さんが取り組んでいるのも見ており、ずっとやってみたいと思っていたので今回とても楽しみにしてきました」とやる気満々。「ごみ拾いはスポーツだ!」のかけ声を合図に、小学生2人とチームを組み、制限時間の中で砂浜や街のごみを拾った。

子どもたちとチームを組み、ごみ拾いを行う萩野さん

 スポGOMIは「スポーツで街をキレイにする!」をテーマに、ごみ拾いをスポーツの感覚で楽しむ参加型の活動。参加者がチームに分かれ、制限時間内に拾ったごみの量と質でポイントを競い合う。ユニクロとしては、2021年11月の京都河原町店での初開催を皮切りに、全国各地で大会を展開。これまでに計1000人以上が参加し、今回が第19回目の開催となった。

 5歳から79歳までが参加した本大会は、世界水泳福岡の会場となるももち浜をさらに綺麗にするために、福岡で環境保全活動を行う「ふくおかFUN」とも連携。今回だけの特別ルールとして、一般参加者のごみ回収量に、ふくおかFUNの地元ダイバーが海に潜り回収した「海底ごみ」のポイントを加算する団体戦も行われた。

 萩野さんはチームを組んだ小学生から「萩野さん、あれ取って!」と、岩の間に挟まったごみを拾うように指示を受ける場面もあった。ダイバーチームの海底の引き上げもサポートし、苦戦しつつも海底に沈んでいた自転車や釣り網など〝大物〟をゲット。「一体どこからこのももち浜に辿り着いたんだ?こんなに綺麗な海の底にごみが眠っていたとはビックリです」と驚いていた。

海底ごみを引き上げる萩野さん

 また、世界水泳福岡とのコラボ企画として、今回のイベントでは、福岡出身のアーティストしばたみなみさんを講師に迎え、洋服のハギレや海の漂流物などを使ってアート作品を作るワークショップも開催。“博多湾のサカナたち”をテーマに、参加者が一人一つのアートピースを制作した。しばたさんは「海に捨てられたモノや流れ着いたモノたちに、新たに"いのち"を吹き込ましょう」と話し、ごみと呼ばれる廃品にもすべてに命があることを訴えた。

 小学生の子供たちと一緒のテーブルで制作に取り組んだ萩野さんは、「紫色が好きなので、取り入れました。また、世界水泳の会場には多くの海外の方もいらっしゃるので、海外のパッケージなどで異国の文化を入れつつ、日本の文化も残しました。世界水泳の会場で完成した作品を見るのが楽しみです」とコメントした。参加者の作品は一度回収。しばたさんが1つのアート作品として完成させて、世界水泳福岡大会の会場に展示される予定だ。

(写真左)萩野公介さんにアドバイスする講師のしばたみなみさん (写真右)アートの完成イメージ図

 ユニクロでは、4月28日から世界水泳公式グッズのTシャツやバッグの販売をスタートし、5月3日には博多どんたくのステージで、萩野さんとともに大会公式ウェアのお披露目イベントを開いた。両大会の公式エンブレムがデザインされたウェアの一部には、大会コンセプトである「WATER MEETS THE FUTURE」の文字がプリントされており、この大会に参加するすべての人に未来に出会ってほしいという思いが込められているという。2大会の開催期間中、10,000人を超える関係者・ボランティアスタッフがウェアを着用する予定だ。

世界水泳福岡で提供されるウェア

 また、7月には未来の水泳アスリートの夢を応援することを目的に、UNIQLO Next Generation Development Program の一環として「ユニクロドリームプロジェクト 世界水泳2023観戦ツアー」を開催する。ツアーは参加無料で7月29~31日の3日間。国内在住の小学生20人が世界トップ選手の泳ぎを観戦し、会場の裏側を知る機会を提供するほか、萩野さんによるトップレベルの技術を学ぶスイムクリニックなどを展開する。参加者の募集は特設サイトで5月14日まで行われている。

 萩野さんは、「世界の舞台で培った自身の経験を、1人でも多くの方々に還元し、水泳をもっと好きになってもらえるよう、ユニクロと一緒に盛り上げていきたい。22年ぶりに福岡の地に戻ってくる世界水泳で、たくさんの子どもたちに会えることを楽しみにしています」と意欲を見せる。開催まで3ヶ月に迫った世界水泳福岡。自国で開催する国際大会として、子供たちにとっても記憶に残り続ける大会になってほしいと願う。

世界水泳2023 × ユニクロ特設サイト

木本新也