パートナーシップ契約が実現した背景とは

国枝慎吾氏(日本車いすバスケットボール連盟 理事 / ユニクロ グローバルアンバサダー)

 東京都内で行われた記者会見には、JWBFの田中晃会長、株式会社ファーストリテイリング取締役・グループ上席執行役員の柳井康治氏、車いすテニス男子で活躍し、現在は日本車いすバスケットボール連盟の理事を務めるユニクロブランドアンバサダーの国枝慎吾氏、車いすバスケ男子日本代表の川原凜主将、同女子日本代表の萩野真世主将が登壇。田中会長は「今回のパートナーシップは単なるスポンサーシップではなく、私どもの理念である『インクルーシブ社会の実現』に向けた貢献を共有できたものだと確信しております。これから末永く、より良い社会の実現に向けて一緒に歩ませていただきたい」と今後への期待を示した。

 続いて、今回の契約の背景を明かしたのが柳井氏だ。2023年からJWBFの理事を務める国枝氏から提携を提案されたことがきっかけになり「『服の力で世の中をより良くする』というユニクロの思いと、車いすバスケットボールを通じて社会を良くしようとする連盟の理念が一致したことで支援が決まりました」と説明。「ユニクロのユニホームを着て、選手の皆さんが戦っている姿をいろいろな方に見ていただいて、皆さんがワクワクして競技の魅力が伝わることのお役に立てればうれしい」と思いを語った。

泣く泣くテニスを選んだ?! レジェンドが明かした“もう一つの世界線”

トークセッション(左から 国枝慎吾氏、川原凜選手、萩野真世選手)

 会見後には国枝氏が、川原主将、萩野主将とのトークショーに臨み、そこで意外な事実も明らかになった。国枝氏は「実は最初、僕がテニスを始めた時に一番興味があったのは車いすバスケットボールだったんです。でも、家の近くにチームがなくて…車で2時間くらいかかってしまう場所にしかなかったんです」と当時を回想。「語弊があったら申し訳ないんですけど、泣く泣くテニスを選んだっていうのが最初のきっかけだったんですよね」と語った。

 男子世界歴代最多となる四大大会50回優勝の記録保持者で、史上初の生涯ゴールデンスラム(四大大会とパラリンピック制覇)を達成した「車いすテニス界のレジェンド」が、もし車いすバスケを選んでいたら…。そんな”世界線”を思わず想像してしまうような告白に、会場にはざわめきも起こった。国枝氏は現在も日頃から車いすバスケをプレーしているそうで「激しいコンタクトのスポーツなので、競技を始めてから苦戦しています。ゴール下に飛び込んでいく動きが怖くてしようがない」と、テニスとは異なる難しさと魅力を語った。

選手の声を反映した高機能ユニホーム

車いすバスケットボール 日本代表ユニフォーム

 自らユニクロと車いすバスケの接点をつくった国枝氏は「ユニクロは長年、世界のアスリートのためにウェアの開発や提供をしてきましたが、僕自身も現役時代、その着心地の良さや動きやすさ、機能性の進化を肌で感じてきました」と今回のタッグの価値を経験を踏まえて熱弁。「このようなコラボレーションが始まるのは、僕にとっても本当にうれしいこと。これから日本代表の選手たちがユニクロのユニホームをまとって世界で躍動する姿をすごく楽しみにしていますし、応援しています」と期待した。

 ユニホーム開発に際しては選手へのヒアリングを実施し、競技特有の動作や車いすでのプレー環境を踏まえて細部までこだわって設計。腕や肩まわりの動かしやすさを追求するとともに、車いすへの接触による引っ掛かりを防ぐため、トップスやパンツの裾のスリットをなくすなどの工夫がなされている。

 競技時の姿勢に合わせて着丈を調整するなど選手の声を反映した仕様となっており、デザインは日本代表の誇りと力強さを表現する「ライジング・サン」がコンセプト。赤と白を基調とし、昇る太陽をモチーフにした右肩上がりのグラフィックが配置されている。また、移動や練習時、公式行事などさまざまなシーンで着用するウェアとして、吸汗速乾性に優れた「ドライEX」や、さらりとした着心地が特長の「エアリズム」などの素材を使用したウェアも提供する。

 ユニクロ×車いすバスケ-。世界のレジェンドがつないだ縁から、無限の可能性が広がっていく。


VictorySportsNews編集部

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