さて、今週末のJ1リーグが終わると、未消化だった神戸vs川崎を除いてJ1リーグは8月4日まで中断期間に入ります。今年はその間に海外の強豪チームが次々に来日します。

【7月】
19日 横浜FM vs セルティック(日産)
22日 G大阪 vs セルティック(パナスタ)
23日 横浜FM vs マンチェスター・シティ(国立)
25日 パリ・サンジェルマン vs アル・ナスル(ヤンマー)
26日 バイエルン・ミュンヘン vs マンチェスター・シティ(国立)
27日 アル・ナスル vsインテル・ミラノ(ヤンマー)
28日 パリ・サンジェルマン vs C大阪(ヤンマー)
29日 バイエルン・ミュンヘン vs 川崎(国立)
【8月】
01日 パリ・サンジェルマンvsインテル・ミラノ(国立)

 このチームはどれくらいすごいのか。今年の成績を見ると一目瞭然です。

セルティック(スコティッシュプレミアリーグ優勝)
マンチェスター・シティ(プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ優勝)
パリ・サンジェルマン(リーグ・アン優勝)
バイエルン・ミュンヘン(ブンデスリーガ優勝)
インテル・ミラノ(チャンピオンズリーグ2位)
アル・ナスル(サウジアラビアリーグ2位、クリスティアーノ・ロナウド在籍)

 過去にないほどの豪華なチームばかりですし、試合はどれも面白くなりそうです。去年もパリ・サンジェルマンなどが来日して、有料の練習まで含めて多くの観客が詰めかけ、世界のスターの美技に沸いたことは記憶に新しいでしょう。

 Jクラブにとっては、こういう機会でもない限り対戦できない相手です。せっかくの機会ですから、選手とJリーグにはそれぞれ考えておいてほしい点が1つずつあります。

 まず選手が考えておくべきことは、この試合に臨むときの目標です。

 来日するチームはシーズンを終えているので、コンディションやモチベーションが下がっていることは否めません。優勝争いをしているときのようなプレーは期待できないと思います。

 ですが、だからと言って彼らはどんな結果になってもいいとは思っていないのです。無様な負け方をすれば、それだけ彼らの価値は下がります。もう次はツアーが組めなくなることも考えられるでしょう。ですから勝利で終わりたいという気持ちは十分に持っています。

 そんな相手を「負けるかもしれない」と思わせ、本気にさせることが出来るか。そこが今回の試合にとっては大きなポイントで、先制点を奪って相手のスイッチを切り替えさせられるかというのが大切です。

 さらに言えば、若手選手には大きなチャンスです。Jクラブはベテランの疲労蓄積を心配して、若手を積極的に使うのではないでしょうか。世界の強豪チームの監督にインパクトを与えるプレーを見せられれば、海外でプレーするチャンスが生まれるかもしれません。ここは自分が持っているすべてを世界レベルの選手にぶつけて、未来を切り開いてほしいと思います。

 そしてもう一つ、僕はJリーグに考えてほしいと思うことがあります。

 現在、Jリーグはアジア戦略を立ててASEAN各国の選手獲得を後押ししています。特にタイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、インドネシア、マレーシアとはパートナーシップ協定を締結し、この7カ国の選手は外国籍選手としてカウントせずに登録できる「Jリーグ提携国枠」制度を導入しています。

Jリーグパートナーシップ協定国一覧(出典:Jリーグ公式サイトより)

 それだけアジアをリードするという気持ちがあり、そしてアジアからの投資を狙っておきながら、こういう中断期間にJクラブがアジアに出て行って試合をしなくていいのだろうかと思うのです。

 今回、様々な国の強豪チームが日本に来て試合をしているように、日本のチームは逆に東南アジアなどに出て行って現地のチームと試合をしたほうがいいのではないでしょうか。

 せっかくJリーグでプレーしているASEANの選手がいるのですから、その国に行って試合をするとJリーグに興味をより持ってもらえるでしょうし、今後のビジネス展開もしやすくなります。実際、プレミアリーグのチームなどはよくアジアツアーを行って人気を獲得しているのです。

 そんな将来を見据えた動きをJリーグもやるべきでしょう。Jクラブ単体でそういう企画を立てたり興業を成り立たせたりするのは難しいでしょうから、Jリーグが積極的に仕掛けていくほうがいいと思います。

 確かに目の前での強豪との試合も大切です。ですが、それと同じくらいJリーグがどうやって今後アジア戦略を採っていくかも大事です。ぜひ大きなプランを考えて実行し、夏になると「Jクラブがやってくる」と海外で思ってもらえるようになってほしいと願います。

前園真聖

【前園真聖コラム】各国の強豪チーム来日に胸躍るとともに考えるべき2つのポイント <了>

350万の高額チケットが完売、その他チケットの売れ行きはいかに…

 昨夏、日本で大きな話題となったパリ・サンジェルマンのジャパンツアーだが、今年も2年連続での来日が決定しており、昨年以上にあらゆる席種のチケットを売り出している。「Paris Saint-Germain JAPAN TOUR 2023」において、8月1日に行われる第4戦目では、350万円のPRIVATEホスピタリティシートや50万のテラス席といった高額チケットが完売している。同時期に複数の海外クラブがジャパンツアーを予定しているとはいえ、スペイン代表FWマルコ・アセンシオや韓国代表MFイ・ガンイン、フランス代表DFリュカ・エルナンデスといった新戦力も加わった、“新星PSG”が初めてみられるチャンスということで、コアなサッカーファンの間で注目が集まっている。(VictorySportsNews編集部)

「Paris Saint-Germain JAPAN TOUR 2023」のチケット情報はこちら「Audi Football Summit powered by docomo」のチケット情報はこちら「セルティックFC・ジャパンツアー2023」のチケット情報はこちら

前園真聖

鹿児島実業高校からJリーグ・横浜フリューゲルスに入団。アトランタオリンピック本大会では、チームのキャプテンとしてブラジルを破る「マイアミの奇跡」に貢献。その後日本だけでなくブラジル、韓国などの海外クラブでもプレーし、2005年に現役引退。現在は、サッカー解説などメディアに出演しながらも、サッカースクールや講演を中心に全国の子供たちにサッカーの楽しさや経験を伝えるための活動をしている。