この「MLB東京シリーズ」を記念して、世界最大級のデジタルスポーツプラットフォームを運営するFanatics Inc.の日本法人、ファナティクス・ジャパン合同会社が「MLB TOKYO SERIES OFFICIAL STORE -MIYASHITA PARK-」を東京・渋谷に3月23日までの期間限定でオープン。初日は開店前から100人超が列をつくるなど、大勢のファンでにぎわっている。

渋谷駅からMIYASHITA PARKに向かい、4階の渋谷区立宮下公園に上がると、ボルダリングウォールの隣にドジャース大谷、山本、カブス鈴木、今永らの写真や「TOKYO SERIES 2025」の文字に彩られた建物が見える。ここは普段はビーチバレーなどのサンドスポーツが行われる多目的運動施設で、広さ684平方メートルの敷地が丸々オフィシャルストアになっている。

入口正面には選手ロッカー風のディスプレイがあり、左にカブス、右にはドジャースのユニフォームなどが吊るされていて、格好のフォトスポットにもなっている。所狭しと並ぶ数々のグッズの中でも、一番人気になりそうなのが東京シリーズ限定のパッチ(ワッペン)が右袖についた大谷のユニフォーム。ドジャースでは他に山本、ムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマン、クレイトン・カーショウ、カブスでは鈴木、今永、ダンズビー・スワンソン、ニコ・ホーナーがラインナップされており、1月後半にドジャース入団が決まった佐々木のユニフォームも発売に向けて鋭意準備中だという。

選手個人のアイテムもいいが、どうせならこの「MLB東京シリーズ」を前面に押し出したグッズも押さえておきたい。「TOKYO SERIES 2025」のロゴが入ったキャップやTシャツ、フーディー(パーカー)などは、今回の歴史的なイベントの良い記念になりそうだ。同じフーディーでも日本人選手4人のデフォルメされた可愛らしいイラストが描かれたものもあるし、写真がプリントされたフェイスタオルやボールなどはスーベニアとして手元に置いておきたい。いかにもアメリカンなタンブラーやフォームフィンガーに、日本ならではの法被や扇子といったアイテムもあって、次から次へと目移りしてしまう。

なお、3月6日のオープン初日には大谷と山本のそっくりさんである大谷似翔平(おおたにに・しょうへい)と山本申伸(やまもと・もうしのぶ)がドジャースのユニフォーム姿で登場。昨年はドジャースが韓国でダルビッシュ有らのいるサンディエゴ・パドレスと対戦した開幕シリーズ「MLBソウルシリーズ」をプライベートで観戦に訪れたという2人は、メディアの求めに応じてポーズを決めるなど盛り上げに一役買っていた。

この手の公式グッズといえば、2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本ラウンドでファンが大谷やダルビッシュのユニフォームなどを求めて連日、長蛇の列をつくったのは記憶に新しい。ファナティクス・ジャパンはこのWBC、そして昨年の「MLBソウルシリーズ」でもグッズ販売を手がけている。
「WBCのあの熱狂を我々は全国で実感しました」と言うファナティクス・ジャパンのマネジング・ディレクター、川名正憲氏は「深夜から並ばれる方がたくさんいらっしゃったというのもあって、今回はそういうことのないように、なるべく多くの方に買っていただけるようにいろんなところで販売して、これまでと比較にならない規模の敷地面積のお店を展開します」と力を込める。
そのため今回はこのMIYASHITA PARKだけでなく、3月5日から虎ノ門ヒルズの「ドジャース・エクスペリエンス展」、8日からは東京スカイツリー、さらに今後は東京ドームと、東京都内だけでも計4カ所で期間限定のオフィシャルストアを展開。成田空港、羽田空港、東京駅、品川駅などに加え、全国のスポーツ用品店など約50カ所で公式グッズの取り扱いを行い、少しでも手に入れやすい環境を整えている。
「普通こういう物販って会場でしか買えないことが多いんですけれども、今回は日本全国で買えるようにしたいなと。EC(ネット通販)でも先行販売してますし、全国のいろんなパートナーの店舗で東京シリーズのグッズを販売しています。テレビでご覧になる方にも、グッズを買って現地の雰囲気を感じてもらえれば」(川名氏)

3月8日からはファナティクス・ジャパンと日本を代表する現代アーティストの村上隆氏のコラボによる限定コレクション「Takashi Murakami + MLB Presented by Fanatics + Complex」の販売も開始されていて、桜の花びらなどをあしらった特別デザインのユニフォーム、Tシャツ、スウェットシャツ、キャップなどがラインナップされている。ただし、東京シリーズに向けた同社の取り組みはこうしたグッズ販売だけではない。

新たに発表されたのは、英国風PUB(パブ)「HUB」を運営する株式会社ハブとのコラボレーション。これは日本中が野球で熱狂するこの3 ⽉、球場には直接足を運べなくとも、ハブが事業展開するHUB と82(エイティトゥ)でファナティクス・ジャパンが扱うグッズを⾝につけ、ファン同士で盛り上がってほしいという趣旨で企画されたもの。
全国のHUBおよび82の店内は公式ストアで購入できるグッズのルックポスターなどで装飾され、一部の店員が公式Tシャツを身につけるほか、掲出されたPOPからは公式グッズの購⼊もできるという。ドジャースとカブスの開幕第2戦が行われる3月19日までの期間限定ではあるが、この間のHUBと82はMLB一色になりそうだ。
ちなみにメジャーリーグのシーズン開幕戦が日本(東京ドーム)で行われるのは、これで6回目。前年のワールドチャンピオンが来日するのは松坂大輔、岡島秀樹が“凱旋”した2008年のボストン・レッドソックスに次いで2度目となるが、チケット争奪戦の激しさも含め、日本での盛り上がりはこれまでとは比べものにならない。ドジャース、カブス両チームの来日も迫り、「MLB東京シリーズ」に向けた“祭り”はいよいよこれから本格化する。