中田氏が支持する「La BOMBANCE」は10年連続でミシュラン星獲得を果たした銘店。オーナーの岡元氏とは10年以上の付き合いで、時には旅先で、時にはビジネスで、と深い関係性を築いている。中田氏がプロデュースする人気の日本酒イベント「CRAFT SAKE WEEK」でも日本酒とのペアリングを楽しめる店舗を展開したり、プロ野球・横浜DeNAベイスターズの本拠地・横浜スタジアム内にある球団オリジナルから揚げ店「ベイカラ」のメニューを監修したりと、スポーツやエンターテインメントの世界と縁のある店でもある。

 そんな「La BOMBANCE」が昨年11月22日、富山・環水公園に「La BOMBANCE環水公園」をオープン。5月21日に発売された「ミシュランガイド富山2021」でミシュランプレートに選出された。ミシュランプレートとは、ミシュランの基準を満たした調査員オススメの店舗を指すもので、開店から6カ月で選ばれたところに、その評価の高さが現れている。

 今回は、それを記念して中田氏がタレント、堀口ミイナとともにナビゲーターを務め、日本文化や日本の逸品を紹介する自身の番組で「La BOMBANCE」を取り上げることとなり、岡元氏がリモート出演した。

中田 「岡元さんとは結構、長い付き合いですもんね。普段から電話でも話すし、もう10年以上。この間も、富山にお店をオープンして、そっちにも行かせてもらった。いろいろと各地で会うことが多いです」

堀口 「西麻布の店舗には、2度ほどお邪魔したことがあります。毎回メニューが変わっていくんですよね」

中田 「また、岡元さんが書くメニューは謎が謎を呼び、全く読めない。これは行かないと分からないですけど」

堀口 「確かに全然分からなかったです」

中田 「やっぱり!」

 店舗名自体、日本料理らしからぬフランス語。さらに、メニューも例えば「稚さかなうらない」「9゛29&maybe74」「Nature薯べべべべべべべ」など解読の難しい文言が並ぶ(答えは店舗で・・・)。

岡元 「日本料理なのですが2004年当時、オープンした時に、どうやったら人に見てもらえるかなと思った時に、まず名前から変えてみようというアイデアが浮かんだんです」

中田 「人に見られるというより、人に勘違いされるという(笑)」

岡元 「できたら、そうなってしまいました」

堀口 「夜は月替わりのコース1種類で1万4300円。月替わりにしている理由は」

岡元 「何かスペシャリティーをと思った時に、日本は四季折々でいろいろなおいしい食材がある。食べていただきたいものが毎月毎月出てくるので、それを考えたメニュー、料理をつくりたいなと思って、月替わりにしています」

堀口 「例えば今月(5月)だと、これを堪能してほしいというのはありますか」

岡元 「今月だとやはり、梅雨でジメっとしている季節になってきたので、さっぱりとした食感の違うお野菜を10種類くらい使ったバジルシャーベットのサラダ。あとは鮎が出始めなので、焼き物と米粉を使って揚げた2種類の食感と香りを楽しめる鮎料理を提供しています」

店名の「BOMBANCE」は、フランス語で”ご馳走”を意味する【La BOMBANCE提供】

料理にもデザートにも使える「万能調味料」に、心地よい独特な歯触りの「オリジナル素麺」

 そんなこだわりの料理人が愛用するアイテムとして紹介されたのが、愛知・甘強酒造の「昔仕込本味醂」。20年以上使っているというもので、料理の味を大きく引き上げる逸品だという。

