野球ファンの心を掴む助っ人外国人

ロビンソン・チェコが彗星の如く現れた1995年。中学生の僕はチェコの快速球と鋭く落ちるスライダーに釘付けになった。チェコの豪快なガッツポーズ、そしてユニフォームの袖を勝手にギザギザに切り刻みカスタマイズする異常なキャラクター(良い意味)に魅了されたカープファンは多かったことだろう。もっともそのユニークすぎるキャラクターゆえに、カープを颯爽と飛び出しメジャーへと旅立ってしまったのだが。

野球ファンなら誰もが心に残る助っ人外国人がいるはずだ。日本で大活躍し日本人選手として登録された選手もいれば、「ちょっと故郷に帰ります」とそのまま行方不明になったり、気づいたらG・G佐藤さんと同じイタリアのチームに在籍していた選手もいた。そんな、かつて日本にいた選手のその後や素顔が垣間見える「SNS」はファンにとってとてもありがたい存在だ。SNSでのコメントや、引用記事、更新頻度を見ると、その選手の思いもよらないキャラクターや人生が見えてくる。もはや数人の記憶にしか残っていないような選手のSNSを発見したりすると、不思議な喜びを感じたりもする。
今回こちらのコラムではそんな様々な助っ人外国人のSNSを訪れ、選手の現在の様子やそこから読み取れる人柄などをみなさまに紹介できたらと思う。

カープファンに夢を抱かせたドミニカン

第一回目はカープに1998年にカープに在籍していたアレファンドロ・ケサダ。日本でそこまで活躍はできなかったが、名前をきいた方も多いのではないだろうか。カープのドミニカアカデミー生だったケサダはフレッシュオールスターで外国人初のMVPを獲得し、2年目には日本初のポスティングシステムでアメリカへ渡った日本球史に名を残す助っ人外国人なのだ。
1998年には一軍で34試合に出場し、打率3割1分1厘、ホームラン3本というカープファンに来シーズンへの期待を抱かせる選手であった。(残念ながら次の年にはメジャーへと旅立ってしまったのだが)始めて覚えた日本語は「ヒャクマンエン」。そんなケサダの現在はFacebookにて知ることができる。

現在のケサダ

現在39歳。先日7月9日に誕生日を迎えたばかりである。野球からは離れているが、奥様と息子娘4人で暮らしているケサダ。家族仲良く写る写真が多数アップされており暖かい気持ちになる。こちらのFacebookは頻繁に更新されており僕が友達申請をすると、なんと快く承認してくれた。先日「カープにいるとき応援していました。また広島に来てください」とメッセージを送ったところ「私は広島に行くとアヤさんを思い出します」という謎のメールが返って来て混乱するしかなかった。だれかスペイン語ができる人に助けてもらいたい。

Facebookの記事を覗くと今でも地元の野球チームで野球をしていることが伺い知れる。注目すべきは奥様との強い愛情だろう。アップしている写真をみると2、3枚に一枚は奥様と身体を密着している。なんならキスもしている。南米の方特有の奥様へのパッションは我々日本人には刺激が強い。(最近までカープにいたロサリオも18歳上の奥様との密着ぶりは相当なもので、広島の街を騒然とさせたと聞く)結構な頻度でFacebookを更新しているケサダ。最近あげたNASAの火星探査機の記事をシェアしているところをみると、ケサダは野球だけでなく火星への興味も強いことがわかる。今後もケサダのFacebookから目が離せない。

カープ関係者に聞くとケサダは非常に人懐っこく、皆から愛されていたという。そんな明るく周りを笑顔にするケサダの様子が現在のFacebookからは見て取れる。ドミニカでケサダか今後も幸せに暮らすことを、そしていつの日か日本でアヤさんに会えることを心から願っている。


ザ・ギース尾関高文