日本発・アジア最大級のスケートボード国際大会「UPRISING TOKYO Supported by Rakuten」

スポーツ界でも存在感を放つ楽天

楽天といえば、グループ傘下に楽天イーグルス、ヴィッセル神戸を持ち、バスケ男子日本代表の河村勇輝、テーブス海や女子ゴルフの稲見萌寧、女子やり投げの武本紗栄といった注目の若手アスリート達との契約を積極的に行っていたり、さらにはゴルフツアーのメインスポンサーだったりと、スポーツ界においても大きな存在感を放っている。

UPRISING TOKYOに出場する堀米雄斗とは昨年4月に戦略的パートナーシップ契約を結んでいる。「堀米選手とは、日本のスケート文化を一緒に作っていく、ファンを増やしていく、裾野を広げていくといった競技振興も行うことも目的として契約しました」(大場氏)。その一環が楽天初のスケートボード国際大会の開催となった。

「スケートボードは、スポーツとして、文化としてもこれからという中で、堀米選手ご本人ともいろいろ協議をし、イベントをしっかりやってみよう。そして、やるからにはってところで、楽天として世界中から最高の選手に来て頂く、そのためにはしっかりとしたコースや(大会を開く)箱を用意することが必要だった」
その結果、有明アリーナという大きな箱での開催となった。東京オリンピックがきっかけでスケートボードを習う子供が増えるなど再び流行しているが、スケートボードが約40、50年前に日本に入り込んで今なお若者を惹きつけるのは、スケートボードの背景にあるストリートカルチャーの格好良さといった部分だろう。今大会ではスケートボードの持つ魅力を伝えるための演出を会場各所で仕込んでいる。

「スケートボードは単純な競技スポーツではありません。今回、憲真さんに演出総合監督としてアートや音楽の部分などで協働して頂いているのもそういった理由からです。ただ競技会をやって終わりというだけでなく、周辺にある文化、ストリートカルチャーが好きな人達、少しでも興味を持つ人達を取り込みながら、新たな下地や魅力を作っていく大会にしたいという狙いがあります」(大場氏)

楽天グループの⼤場尊史ヴァイスシニアマネージャー

決してスケートボードは日本では文化とはなりきれておらず、東京オリンピックでの堀米選手の活躍等もあって、日の当たる存在になりつつあるが、これまで世間がスケートボードに向ける視線やイメージは、街の厄介者、無法者として見られる面もあって決してポジティブなものだけではなかった。楽天が今大会をきっかけに、スケートボード文化をより前進させ、日本で築き上げることに関わっていきたいという強い思いがある。だからこそ「UPRISING TOKYOには「『反骨』『反抗』といった強い意味もあり、スケートボードが持つコアなマインドを捉えつつ、新しいカルチャーを作っていきたいという想いも含めてこの名称にしました」(大場氏)。

演出総合監督の憲真氏「若手クリエイターの飛躍の場にもなれば」

そこで今回、スケートボードの持つカルチャーを会場内で表現するのにひと役買ったのが、演出総合監督を担当する書道家の憲真氏だ。書の筆から描かれる力強い文字や絵で世界を席巻する注目のアーティストだ。憲真氏は「スケートボードってやはり若い人達にとって、憧れのカルチャー。最先端を走ってるなと思っていました。このプロジェクトの話を頂いた時、ストリートカルチャーとアートの文化を融合して、日本ならではのものを表現、展示したい。スケーターかっこいい!アートかっこいい!UPRISING TOKYOかっこいい!と思ってもらいたい」と意気込む。

自身はスケートボードの経験はないが、憧れはあったという。

「僕の地元・鹿児島で、高校時代はサッカー部だったんですが、部活をやっていないイケてる連中が、公園とかに集まってスケートボードを楽しんでる印象が強かった。腰パンとかストリートファッションだったり先駆けていて、羨ましく感じてました」(憲真氏)

演出総合監督を務める憲真氏

憲真氏が今回引き受けたもうひとつの理由が、若手クリエイターたちの発掘、飛躍するきっかけの場の創出だ。UPRISING TOKYOでは、憲真氏によって選ばれた若手クリエイターたちの作品も表現・展示する。

「僕自身、これまでいろんな人に支えられてきた。皆さんに支えられてきたからこそ、今、こうやってクリエイターとして活動できてる。若い人達が憲真のことを知ってくれ、UPRISING TOKYOを知ってもらって、(クリエイターとして)目指す環境を作っていければなと思っています。僕自身、今回一緒にやらせていただけるのも、若いアーティストからしてもチャンスだなと思っていて、僕一人でやるより巻き込んで、いろんな若手にチャンスを与えればなと思います」

現在46歳の憲真氏が書道家、クリエイターとして本格的に活動し始めたのは35歳からと比較的遅い。そこから2014年のサッカーワールドカップブラジル大会で、日本代表の公式サポーター団旗のデザインに採用され、一気に世界の場へと飛躍していった。だからこそ若手クリエイターたちに飛躍するきっかけを与えたいという思いが強いのかもしれない。

スケートボードの国際大会というだけではなく、カルチャーやアートを魅せる場としても注目のUPRISING TOKYO。楽しみな三日間になりそうだ。


大塚淳史

スポーツ報知、中国・上海移住後、日本人向け無料誌、中国メディア日本語版、繊維業界紙上海支局に勤務し、帰国後、日刊工業新聞を経てフリーに。スポーツ、芸能、経済など取材。