昨年12月13日のニッポン放送で放送された『ショウアップナイター60周年名球会ラジオ』に出演した阿部監督は26年の4番構想に触れた。「春のキャンプ、オープン戦を見て決めたいなというのが今の率直な気持ちです」と白紙を強調。その上で「キャベッジも残留してくれましたし、候補に入ってくると思いますしね。今年素晴らしい成績を残して来年も残っていただけるので、彼も彼なりに勉強してまた戻ってきてくれると思いますし、パワーは誰よりもありますので、候補の中の一人ですよね」とした。
その言葉通り、現状ではキャベッジが最有力の4番候補だろう。25年シーズンは打率・267、17本塁打、51打点だった。岡本が離脱中は39試合で4番に入った。ただ6月は打率・129、7月は打率・225と崩した。長打力はあるが、調子の波もある。
キャベッジに加え、期待されるのが新助っ人の前ロイヤルズ傘下のボビー・ダルベック内野手(30)だ。そのダルベックが日本の野球に適応すれば、「ポスト岡本問題」は即解決する。193センチ、102キロの長距離砲でメジャー通算47本塁打を誇る。レッドソックス時代の21年にはメジャーで133試合出場し、25本塁打、78打点と活躍した。一塁守備も評価が高いのも大きい。ただ、いつの時代も新外国人の活躍は未知数。簡単にはいかないのが現実だろう。
パワーで言えば、リチャード内野手(26)も申し分ない。現役ドラフトでソフトバンクから加入した25年は77試合出場の打率・211、11本塁打、39打点だった。今季の最高打球速度(191・8キロ)と最長飛距離(146・6メートル)は12球団トップの数値だった。そのパワーには特大のロマンが詰まるが、90三振と穴も多いのが不安材料だ。
かつて名将野村克也は「エースと4番は、育てようと思って育てられない」と言った。しかも岡本という圧倒的な存在の後任なれば、なおさらだ。
とはいえ、若い芽も育ちつつある。4年目を迎える浅野翔吾外野手(21)は悩みながらも、着実に成長している。浅野と同学年となる三塚琉生内野手(21)は昨季イースタン・リーグで打率・318、9本塁打、40打点と覚醒の兆しを示した。石塚裕惺内野手(19)は開幕前の左手首を負傷など離脱も経験したが、この1年で体が格段に大きくなった。スイングの力強さは高卒1年目の中では群を抜き、逆方向にも強い打球を飛ばす。将来の巨人を背負う存在となるだろう。
実際に岡本も高卒4年目に打率・309、33本塁打、100打点と一気にブレイクした。理想は若手の台頭だが、いきなり岡本級の活躍を求めるのは難しい。というより酷だろう。ならば、来季は岡本の後釜を見つけるのではなく、投手力で接戦を勝つチーム作りが現実路線だろう。
何より投手陣は戦力が整っている。先発は25年シーズンこそ不調だったが、実績十分の戸郷翔征投手(25)、3年連続2桁勝利を達成している山崎伊織投手(27)の2人は計算できる。また若手では井上温大投手(24)も2桁を勝てるポテンシャルを持っている。そしてここにきてMLB移籍を断念したが、楽天からFAで則本昴大(35)の入団も決まり、本来の居場所である先発での起用が示唆された。
またリリーフ陣も強力だ。守護神ライデル・マルティネス投手(29)、セットアッパー大勢投手(26)が勝利の方程式で固まる。1点でもリードした展開で終盤に持ち込めば、勝利は大きく近づく。二塁の吉川尚輝内野手(30)は守備範囲が広く、遊撃の泉口友汰内野手(26)も堅実。二遊間も固いだけに守り勝つ野球の方がイメージが膨らむ。
3年契約最終年となる阿部監督は、この2年以上に勝利に徹する采配を振るだろう。2025年は優勝した阪神に実に15・0ゲームの大差を付けられた。果たして…3年目を迎える阿部巨人はどんな野球を見せてくれるか。
岡本和真の穴はどう埋まるか? 3年契約の最終年 阿部ジャイアンツの2026年戦力を占う
大リーグのブルージェイズと契約した岡本和真内野手(29)が抜ける巨人は2026年をどう戦うのかー。岡本は、巨人在籍11年間で通算打率・277、248本塁打、717打点と輝かしい結果を残した。直近2年間、岡本が本塁打を放つと、チームは31勝6敗1分けと大きく勝ち越した。その数字は、いかに主砲のバットが勝利を呼び込んできたかを物語る。その穴は簡単に埋まるものではない。阿部慎之助監督(46)も、さぞかし頭を悩ませる。
巨人の阿部監督(右端) (C)共同通信