ひとつ前のお話はこちら©カネシゲ タカシ

「ベイスたん、ベイスターズに、あいたかったやよぉ~(しょぼーん)」

逢いたくて、逢えなくて、ふるえたベイスたん。
ショックのあまり、この日は丸一日寝込んでしまいました。




そして、次の日。

©カネシゲ タカシ

ベイスターズのにおいを辿って、新大阪駅にやってきましたが…

「しんかんせん、のせてほしいやよ!」

「あかんあかん。うごくテレビや、うごく冷ぞうこのような危険物は、
新幹線に持ち込むことがでけへんで。」

「きけん物と、ちがうやよ!
ベイスたんの、たいせつな、おともだちやよ!(むっきー!)」

「おっと…キミもちょっと危険やなぁ」

「あっ、あっ、ごめんやよ!(ぺこぺこ)
おほしさま、1ケあげるから、のせてほしいやよ~!」

「それも爆弾かもしれへんがな!怪しいからアカン!」


けんもほろろに断られたベイスたんたち。
仕方なく、公園でベイスターズの試合をみました。

©カネシゲ タカシ

「いやなこと、たくさんあっても、
ベイスターズがかったら、しあわせやよ!
ベイスたん、ベイスターズ、すきーーーっ!!」

久しぶりの勝利にすっかりごきげんのベイスたん。
でも、遠くから もっともっとごきげんそうな人の声が聞こえてきました。

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そうです。
読売ジャイアンツが、3年ぶり34度目のリーグ優勝を遂げたのです。

「あややぁ…」

もらったばかりのおほしさまも、いつもと少し、おあじが違うようです。

「…でも、でも、ベイスたん、はくしゅするやよ!」

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えらいね、ベイスたん。
それがスポーツマンシップってやつだよ。

「ベイスターズも、いつか、ゆうしょうしてほしいやよ!
もし、もし、ゆうしょうしたら、ベイスたん…(ドキドキドキ)」

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ジャイアンツファンの皆様、優勝おめでとうございます!

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カネシゲ タカシ

漫画家・コラムニスト。1975年生まれ、大阪府出身。 「週刊少年ジャンプ」にてデビュー。 現在は「週刊アサヒ芸能」や「スポーツナビ」に連載を持つほか、テレビ・ラジオ・トークイベントに出演するなど活動範囲を拡大中。 著書・共著に『みんなのプロ野球川柳』、『みんなの あるあるプロ野球』(ともに講談社)、『ベイスたんやよ!』(KADOKAWA)、『野球大喜利 ザ・レジェンド』(徳間書店)などがある。 元よしもと芸人。