サンケイスポーツでサッカー担当記者を15年間務めたという志田氏は、サッカー日本代表に深い縁のある温泉として鹿児島・指宿温泉を挙げた。同温泉を代表する宿泊施設「指宿いわさきホテル」は、日本代表チームの“定宿”。敷地内に2面のサッカーコートとサブグラウンドがあり、岡田武史氏、アルベルト・ザッケローニ氏といった歴代の代表監督が好んだ合宿地だ。

2010年ワールドカップ南アフリカ大会、2014年ブラジル大会を前にしたシーズン前の合宿も同地で行われ、2002年日韓大会前にはフランス代表が利用。浦和レッズ、横浜Fマリノス、FC東京など多くのJリーグのチームもキャンプを張った、まさにサッカー合宿の“メッカ”。敷地内で練習が行えるため外部の目を容易に遮断できるなど、チームにとって理想的な環境が整っている。

指宿温泉は鹿児島県・指宿市東部の温泉群の総称で、年間で国内外から約170万人の観光客が集まり、2004年には日韓首脳会談も行われた有数の観光地。西郷隆盛が愛した地としても知られ、1960年頃から始まったハネムーンブームの際には年間平均気温が19度と温暖な気候もあり「東洋のハワイ」と称され人気を博した。

指宿市内には1000を超える泉源があり、中でも名物は300年もの歴史を持つ、世界でも珍しい「砂むし温泉」。温泉で温められた50~55度の砂の中に10分ほど埋まって汗をかくもので、最近では老廃物の排出など科学的効能も実証され、さらに注目を集めているという。「いわさきホテル」でも「砂むし温泉」を1000円(税別)で体験可能だ。

さまざまな効能がある指宿温泉だが、サッカー日本代表にとってはチームづくりを後押しする効果もあった。脳梗塞で倒れたイビチャ・オシム氏の後を受けて日本代表監督に就任した岡田氏は、2008年の就任後最初の長期合宿で同地を訪問。湯船につかりながら選手との対話を図った。フランス大会の指揮を執った1998年は選手と食事すらともにしないなど“壁”をつくって上下関係を明確にした岡田氏だが、10年以上の時を経て監督哲学も変化。温泉地ならではのコミュニケーションが、南アW杯での1次リーグ突破など躍進の足掛かりになった。

レトロな公衆浴場や、限られた時間だけ陸続きになる無人島でパワースポットとして人気な「知林ケ島」など見所も多い指宿市。本州最南端の温泉地は、サッカーファンなら必ず訪れたい、日本代表合宿の“聖地”ともいえる場所だ。



【指宿いわさきホテル】
■住所
〒891-0493 鹿児島県指宿市十二町3805-1

■アクセス
鹿児島空港から:
車で約1時間半
ホテル行きリムジンバス(有料)で約1時間40分

鹿児島中央駅から:
電車(JR指宿枕崎線)で約1時間15分

■公式サイト
https://ibusuki.iwasakihotels.com/




取材協力:文化放送

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文化放送「池田純 スポーツコロシアム!」(毎週月 20:00~20:30)
パーソナリティ:池田純
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VictorySportsNews編集部