パワプロには他の野球ゲームにはない、アドベンチャーゲーム形式でオリジナル選手をつくる「サクセス」モードがあり、このモードが搭載されて今年でちょうど30周年。3人は胸に「PAWAPURO」、背中には「30」と記されたオリジナルユニフォームで登場すると、まずはそれぞれにパワプロとの出会いや思い出を振り返った。

 このゲームには「サクセス」以外にもメインの「対戦」、「ペナント」、実際の試合を追体験できる「シナリオ」、高校野球の監督になって甲子園を目指す「栄冠ナイン」、ホームラン競争が楽しめる「ホームランアタック」など、さまざまなモードが搭載されている。その中からお気に入りのモードとして「ペナント」を挙げたのが、小学生の頃からパワプロで遊んでいたという藤原。「僕はオリックス・バファローズが大好きで。その当時は暗黒期と言われてまして、なかなか優勝できなかったので、僕がペナントレースで優勝の景色を見せてあげようと思って」と当時を思い返し「素晴らしいのは僕らがデビューした年にオリックスが(25年ぶりに)優勝したこと」と、「オリ愛」全開のトークを繰り広げた。

 これに対して「(若手の頃は)仕事がないんでパワプロしかやってなかった」と自虐から入ったのがアンタッチャブルの2人。柴田が「仕事が一緒なんで、山崎が休みだったら当然僕も休み。だからパワプロに使える時間が一緒なんですよ。よりパワプロに使った時間が多いほうが結果を出すんで、山崎よりはペナントで常に上にいようと努力して『サクセス』モードを進めてました」と若手時代を述懐すると、山崎は「だから逆に言えば救われましたよね。あの時期にパワプロがなければ、全然仕事がない自分とちゃんと向き合わなきゃいけなかったですから。くりぃむしちゅーの有田(哲平)さんとかも一緒に、みんなで集まって『サクセス』でつくったチームで戦うペナントレースをやって、優勝者を決める大会をやってました。その優勝のためだけに生きてるみたいなもんだった」と、2004年にM-1グランプリ王者となる以前の「サクセス前夜」の秘話を披露した。

 本作の「サクセス」モードには、30周年を迎えて新たなシナリオとして過去30年分の歴代サクセスの舞台を巡る「パラレルオールスターズ」、2026年ワールド・ベースボール・クラシックを舞台に実在の選手たちと世界一を目指す「World Baseball Classicサクセス」が搭載されていて、当然のことながら後者にはあのロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平も登場する。これには「サクセス」と同じく今年で30歳の節目を迎え「運命を感じている」という藤原も「あの大谷選手と(ゲーム上で)会話できるってことなんですよ、一緒に。だからめっちゃメディアで言ったろうかなと思って、『大谷さんと喋ったことあります』って。一応『ゲームで』ってちゃんと言いますけど(笑)」と、プレー前から興奮を抑えきれない様子だった。

 イベント中盤のフリップトークでは「身につけたいパワプロの特殊能力」で「選球眼」と書いた藤原が「自分のファンを早く見つけるっていうこと。街中とかで『あの人、絶対オレのこと好きやん』って思ったらその近くに行って『あれ、もしかして?』、『丈くんのファンです!』みたいな意味で‟選球眼”をより身につけたい。ライブとかでもすぐに(自分の)ファンの人を見つけられるように」とその真意を明かすと、トップアイドルらしい答えに一同納得。一方で「パワプロから学んだこと」として「公共料金の支払い確認はしっかりと」と書いた山崎は「お恥ずかしい話『サクセス』モードですごいいい選手ができあがろうとしてた時に、電気が止まったことがあって。電気料金の支払いを忘れちゃってて。あの時の絶望感。(データが)全部消えるんですね」と、再び自虐ネタで笑いを誘った。

藤原丈一郎(なにわ男子)

 その後の「パワプロ能力診断」企画で‟主役”になったのは、柴田のほうだった。この能力診断は名前やプレースタイル、よく遊んでいたパワプロシリーズの年代などの質問に回答することで、自分だけのオリジナルパワプロ能力値が作成されるというもので、パワプロ・プロスピ公式Xで一般ユーザーも体験できる。事前に質問に回答していたという3人の診断結果が画面に一斉に映し出されると、柴田の特殊能力の欄には「高速ベーラン」、「芸術的流し打ち」、「恐怖の満塁男」といった景気の良いフレーズが並んでいたものの、能力値を見ると肩の強さを示す「肩力」がなんと「G」「1」! これを藤原と山崎が「肩1? 大丈夫ですか?? 聞いたことないですよ、肩1なんて(笑)」などとイジると、柴田は座っていた椅子から立ち上がり「もっといいトコ見て! なんで『肩1』のことだけ言うんだよ!!」と顔を真っ赤にしてリアクション。会場は爆笑の渦に包まれた。

 さらにイベント終盤には本作の体験コーナーが用意され、3人がいち早く「ホームランアタック」モードで対戦。藤原は愛するオリックスの頓宮裕真、山崎はWBCバージョンの大谷、柴田はやはりWBCバージョンのアーロン・ジャッジ(ヤンキース)を選んでのホームラン競争は、山崎の巧みなコントローラーさばきにより5スイングすべてホームランの大谷が勝利。山崎は「大谷翔平さんを使わせてもらってる以上、恥をかかせるわけにはいきませんから。これぞ大谷翔平だというホームランを見せられたと思います」と胸を張った。

 最後は「自分の良いトコ、悪いトコをパワプロに教えていただけたので。自分でも気がつかなかったんですけど『肩G芸人』だっていうことが分かりました(笑)」(柴田)、「『ちょっとパワプロやってみたいな』と思ったら、ぜひ僕たちと一緒に野球しようぜ!」(藤原)、「僕ら世代も熱くなってやれて、丈一郎くんの世代もっていう、ホントに三世代でできるようなゲームになってきてるんじゃないかと。ぜひ皆さんで、ファミリーでも楽しんでいただけたらと思います」(山崎)と各々がメッセージを送り、トークは終了。笑いを織り交ぜながらもパワプロ、そして野球に対する三者三様の熱量、愛情が色濃く感じられるイベントだった。


菊田康彦

著者プロフィール 菊田康彦

1966年、静岡県生まれ。地方公務員、英会話講師などを経てメジャーリーグ日本語公式サイトの編集に携わった後、ライターとして独立。雑誌、ウェブなどさまざまな媒体に寄稿し、2004~08年は「スカパー!MLBライブ」、2016〜17年は「スポナビライブMLB」でコメンテイターも務めた。プロ野球は2010年から東京ヤクルトスワローズを取材。著書に『燕軍戦記 スワローズ、14年ぶり優勝への軌跡』、編集協力に『東京ヤクルトスワローズ語録集 燕之書』などがある。