ユニクロは東京都内で行われた会見で、9月下旬に開幕するリーグ戦で着用するレフェリーユニフォームをお披露目し、また2027年1月に愛知県で開催されるオールスターゲームでの選手着用ユニフォームを提供することを発表した。また、トートバッグやTシャツなど自分だけのデザインが作れる「UTme!」サービスで、Bリーグの各クラブのロゴやマスコットのデザインを使用が可能となることも発表した。
ユニクロは今年1月に男子サッカーのJリーグと同様のパートナーシップ契約を結んでおり、Jリーグのオールスターゲームでのユニフォーム提供や、UTme!でも同様のサービスを展開してファン・サポーターたちから多くの反響を得ている。ユニクロは国内のスポーツ分野において着実に存在感を増している。
ユニクロを展開するファーストリテイリングのグループ上席執行役員を務める柳井康治(以下、柳井氏)は、Bリーグの島田慎二コミッショナー(以下、島田氏)と一緒に、ユニクロとBリーグのロゴが入ったシャツを着て登壇。柳井氏は「Bリーグさんのように全国の地域の方々から愛されるようなブランドになりたい。このパートナーシップを本当に嬉しく思う」と話し、島田氏も「世界で大きな成果を挙げているグローバルカンパニーとパートナーシップを組めるのは本当に光栄なこと」と喜んだ。
レフェリー向けの新ユニフォームのお披露目では、JBA(日本バスケットボール協会)公認プロフェッショナルレフェリーである漆間大吾氏が着用して登壇し「素材が柔らかくて肩周りの動作がしやすい」と機能性の良さを実感していた。
また、「UTme!」の実体験やトークセッションで、ゲストに俳優の桜井日奈子さん、川崎ブレイブサンダースの篠山竜青選手、名古屋ダイヤモンドドルフィンズの齋藤拓実選手が登壇し、桜井さんがその場でタブレットを通してオリジナルTシャツを作成して楽しんでいた。
スポーツへの関与を強める狙い
ユニクロとスポーツにおける関わり自体は既に長く、多くの実績を重ねている。
国外ではスウェーデンのオリンピック・パラリンピック委員会とパートナーシップ契約を結んでいて、過去大会では公式ウェアを提供した。また、スウェーデンのスキー連盟やカーリング協会とはオフィシャルサプライヤー契約を結んでいて、国際大会で代表選手達がユニクロのロゴが入ったユニフォームやウェアなどを着用して活躍を見せている。
日本国内でユニクロの存在感が強いのは主にテニスだろう。車いすテニスで数々の大記録を打ち立てた国枝慎吾さん、今年5月に今シーズン限りでの現役引退を発表した錦織圭選手、テニス界のレジェンドであるロジャー・フェデラーさんらと長年アンバサダーとして契約していて、街の広告やCMなどで多く露出しており、人々にとって目にする機会があったのではないだろうか。
他にも日本サッカー協会の未就学児を対象にしたサッカーイベント「JFAユニクロサッカーキッズ」を長年に渡り協賛している。
ただ、国内におけるユニクロとスポーツの関係を振り返ると、一般的にはテニスが最も印象強く、リーグや団体と比較するとアスリート個人へのサポートの印象が大きかった。それが今年1月のJリーグとの提携、今回のBリーグとの提携と、これまで以上に広い範囲での関わりを始めている。
その前段階として、昨年9月には『ユニクロの服を仕事着、制服、ユニフォームとして活用いただいている企業・学校・スポーツチームなどが2026年8月期中に2万件を超える見通しとなったことを受け、ユニクロは「UNIQLO UNIFORM」事業の体制を刷新し、事業を大きく拡大いたします』とリリースで発表しており、BtoB向けの制服やユニフォームにも力を入れることを示していた。
こういった流れもあってか、日本国内のスポーツのプロリーグへの関与を行うことで、ユニクロがファストファッションのブランドとしてだけでなく、スポーツのウェアやユニフォームのブランドとしても認知を強めたいことがわかる。
柳井氏「地域密着しないと生き残れない」
柳井氏は今回のBリーグとの共通点として3つ挙げている。
「1つは、Bリーグはバスケットボールを通じてより良い社会を作っていくことを目標・目的にしている。我々も洋服の力でより良い社会を作っていきたい。2つ目は地域密着。全国にある一店舗一店舗が本当に意味のある店舗じゃないと我々は生き残れない。恐らくBリーグも41都道府県にあるそれぞれのチームが本当にその地域に根ざしたチームになっていないとおそらく生き残っていけないという点は共通していると思う。最後はファンを第一に考えているところ。我々も常にお客様を中心にビジネス活動をしていて、Bリーグと共通している」
ファーストリテイリング グループ上席執行役員・柳井康治氏 日本各地の41都市にあるBリーグ55クラブを介して、スポーツ分野におけるユニクロをより身近に感じてもらいたいという思いが見えた。会見後の質疑応答で、柳井氏は地域密着について更にこう話している。
「Bリーグのような地域密着型のリーグとのパートナーシップというのは我々の商売にとっても必ず貢献できるという点ですごく魅力的。地元のユニクロが自分にとって特別なお店になるというのは、お客様にとっても我々にとってもすごく大切なポイント。自分の街にあるユニクロが、ほかの街とはちょっと違う視点で見ていただけるということを今回のパートナーシップで実現したい」
島田氏も「これだけ全国に多くの店舗を持たれて、Bリーグの各クラブには多くの熱量のあるファンの皆さまがたくさんいる。そのファンの熱量とユニクロさんと良い形でコラボレーションすることで、地域の皆さんが喜んでいただける世界観が作ることができればいいなと考えています」と期待した。
「UTme!」が可能な店舗は9月3日時点全国94店舗となっており、「年内には99店舗はいけるのでは(柳井氏)」とさらに拡大していく。また、ユニクロが提供するBリーグのオールスターのユニフォームは11月頃に発表する予定だ。