なんと言っても警戒すべきは189センチのギョケレス、190センチのイサクの強力な大型2トップだろう。2025/26年シーズンにリーグ優勝したアーセナルで14ゴール(得点ランキング7位)を挙げたギョケレスと、リバプールに所属しているイサク。世界最高峰リーグのイングランド・プレミアリーグで活躍する2人をそろえる前線は、出場チームの中でも上位に数えられるほどの破壊力を備えるといっていい。ここに、三笘薫が所属するブライトン(イングランド)のアヤリが絡む攻撃力は警戒すべきポイントだ。
スウェーデンは、日本も第2戦で圧倒したチュニジアに対して初戦で5―1と快勝した。一方で第2戦ではオランダに1―5と大敗。持ち味がはまったときには強いが、そうでない流れの時にはもろいという両面の顔を見せている。
前線の2人へのボールの供給を遮断することができれば、試合は日本ペースに持ち込めるだろう。今大会、安定したプレーを見せているDFの冨安健洋(アヤックス)は鋭い出足でパスが相手アタッカーに入るのを防いでいるし、中盤では佐野海舟(マインツ)もパスカットや1対1のデュエルで信頼感のあるプレーを披露している。鎌田大地(クリスタルパレス)が攻守に司令塔的な役割を担う中盤の構成力は日本に分がありそうで、ボール保持はある程度できそうだ。
日本は1次リーグ2試合を終えて6ゴール。シュート数は19本で、FIFA(国際サッカー連盟)のスタッツによると、ゴール決定率は32%で出場チーム中2位につける(1位はオランダで35%。シュート20本で7ゴール=22日時点)。かつては「決定力不足」が枕詞のようについてまわった時代もあったが、シュートをいかに確実に得点に結びつけているかという指標で、日本が上位につけているのは頼もしい限りだ。
日本選手初のW杯1試合2ゴールを挙げた上田綺世(フェイエノールト)や、左サイドで突破力を見せる中村敬斗(スタッド・ランス)は好調をキープしている。今大会13選手がW杯初代表だが、控えGKの早川友基(鹿島アントラーズ)、大迫敬介(サンフレッチェ広島)以外の11選手はすでにピッチに立っており、ジョーカー的な役割が期待できる塩貝健人(ウォルフスブルク)や後藤啓介(フライブルク)が大舞台の空気を肌で感じられている点も心強い。
日本にとっては第1戦を戦ったダラス競技場がスウェーデン戦の舞台となることもプラスに働くかもしれない。一度、経験している場所でイメージはしやすい。オランダ戦は時計掲示が見づらく、森保一監督らベンチがホワイトボードに大きく数字を書いて対応した点など、はじめての会場にはアクシデントもつきものだが、そういった心配はない。
今大会、出場チーム数が従来の32から48へと拡大したことで、1次リーグ突破の条件は複雑になっている。これまでは2位以内が突破で、3、4位のチームは敗退だったが、北中米3カ国大会ではA―Lの12組のうち、3位の中から8チームがベスト32に進出できる。3位の成績比較は1次リーグでの勝ち点、得失点差、得失点差などで決める。
日本はスウェーデンに勝つか引き分ければ、自力でF組2位以内が確定して、決勝トーナメントに進出。もし敗れて(かつオランダが勝ち点を伸ばして)3位になったとしても、勝ち点4で12組のうちの成績上位8チームに入る可能性は十分ある。
F組1位ならC組2位、F組2位ならC組1位と顔を合わせる。つまり、ブラジルかモロッコが有力だ。ブラジルは説明するまでもないW杯最多5度優勝のサッカー王国、モロッコも前回大会4位で、ハキミ(パリ・サンジェルマン)らビッグクラブでプレーする選手が多い。そして、もし日本がF組3位で通過した場合は330通り(全体では495通り)ある組み合わせで8割を超えるのがI組1位となるパターンだ。すなわち、優勝候補筆頭のフランスだ。
過去の日W杯の戦績からも、日本は1次リーグ初戦で勝ち点を挙げた4大会は突破(2002,2010,2018,2022年)、初戦で敗れた3大会(1998,2006、2014年)で敗退している。データ上も日本の決勝トーナメント進出は「当確」といっていい。大会方式が変わり、3位でも突破が可能であることを踏まえれば、スウェーデン戦では一発勝負を見据えての采配、選手起用も考えられる。
「まず勝つことが大きな目標。今日のように無失点でいきながら、より多くの得点を奪えるように目指して第3戦を戦っていきたい。よりいい守備からいい攻撃にという勝ち方、勝つことにこだわっていきたい」と森保監督は第3戦戦へ意気込む。先を見れば厳しい壁が待ち構えていることは間違いない。それでも、まずは目の前の碧く黄色い高い壁に全力でぶつかる。
順調な足取りで迎える第3戦 勝ち点4の日本、スウェーデンと激突
日本は順調な足取りで1次リーグ第3戦へたどり着いた。格上のオランダから勝ち点1をもぎ取り、グループで最も白星を計算できるチュニジアからしっかりと勝ち点3を挙げた。2試合を終えて勝ち点4のF組2位は堂々たる成績だろう。3大会連続の1次リーグ突破へ、優位な状況で3位のスウェーデン(勝ち点3)と最終戦を迎える。
スウェーデン代表・イサク(リバプール所属)【写真:ゲッティ=共同】