中国に本社を置くハイセンスは、昨年度のテレビ出荷台数世界第 2 位、100 型以上のテレビ出荷台数世界第 1 位を誇るグローバル企業。スポーツのビッグイベントに数多く協賛していることでも知られており、このほど2026年FIFAワールドカップの公式パートナーに就任した。記者発表会では同社がユニフォームスポンサーを務める J1 リーグ・サンフレッチェ広島所属のGK⼤迫敬介とFWジャーメイン良が特別ゲストとして登壇した。

116インチ大画面テレビ、日本初公開

 大迫とジャーメインは日本初披露となる116 インチ⼤画⾯液晶テレビ「116U9R」シリーズが設置されたスイートルームに登場。幅約 2.5m、高さ約1.4mの⼤画⾯に2018年ロシアワールドカップと2022年カタールワールドカップのハイライトシーンが映し出されると、圧倒されたような表情を浮かべて映像に見入った。

 感想を求められると、まずはジャーメインが「この大きさ(116インチ)なのに画質が良いし、本当の芝生のような色合いです。僕自身、自宅で85インチのハイセンスのテレビを使わせていただいていますが、116インチのこのテレビはさらに画質が良くなって、サイズも圧倒されるような大きさなので、スポーツを見るのに最高です」と笑みを浮かべた。

 目を見張るように画面を眺めていた大迫は、広島のトップチーム昇格1年目だった2018年6月にU-19日本代表メンバーとしてロシア遠征に参加した時のエピソードを引き合いに、「ロシアワールドカップはアンダー世代の代表として現地で見ていましたが、ハイセンスの116インチテレビの映像は音質も画質も現地で見ているようなリアルな感覚でした」と語った。U-19日本代表は2018年FIFAロシアワールドカップ出場中のA代表と同じルビン・カザンの施設で合宿を張り、日本がコロンビアに2-1で勝利したグループリーグ第1戦と、スペイン対イラン戦を現地観戦。高画質の映像を見て当時の感覚を鮮明に思い出したようだ。

大迫が語る、南アフリカW杯での忘れられないPK戦

 話題はここからワールドカップ中心になっていった。これまでに印象に残っているシーンや選⼿について聞かれると、ジャーメインは「小学校1年生の時にあった2002年日韓ワールドカップ」と返答。「野球をやるかサッカーをやるか悩んでいた時に、ちょうど⽇韓ワールドカップを見たことでサッカーをやろうと決めて、プロになることができました」と明かし、特にグループリーグ第2戦のロシア戦で稲本潤一選手が得点を決めたシーンを見て大興奮したエピソードも披露した。

 また、大迫が挙げたのは2010年FIFA南アフリカワールドカップ。「僕は小学生だったんですけど、すごく印象に残っています。(PK戦の末に)負けた時は、まだサッカーをそこまでしていない自分でもすごく悔しかったのではっきりと覚えています」と振り返った。

 来年のワールドカップで対戦したい国はどこかという質問も出た。7月に韓国で行なわれたEAFF E-1選手権で5ゴールを決め、大会得点王に輝いたジャーメインが挙げたのはブラジル。理由は「僕は日本代表キャップがE-1選手権の3試合しかなくて、アジアのチームとしか試合したことがありません。いろいろな選手に話を聞くとみんな“ブラジルは本当に強い”と言っていたので、一度試合をしたいですね」とのことだった。

 一方、大迫が“指名”したのはアルゼンチン。

「2週間ほど前(の9月上旬)にアメリカに遠征した際にアメリカ代表と対戦してきましたが、僕が⽇本代表として対戦した中でも⼀番と⾔っていいほど強い相⼿でした。でも、そのアメリカでもFIFAランクではトップトップではなく、本⼤会ではもっと上のレベルの相⼿を倒していかないと優勝はないという現実を突きつけられました。前回の優勝国であるアルゼンチンを倒さないと優勝はないので、対戦してみたいです」

 2022年FIFAワールドカップをいずれも「家のテレビで見ていました」という2人は、2026年FIFAワールドカップへの思いも熱く語った。

 ジャーメインが「ありきたりな言葉ですが、夢の舞台です」と言えば、大迫は「小さい頃から見ていて、もともとは夢であり遠い存在だったのですが、今は自分の手で掴み取りたい目標になってきています。ここまで来たらメンバーに入るだけではなく、日本の守護神として試合に出て、日本を優勝に導ける存在になりたい。その目標を達成できるように頑張ります」と意気込みを語った。

 最後に、ハイセンスの116インチテレビにどういうプレーを映し出されたいかという質問に対しては、FWとGKならではの答えが帰ってきた。片やストライカーであるジャーメインは日本代表デビュー戦となったE-1選手権初戦の香港戦でマークした1試合4得点を超える活躍をイメージし、「大画面で得点しているところを映してほしい」と切望。大迫は「ゴールキーパーがテレビに映るのは攻められている時なのであまりよろしくはないんですけど…」としたうえで、「前回大会(2022年FIFAカタールワールドカップ)もPKで敗れてしまったので、PK戦で自分が止めて勝っている姿を大画面に映してもらいたいです」と具体的なシーンまで踏み込み、並々ならぬ思いを表現した。

世界の名だたるスポーツ大会にも協賛

 ハイセンスがFIFAワールドカップの公式スポンサーを務めるのは2018年ロシア大会、2022年カタール大会に続き、2026年は3度目。ハイセンスは今夏にアメリカで開催されたFIFAクラブワールドカップにも協賛するなど、世界に名だたるスポーツ大会の公式スポンサーを数多く務めている。なお、116インチ大画面液晶テレビ『116U9R』シリーズはオープン価格で想定売価は550万円(税込)となっている。


矢内由美子

著者プロフィール 矢内由美子

北海道大学卒業後、スポーツ新聞記者を経て、06年からフリーのスポーツライターとして取材活動を始める。サッカー日本代表、Jリーグのほか、体操、スピードスケートなど五輪種目を取材。ワールドカップは02年日韓大会からカタール大会まで6大会連続取材中。AJPS(日本スポーツプレス協会)会員。