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 テニスの四大大会、全仏オープンは7日、パリのローランギャロスで準々決勝が行われた。

 日本人として84年ぶりの同大会ベスト4が懸かる錦織圭(世界ランク9位)は、世界ランク1位のアンディ・マレー(イギリス)と対戦。過去の成績は8勝2敗でマレー優位ながら、2016年の全米では錦織が逆転勝利を収めている。

 第1セットはサーブに苦しむマレーに対し錦織が積極的に攻め、第3ゲームと第7ゲームをブレイクする。2ブレイクアップの2-5とすると、第8ゲーム、セットポイントの場面では錦織らしいドロップショットが決まり、鮮やかに1セット先取。王者を圧倒する素晴らしい滑り出しを見せた。

 しかし、第2セットで錦織にミスが続くと、対照的にサーブが決まり始めたマレーに流れが傾く。第4ゲームをマレーがブレイクして1-3。この試合初めてサービスゲームを落とした錦織は、ここから5ゲームを一気に失い1-6で第2セットを奪われた。

 第3セット、持ち直したマレーに対し錦織も粘りを見せる。第5ゲーム、第11ゲームでマレーがブレイクするが、錦織はいずれもブレイクバックに成功。6-6 でタイブレークに突入する。しかし、肝心の場面でまたしてもミスが続き、0-7で一方的に第3セットを献上。取り戻しかけていた勢いを完全に失ってしまった。

 後がない第4セットではあったが、リズムを取り戻したマレーに対し、錦織はミスの流れを引きずったまま。反撃のきっかけも見いだせないまま1-6であっさりと失い、ベスト4進出の夢は潰えた。

 試合を通じ、錦織の生命線とも言えるグランドストロークで記録したアンフォーストエラーはマレーの16に対し39。右手首のケガからギリギリで復帰して臨んだ今大会、ミスの後にラケットを叩きつける姿からは、思うに任せぬ本人のもどかしさが伝わってきた。それでも、第1セットに見せた圧巻のプレーは、マレー撃破はおろか大会制覇さえ期待させただけに、第2セットと第3セットで突如露呈した“勝負弱さ”が悔やまれる。

 7月3日に幕を開けるウィンブルドンでは、体調・精神面ともに万全の状態で迎えられるか。この日の敗因を巡ってさまざまな声が上がりそうだが、立て直す時間はあまり残されていない。


VictorySportsNews編集部