あまり野球のスタジアムに足を運ばない人にとっては、「いまさら?」と思うかもしれない。ZOZOマリンスタジアムの紙巻きタバコ禁止、初の「煙のないスタジアム」化という話題を聞くと、プロ野球界における受動喫煙対策の遅さが気にかかる。池田氏は7年半前、DeNAベイスターズの社長に就任したとき、選手やコーチの喫煙率の高さに驚いたという。

「当時は7割くらいの選手やコーチが喫煙者だったんじゃないでしょうか。ファームの選手寮や横浜スタジアムのベンチ裏にも喫煙室がありました。イニング間に選手がタバコを吸えるようになっていたんです。時代の流れもありましたし、やっぱり子どもたちに見てもらうスポーツとして、タバコが蔓延しているのはどうかと思い、当時の高田繁GMと相談してまずはファームから改革を始めたんです」

社長に就任した池田氏は、新人らファームの選手を禁煙とし、重い罰金制度も導入。寮の喫煙室は廃止、スタジアムでも喫煙室をベンチから遠ざけ、さらにスタジアム内の観客用喫煙所も数を減らしていったという。

「選手からもファンからも反発はありましたよ。でもあこがれのプロ野球選手としてみている子供たちが見ればがっかりしますし、健康に良くないと分かっているものを、スポーツの現場に放置しておくわけにはいかない。選手にとってはタバコがいい気分転換になっていたかもしれないし、ルーティンというのも理解はします。だからといって、タバコをやめたら成績に影響するのではと考えて配慮し続けるわけにはいきませんでした。でもプロ野球はファンがあってのもの。煙やニオイを気にするファンもいますから、そこは思い切ってやりました」

池田氏が7年半前に放った矢がようやく千葉に届いた。愛煙家にはつらい時代かもしれないが、これも時代の流れ。プロ野球界のタバコに対する意識改革が、これからどんどん進むのは間違いないだろう。



取材協力:文化放送

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VictorySportsNews編集部