地方紙記者として埼玉県の情報を発信してきた高山氏と、横浜で大きな成功を収めた池田氏。スポーツによるさいたま市の地域活性化を目指すSSCの会長に池田氏が就任したことをきっかけに、接点が生まれた。現在は埼玉新聞でコラムを掲載している。

高山氏が推すのは、もちろん埼玉県内の温泉。秩父の四季折々の自然と眼下を流れる奥長瀞渓谷の清流を望める日帰り温泉施設「満願の湯」だ。

「秩父に点在する寺社を巡礼する秩父札所34カ所で34番目の水潜寺近くにある温泉です。34カ所の巡礼を達成した後、その参拝客が寄る温泉でもあり、休日はかなり賑わっています。露天風呂が良くて、満願滝という滝を眺めながら温泉につかれます。これからの季節は紅葉もきれいですね」

満願の湯(内湯)満願の湯(黄金の湯)満願滝

お湯は水素イオン濃度9.3phの極めて高いアルカリ性が特徴で、大自然から感じるマイナスイオンによる癒し効果も。全ての露天風呂から満願滝が望め、内湯にはジェットバスやサウナなども設けられている。平日は1日850円(小学生までは500円)、土日祝は1日1000円(同600円)とリーズナブルに天然温泉を楽しめ、ゆっくりと1日を過ごせるのが魅力だ。

この温泉の存在を初めて知ったという池田氏は「こういう、いい場所があるんですよね、埼玉には。埼玉は伝えるのがまだまだ上手ではないなと思いますね」と反応した。池田氏がさいたま市で仕事をするようになって感じるのが、まさに発信力、影響力にもつながる「自分ごと感」の薄さだという。

「スポーツに関していうとサッカー一強で、県民、市民に浸透した“自分ごと感”のあるものがもっと多様に本来はあっていい街なのかなと。130万人もの巨大都市ですから。例えば、横浜から来た私が少し思い切ったことを言っても、誰も『よそ者が何を言っているんだ』と怒ったり、物議を醸したりしないのが、逆に気になる。火がつかないというか、焚きつけられない。横浜だと、なんだかんだと焚きつけられて、いい意味で踊ってくれる。私は居酒屋で『なんだ、あいつは!』と話題になったり、極端に言えば卵を投げつけられるくらいでいいと思っているんです。いい意味での騒ぎ、焚きつく感じがスポーツをきっかけに出てくるといいなと思っています」

高山氏は、そんな埼玉の県民性が約37億円の興行収入を上げるなど、埼玉県内を筆頭に大ヒットした映画「翔んで埼玉」に見えると分析する。

「最初にこの映画を埼玉新聞が取り上げたときに割と怒られたりしたんですが、これだけの結果になった。自分の住んでいる故郷をディスられて喜ぶというのは、埼玉県人ならではだなと思います。ちょっと引いて、それを面白がってしまうというような県民気質。良くいうと懐の深さ。ただ、それは言い方を変えると、埼玉県民の地元に対する意識の薄さ、故郷意識のなさの裏返しなのかなと感じましたね」

池田氏はSSCの会長に就任して初めて、うなぎが埼玉県の名物であることを知ったという。実際に、うなぎの蒲焼の発祥地が埼玉県の旧浦和市(現さいたま市浦和区など)という説があるほどで、「むさし乃」「浜名」など、さいたま市内には名店も多い。

「満願の湯」にしても、うなぎにしても「もっと埼玉の人たちは自己主張をしていい」と池田氏は訴える。

「例えば、新しいアリーナをつくれないかとか、そうやって焚きつけていかないと物事は始まらない。できるできないは二の次で、大きな目標、夢を示していかないと何も始まらない。誇りになるものが、もっともっと必要なんです」

埼玉県、さいたま市に「自分ごと感」を–。池田氏のSSCでの“最初の大仕事”は、そんな意識改革といえるかもしれない。高山氏は「腹の立つことも多いと思うんですけど、粘り強くやっていただければ」と大きな期待を池田氏にかけた。

満願の湯(外観)

【秩父温泉・満願の湯】
■住所
〒369−1625 埼玉県秩父郡皆野町大字下日野沢4000

■TEL
0494-62-3026

■アクセス
電車:秩父鉄道・皆野駅から皆野町営バス日野沢行きで約15分、秩父温泉下車
車:関越自動車道・花園ICから140号で秩父方面へ約30分
秩父鉄道・皆野駅、長瀞駅周辺から無料送迎あり(詳細は公式サイトで)
 
■公式サイト
http://www.chichibuonsen.co.jp



取材協力:文化放送

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文化放送「池田純 スポーツコロシアム!」
火曜後8・40〜50、Podcastで拡大版配信中
パーソナリティ:池田純
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秩父温泉 満願の湯 公式サイト

VICTORY スポーツ湯めぐり紀行 第十七回 沖縄『琉球温泉 瀬長島ホテル』

横浜DeNAベイスターズ初代球団社長で、さいたまスポーツコミッション会長の池田純氏がパーソナリティーを務めるラジオ番組、文化放送「池田純 スポーツコロシアム!」(火曜後8・40〜50、Podcastで拡大版配信中)。池田氏とゆかりの深いゲストを“相方”として招き、さまざまな角度からスポーツに斬り込む内容が話題を呼んでいる。

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VICTORY スポーツ湯めぐり紀行 第十六回 東京・高円寺『小杉湯』

VICTORYでは、同番組内の人気コーナー「スポーツ湯めぐり紀行」の特別版を掲載。アスリート、スポーツにまつわる「とっておきの温泉話」を紹介する。第一六回の“相方”は、建築事務所オンデザインパートナーズ代表の西田司氏。横浜スタジアムのコミュニティーボールパーク化構想を池田氏とともに進めてきた建築家が推したのは、東京・杉並区の銭湯だった。

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VictorySportsNews編集部