週刊文春の記事によると、ミクシィは5年後の球団買収を目指し、106〜131億円という買収金額まで想定。かなり具体的にプロ野球界への参入を考えているという。最新の記事では、スワローズだけでなくオリックスバファローズも候補に挙がっているとか。池田氏は、まずこういう報道が出てしまうこと自体が参入を難しくしていると、球界の内部事情を語る。
「プロ野球界はかなり保守的なので本気で参入を目指すなら、かなり慎重に順番を間違えないようにコトを進めなければうまくいきません。昨年のZOZOの球団買収騒動も同じでしたが、先にマスコミが騒ぐとうまくいくものもまとまらなくなります。まずはそういう球界の“お作法”をしっかりリサーチして、根回しをすべきでしょうね。しかしなぜこんなに内部文書がリークされるのでしょうか。もはやここまでくると破綻しているように感じてしまいます」
サッカー界では先日、メルカリが鹿島アントラーズの経営権を取得するなど、新興企業の進出も目につく。ミクシィのプロ野球球団買収は実現する可能性があるのだろうか?
「現状でいうと、かなり難しいでしょう。以前は、プロ野球の球団といえば、広告効果や企業イメージのアップを狙って赤字覚悟で保有するものでしたが、近年は球団の努力次第で黒字化できるということがわかってきました。かつて閑古鳥が鳴いていた横浜スタジアムも今ではなかなかチケットが取れないほどの人気です。毎年数十億円あった赤字も黒字化することができました。というのもプロ野球の場合、年間144試合のうち、72試合がホームゲーム。JリーグやBリーグに比べても圧倒的に試合数が多いわけです。毎試合満員になるような球団経営ができれば、儲けることも可能なのです。ましてやスワローズにしてもバファローズにしても親会社の経営がしっかりしている。いまあえて手放す理由はないと思います」
Jリーグの場合、下部リーグまであわせると50チーム以上。12球団しかないプロ野球への参入の壁はかなり分厚いといえるだろう。
「もちろん新しい企業がどんどん参入してプロ野球界が活性化するのはすごくいいことだと思います。野球人口は減少していますし、中期的にみると、これからは観客動員も厳しくなっていくでしょう。来年から5Gの次世代移動通信が始まれば、スポーツ観戦の常識が変わる可能性もある。こういう時代だからこそ、若い人の新しい感覚が入ってくるのもおもしろいと思います」
果たしてミクシィは分厚い壁を突破できるのか? 今後の動きに注目していきたい。
取材協力:文化放送
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文化放送「池田純 スポーツコロシアム!」(毎週月 20:00~20:30)
パーソナリティ:池田純
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買収を目指して「5カ年計画」!? 東京・ミクシィ・スワローズは実現するのか?
ミクシィがヤクルトスワローズを買収? 週刊文春が報じたミクシィによるヤクルトスワローズ買収の5カ年計画がプロ野球界をざわつかせている。ミクシィの極秘の社内文書を元にしたというこの記事によると、今年スワローズのスポンサーとなったミクシィは5カ年計画で球団買収を目論んでいるという。横浜DeNAベイスターズ初代球団社長であり、スポーツビジネス改革実践家の池田純氏は、この計画について実現の可能性はあまり大きくないのでは、と語る。
ミクシィ 木村弘毅社長【(C)共同通信】