アル・ナスルは日本ツアー「Al-Nassr JAPAN TOUR 2023」で来日し、7月25日にPSG、7月27日にインテル、いずれも大阪のヤンマースタジアム長居で試合を行う。ロナウドはクラブを通じて「日本の皆さん、こんにちは!私はこれまで何度か日本を訪れたことがありますが、今回は初めてアル・ナスルFCの一員として来日できることに喜びを感じています。そして、日本の皆さんの前でベストなプレーをお見せできるようにしっかりと準備しておきますので、楽しみにしていてください!」とコメントしている。

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日本での試合は2016年末以来の約7年ぶり 当時はハットトリックで大暴れ

 ロナウドは個人スポンサー企業のイベントで定期的に来日しているが、選手として前回来日したのは2016年12月に日本で行われたクラブワールドカップだ。欧州王者レアル・マドリーの一員として参加し、決勝では鹿島アントラーズと対戦した結果、延長の末に優勝している。この試合でロナウドはハットトリックを決めて、日本のサッカーファンにロナウドらしさを見せつけた。

 あれから7年。ロナウドは38歳になっている。2022年12月末にイングランドのマンチェスター・ユナイテッドからアル・ナスルに移籍した。2025年6月末までの契約で、総年俸は2億ユーロ(現在のレートで約315億円)ととてつもない金額が話題を呼んだ。

 昨年、ロナウドはいよいよ終わりか……、そう思われるシーンが何度もあった。当時所属していたマンチェスター・ユナイテッドでは、守備への貢献度の低さから監督からレギュラーを外され、途中交代での出場が中心となっていた。すると、メディアのインタビューでチーム批判をして大騒動に。11月に始まるW杯カタール大会を前に、チームと契約を解除するまでの事態に発展し、無所属でW杯に出る羽目になった。

 さらにそのW杯本大会でも受難が続いた。試合に先発したものの、PK以外でなかなか得点を決めることができず、ついに若手のゴンサロ・ラモスにポジションを取って代わられた。そして、ロナウドに代わって途中投入されたラモスがハットトリックの大活躍。W杯準々決勝のモロッコ戦でも先発から外れ、試合には敗れた。ロナウドが熱望していたW杯優勝の夢は潰えた。試合終了直後にロナウドが一足早く涙を流しながらロッカールームに引き上げていくシーンが映像で流れると、多くの人がロナウドの時代の終焉を感じさせられた。

 そして、サウジアラビアへの移籍。発表当時37歳で、現役最後のひと稼ぎと思う人は少なくなかった。しかし、ロナウドは未だに選手としての活躍を貪欲に求めて、結果で示し続けている。移籍して半年、リーグ戦やカップ戦など計19試合に出場し、14ゴールを決めた。

 また、2022年のW杯カタール大会をもって代表を引退かと思われたが、今なお選ばれ続けている。6月にあった欧州選手権(EURO)予選のアイスランド戦では、代表戦200試合出場という大偉業(男子選手では1位)を達成し、その節目の試合では試合終盤に決勝ゴールを叩き出し、自身の得点数を123ゴールに伸ばし、こちらも国際記録を更新している。

 2023年に入って、所属チームだけでなく代表での活動も、共に好調ぶりを見せているロナウド。衰えを指摘する声もあったが、普段から節制し徹底的にトレーニングして肉体を鍛え続けているたまものなのだろう。そして、何歳になっても衰えないゴールへの渇望、サッカーへの情熱。

 大阪での2試合、オフシーズンの単なるツアーであっても、ロナウドは全力で点を取りにくるだろう。

ACLでJリーグチームとの対戦の可能性は無きにしもあらずだが・・・

 ロナウドの年齢的なことを考えると、日本で試合出場する機会はかなり限られてくる。アル・ナスルがロナウドの在籍中に、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)に出場するなら日本で再び見られる可能性はある。ただ、アル・ナスルはACL本大会前の予選を勝ち抜く必要がある。さらに本大会出場の切符を手に入れても、西地区のグループリーグを突破して、決勝トーナメントに進んだ上で、Jリーグチームとの対戦が無い限り、日本で見られることはない。

 今回のツアーが、ロナウドのプレーを確実に見ることができる絶好の機会であるのは間違いない。

Al-Nassr JAPAN TOUR 2023 公式ウェブサイト

大塚淳史

スポーツ報知、中国・上海移住後、日本人向け無料誌、中国メディア日本語版、繊維業界紙上海支局に勤務し、帰国後、日刊工業新聞を経てフリーに。スポーツ、芸能、経済など取材。