トークショーでは、今回が初めての軽井沢訪問となったブラナが「新幹線に乗ってここまで来る間も素晴らしい景色が見えて、とてもワクワクした。このフレンドリーで温かい街の雰囲気に感激している」と声を弾ませた。エリクソンは5度目の訪問だけに「軽井沢はいつも変わらず美しい街。スウェーデンと少し雰囲気が似ているところもあるが、日本の方々は本当に素敵な人ばかりで、ここに来るのをいつも楽しみにしている」と話した。スウェーデン代表の2人がともに着用していたのは、胸元にユニクロのロゴが入ったウェアだった。

ユニクロドリームプロジェクト トークショー ©Karuizawa International

ユニクロとスウェーデンのタッグは…

 ユニクロはスウェーデンスキー連盟と21年10月から、同カーリング協会と23年11月からオフィシャルサプライヤー契約を締結している。ミラノ・コルティナ五輪ではフリースタイルスキー、スノーボード、カーリングでウェアを提供した。もともとは18年8月に同社がスウェーデン1号店を首都ストックホルムにオープンし、同国のオリンピック・パラリンピック委員会からのオファーを受けて19年1月にパートナーシップ契約を結んだことが始まり。五輪は21年東京大会から22年北京大会、24年パリ大会で選手団が開閉会式やメダルセレモニーなどで着用するウェアを提供することでサポートしている。アスリートからは「着心地が良い」と好評だ。

 「ユニクロドリームプロジェクト」はスウェーデン代表チームとタッグを組み、20年7月にスタート。「Together for the Future」のビジョンを掲げ、子どもたちが好きなスポーツに出会い、アクティブなライフスタイルを学ぶ機会を提供することを目的にしている。スウェーデンや日本国内各地でトップアスリートを招いたスポーツイベントを開催しており、これまで約8万4000人の子どもたちがイベントに参加している。

 同プロジェクトのテーマは「夢」。トークショーでは、国際舞台での経験が豊富な3人が夢が叶ったと感じた瞬間について語り合った。エリクソンは「自分達が巡ってきた道のり全てが宝物。オリンピックは特別な場所だが、仲間と一緒に夢を追うプロセスそのものが大切」。ブラナは「オリンピックで金メダルを獲得した瞬間。幼い頃から一緒に育ってきた兄と世界の頂点に立った経験は、本当に特別だった」とミラノ・コルティナ五輪を思い起こした。吉田も「小学生の時からの友達や妹と一緒にオリンピックに行けた瞬間。『友達とオリンピックに行けるなんて最高じゃん!』と思いながら戦っていた」と挙げた。参加者は目を輝かせながら3人が展開するトークを聞き入った。

夢を叶えるための努力

特別ゲストとして参加した吉田知那美選手(TYPHOON CURLING CLUB)©Karuizawa International

 努力した先に夢の実現が待っている。ブラナは「練習する時には常に『なぜこれを練習しているのか』という目的意識を持つことが大切。『なぜ』と自分自身に問いかけることで、世界で戦える強さが身につく」と、練習への姿勢で大事なことを教えた。エリクソンは「努力することは本当に簡単なことではない。でも頑張らなければ結果はついてこない。すぐに結果が出なくても、目標を持って一つ一つのステップを積み重ねていくことが大事」と、諦めずに継続する力を求めた。

 吉田は子どもたちへのエールとして、自身がジュニア時代に体験したエピソードを披露した。02年ソルトレークシティーと06年トリノの五輪2大会連続銀メダルの女子スイス代表のミリアム・オットに憧れており、ジュニア時代に手紙を書いて送ったという。「英語で『いつかオリンピックであなたを倒したい』という挑戦状を書いた。すると10年バンクーバーオリンピックの選手村から『あなたが強くなるのを願っているよ』とお返事をくれた。みんなも好きな選手がいたり、この選手いいなと思ったら、積極的に『教えてください』と頼んだり、手紙やメッセージを送って積極的に行動してみるのがいいと思う」とアドバイスした。ちなみに吉田は五輪に初出場した14年ソチ大会でオット擁するスイスと対戦して勝利。15年に札幌で開催された世界選手権のアフターパーティーで対面した際、手紙の送り主だったことを伝えたという後日談も明かした。

メダリストによるカーリング指導

Isabella Wrana選手 / Team Wrana(スウェーデン)©Karuizawa International

 トークショー後に行われたカーリングクリニックでは、氷上でジュニアカーラーに向けてメダリストらが直接指導した。SC軽井沢クラブのエリートアカデミーに所属し、6月の日本選手権で女子のSC軽井沢クラブの助っ人としてトップチームの優勝に貢献した高校3年生の川田亜依は、3度目の参加。「テレビで見ている憧れの選手を間近で見ることができて、楽しくて有意義な時間になった」と充実した表情を浮かべた。実際にショットのフォームを見てもらい、投げる前のストーンの位置について助言を受けると、投げやすさが増した様子。「実戦で試してみたい」と感謝していた。

 軽井沢での4度目のイベントを終え、同社の小笠原一郎氏は「何度も参加していただいている子どももいるし、このイベントをきっかけに本気でカーリングを始めた子もいると聞いている。将来カーリング選手として、もしかしたらオリンピックなどで活躍する選手が出てくれば、我々もうれしい。『ユニクロドリームプロジェクト』を通じて次世代の育成ができれば、我々にとって素晴らしいこと」と期待を寄せた。


保坂果那

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