#朝乃山
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大相撲
令和五年大相撲初場所展望―土俵だけではない多くの見どころ
大相撲初場所は早くも8日が初日だ。第2日曜日が本場所の初日に設定されているため最速の開幕日。「角界では初場所が終わってからが正月」と言われるように、年末年始もさほど休まずに稽古を重ねた部屋が多い。番付の異状に日本相撲協会を襲った新型コロナウイルス禍、昨年末の幕内逸ノ城らに対する処分なども絡み、テレビ中継からは伝わらない相撲界の変動がある。
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大相撲
2度目の賜杯を抱いた玉鷲から学ぶこと ~大相撲の今
9月の大相撲秋場所は東前頭3枚目の玉鷲が37歳10カ月で優勝した。7月の名古屋場所の逸ノ城に続く平幕制覇で、最近目立つ上位陣の不安定さがまたも露呈した形となった。若手の突き上げ不足も指摘される一方、玉鷲は年齢を感じさせない体の張りと豪快な相撲っぷりで魅了した。幕下で元大関の朝乃山にまさかの黒星がついたことを含め、多角的に見ていくと、現行の年6場所制で最年長記録となったベテランの優勝は示唆に富んでいた。
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相撲
大相撲夏場所総括~終息しつつあるコロナ禍がもたらした影響
5月の大相撲夏場所は終わってみれば横綱照ノ富士が12勝3敗で制した。優勝が決まった千秋楽までには大関陣の不振など紆余曲折。日々の出来事の裏側で浮き彫りとなったトピックもあった。場所中や場所後の特徴的な現象を2回に分けて探ってみた。
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大相撲
大相撲春場所展望 ~荒れる春場所は訪れるのか
13日からの大相撲春場所はさまざまな視点で興味深そうだ。新型コロナウイルス禍の中で、観客を入れての地方場所で最後に残されていた大阪。2月に入り、力士ら日本相撲協会員に大量の新型コロナ陽性者が判明した。通常開催がままならない中、来場者の割合を増やして実施される。新型コロナ対策はもちろん、かつては〝荒れる春場所〟が代名詞だった場所の優勝争いや、すねに傷を持つ力士たちの様子も気になるところ。テレビ中継ではちょっとマニアックなチェックポイントもある。
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大相撲
大相撲からウィズコロナ時代のスポーツを読み解く ~初場所も有観客で無事完走
新型コロナウイルスのオミクロン株が猛威を振るう昨今、試合中止や棄権などスポーツ界も大きな影響を受けている。そんな中、大相撲初場所が1月23日に千秋楽を迎えた。新型コロナが最初に拡大してきた一昨年以来、角界は打ち切りに追い込まれることなく本場所の完遂を続けている(緊急事態宣言下で中止した2020年夏場所を除く)。初場所後、新大関御嶽海が誕生したのも当然、場所があったからこその出来事。誰が感染してもおかしくない状況でも、やり方によってはスポーツイベントも新型コロナに対応できることを国技が示している。
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相撲
大きく変わった引退への道筋 ~復活ひかり年6場所を完走した大相撲を振り返る
2021年の大相撲界は新型コロナウイルス禍の中でも年6回の本場所をやり遂げた。史上最多の優勝45度を誇る横綱白鵬の引退などビッグニュースもあった中で、今年を象徴するキーワードの一つに「復活」を挙げることができるだろう。転落した序二段から最高位にまで上り詰めた照ノ富士に代表されるように、さまざまな理由で番付を大きく落としていた関取経験者が返り咲き、大いに存在感を発揮。以前ではなかったようなカムバック劇もまた、現代の国技の一部分となった。
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大相撲
勝負に徹した横綱白鵬~勝つための愚行
大相撲名古屋場所は終わってみれば〝白鵬劇場〟ともいうべき場所だった。進退を懸けて出場し、初日から14連勝。千秋楽には横綱に昇進せんとする大関照ノ富士との相星決戦を力業でものにし、45度目の優勝を全勝で成し遂げた。力士人生のピンチを乗り切った傍ら、場所後の横綱審議委員会(横審)で、またもやけちがついた。場所を通じ、角界に見え隠れしたさまざまな潮流があった。
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相撲
高砂部屋の伝統が支えた新大関朝乃山
拡大する新型コロナウイルス禍にあって、3月の大相撲春場所が無観客ながら15日間完遂されたことは、ミラクルの形容がふさわしい。日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)が初日と千秋楽の協会あいさつで触れたように、静かな館内で黙々と力士が四股を踏み、取組を務める姿は、大相撲の神事的な側面を再認識させた。場所後には26歳の朝乃山が新大関になった。今回の昇進劇はいつにも増して、単なるスポーツではない、伝統文化としての大相撲を感じさせるストーリーへとつながっていた。