中田 「どういう特長があるんですか」

岡元 「まずはくどくない。コクがあって、旨味があり、余韻も残るのですが、切れがいい」


 ここでスタジオに用意された「昔仕込本味醂」を試飲。

堀口 「色は紹興酒っぽいなと」

中田 「そうだね。香りもそんな感じがするし、ちょっと飲んでみましょうか」

堀口 「まろやか!」

中田 「ホントだ。もっとくせがあるかと思ったけど、氷入れて炭酸割とかにもできそう」

岡元 「アイスクリームをつくってもおいしいんです」

中田 「普段は、どういう感じで使うんですか」

岡元 「和食なので煮炊きものとか。何にでも対応できて、煮詰めてデザートのソースにしてもおいしい。万能調味料ですね」

中田 「例えば、ご家庭でこれを使ったら簡単にできる料理としてはどんなのが思い浮かびますか」

岡元 「お魚の煮つけなんかは、食べたら分かりやすいくらいにスッキリしていながらコクがあっておいしくなる。ワンランク上の煮物ができる感じです」


 続けて紹介されたのが、オリジナルの素麺。中田氏がプロデュースするオンラインストア「にほんものストア」で販売されており、人気を博している。

「にほんものストア」サイト

堀口 「お素麺は自宅でいただきました」

中田 「どうでしたか」

堀口 「これがさわやかで、水分量が多くてプルプルしているんですよ。なので、これからの季節にもすごく良い。コシがしっかりしているので、トマトとかアボカドとかベビーリーフとかを麺つゆにそのままトッピングして、どれだけ具材を入れても全然負けていない感じでした。ちょっと少なめに束を茹でたのですが、足りなかったですね(笑)」

中田 「聞いていると和風パスタっぽいね。こだわりはなんですか」

岡元 「コラーゲンを練りこんでいて、その食感がたまらなくおいしいと思います。1把では足りなく、また1把となりますね」

中田 「素麺はいいですよね。僕も大好きです」

刺激し合う関係性で新たなプロジェクトを生む

 さらに、新潟・長岡市出身の岡元氏はオンラインストアで「う米(まい)」という、こだわりの米も販売。実は、これが中田氏の仲介で実現したものなのだという。

岡元 「このプロジェクトは、中田さんにお願いして僕たちの夢がかなったものの一つです。お米をつくることを伝えたいなという話をしたときに、中田さんが『ちょっと蔵元さんに聞いたりしてみるよ』とご紹介いただいたところからスタートしたものなんですよ。いつも相談させていただくと、何かヒントをいただける。そこから僕たちは形にして、良い料理をつくりたいなってなります」

中田 「岡元さん、センスがあるから。何でもいい形でつくってくれるので、信頼絶大ですね」

岡元 「とんでもない。ありがとうございます」


 そんな「La BOMBANCE」だが、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言の影響とは、やはり無縁ではない。普段は趣向を凝らしたメニューと日本酒とのペアリングなどを楽しめるが「今は要請に従って、お酒は提供せず、それでも来ていただいた方にいい料理を楽しんでいただこうと思ってやっています」と岡元氏。「日本酒が、なかなか冷蔵庫から出てこられなくて、見ているのがかわいそうです」と、日本酒への愛情を感じさせる言葉も口にした。

 西麻布、富山のほか、京都・祇園にも店舗があり、さらに7月後半から8月にかけて沖縄にも新店を開くという。

岡元 「それぞれの土地のおいしいもの、名物をアレンジしながら、やっていく形にしています」

中田 「“全国La BOMBANCE巡り”ができそうですね。恐らく岡元さんは、自分が行きたい場所に店をつくっているんだと思うんだよね」

岡元 「そうです。そして、みんなが来ていただきたいところでもあります」


 サッカー選手として世界最高峰の舞台で戦い、現在は「株式会社JAPAN CRAFT SAKE COMPANY」を立ち上げて代表取締役として日本酒、伝統工芸など日本文化を広めるイベント、情報発信に力を入れる中田氏。「鴨川」を皮切りに「明石」、「紀尾井町・福田家」など日本料理の名店で修業を重ね、独自の世界を切り開いて新感覚の日本料理を確立させた岡元氏。2人の話からは、大いに刺激し合っているその関係性が垣間見えた。

La BOMBANCE 岡元信氏【La BOMBANCE提供】

◇J-WAVE 「VOICES FROM NIHONMONO」では、毎週、日本全国の生産者の生の声を届けている。

J-WAVE 「VOICES FROM NIHONMONO」 番組公式サイト

◇La BOMBANCE 環水公園は、富山の観光名所の目の前という、最高の立地にある開かれた店舗。さらに今年は、7月に沖縄でもトップクラスの海の美しさを誇る古宇利島に、La BOMBANCEとして初めてのリゾート地での店舗オープンが控え、日本全国でその土地の素材を生かした料理を楽しめる。

「La BOMBANCE 環水公園」サイト「La BOMBANCE」サイト

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VictorySportsNews編集部