「六大学野球のスタンドで“リーダー”がやりたくて入学した」
―応援部・応援団に入った経緯を教えて下さい。
仲倉【明治】:明治大学の応援団は、いわゆるリーダー(学ランを着てチアリーダーと共に応援を先導する存在)が中心となっている「応援指導班」と、チアリーダーが中心になっている「バトン・チアリーディング部」、それから言われる「吹奏楽部」の3つから成立しています。また、名前は違えど、多くの大学の応援団はこの3班から成立しています。自分は中高と吹奏楽部で、吹奏楽を続けたいと思っていたので、応援団のうち、「吹奏楽部」として入団致しました。
菊池【慶應】:自分は、高校までもチアリーディングをやっておりまして。高校までは、競技の方のチアリーディングも行っており、その活動の中で、自分が大会に出ている時も、応援してくる方々がいらっしゃることで、自分も頑張ることができているのだな、と感じる場面が多々ありました。そういった経緯から、大学では、チアリーディングのある種本質的な部分である「応援すること」に興味を持って、應援指導部に入りました。
菅沼【東京】:自分は高校まで野球をやっておりまして、入学当初は野球部のマネージャーに入ろうと考えていました。実際、入学後にマネージャーの見学、という形で神宮球場に試合を観に行ったのですが、その試合が雨は降るわ、9回時点で0-13で東京大学が負けているわ、というような状況だったのですが、応援席の先輩方が、「ここから逆転するぞ」という感じで盛り上げているのを拝見しまして。「これはなんなんだ」と衝撃を受けました。そこから東大応援部の魅力に惹かれていきました。
堀井【法政】:自分は高校時代、静岡に住んでいたのですが、わざわざ六大学野球を観に東京に来るほど、非常にコアな野球ファンでして。そして、高校時代、神宮球場で六大学野球を観戦しているときに、自分の目にリーダー部の方々の勇姿が目に飛び込んできたのですが、その姿がものすごく格好良くて。それを見て以来、東京六大学に入学したい、入学してリーダー部に入りたい、という思いに駆られて、法政大学に進学し、今に至ります。
「応援は自己満足なのだろうか」苦労の中で見出した応援部の存在意義
―応援部・応援団に入って、成し遂げたいことを教えて下さい。
堀井【法政】:自分は「いい応援」をしたいですね。チャンスのときにだけ盛り上がるというのは、球場で自然発生的に起こると思うのですが、ピンチの場面にも、盛り上がり続けている応援席を作ることを目標としています。そう思うようになったきっかけは、先ほど入団の背景でお話しました、高校時代に観に行った試合です。試合内容としましては東大が94連敗を止めた、というものでした。そのときの東大の応援席は、一試合を通じて盛り上がり続けていたのが、非常に印象に残っておりまして。その時の応援は傍から見ても、野球部の勝利に貢献しているように映りました。
菅沼【東京】:自分が成し遂げたいことは、ただただ野球部に勝ってもらいたいということに尽きます。下級生の間も、幹部になってからも、「本当に選手の力になる応援はなんだろう」という風に考え、時には「応援は自己満足なのだろうか」と悩んできたのですが、あと1カードになってしまいました。迷いなど吹き飛ばすくらい全力で応援して、その結果、野球部の人たちが最後に勝って、笑ってくれたらそれでいいじゃないかと思うようになりました。
宮川【早稲田】:2年前の秋の早慶戦で、9回表で勝ち越しをした瞬間の応援が、今でも鮮烈に印象に残っていまして。イニングの最初から「紺碧の空」や「コンバットマーチ」のような、チャンスでしか流さないような楽曲を、流れを変えるために演奏すると、明らかにそこで球場のムードが変わって。自分たちの応援によって、野球部に貢献することができたな、というふうに感じることができました。応援部は辛いこともたくさんあるのですが、その一瞬の経験は、かけがのないものだと思いますし、そのモチベーションがあって今まで活動してこられたので、後輩にも同じような体験をさせてあげたいですね。
稲山【立教】:応援団のやりがいというところでは、選手の方々から感謝の気持ちを伝えていただけるときに、非常に強く感じます。それは、ただ「応援の席にいる」だけではなく、団員全員が応援という行為に対して、真面目に取り組んできたからこそ、そういう言葉をうれしく感じるのだろうと考えています。全く結果が出ない見えない目標に向かっていても、みんなが同じ方向を向いて、ひたむきに頑張ってきたからこそ、かけてもらえた一言が心に染みるんじゃないかなと思っています。
「病んでしまうこともあった」コロナ禍での苦労
―コロナ禍での苦労はどのような部分が大きかったですか?
宮川【早稲田】:私は現在連盟委員長として活動しておりますので、「秋のリーグ戦は応援団による応援を許可いただけないか」といったところで、各種方面と調整を行いました。秋リーグで実際に応援ができることを聞いた時は、喜びもありましたけど、まだ半信半疑ではありまして。秋のリーグ戦の開幕戦で、東京大学の校歌からはじまったんですが、その校歌を聞いた瞬間にようやく安心できました。
菊池【慶應】:自分自身、不安に駆られる瞬間もありましたが、やはり代表という立場にいることもありまして、部全体のモチベーションを維持せねばならない、というような責任感の方が強くありました。歴代の先方達が受け継いできたことを、自分たちが継承して後輩につないでいく必要があると考えています。そういった意味でも、もちろん今を大切にしつつも、未来についても考えて活動せねばならないと、自分自身も強く思っておりますし、他のメンバーに対しても、そういう思いを持って活動してほしいと伝えています。
仲倉【明治】:自分自身精神的に病んでしまうような時期もありました。ただ、自分たちが萎えてしまうと、後輩たちは今後、やりたいことができるはずなのに、それができなくなってしまうような状況に繋がりかねないというのは、百年続いてきた部に対しても、先輩にも後輩にも失礼だなと。そこで、まずは後輩のため、部の未来のためを思って活動していこうと自分にも言い聞かせて、今は活動に打ち込めています。また、新入部員の獲得は苦労しているところでして、特に吹奏楽部の人数が少ないような状況です。本来10名はいてほしいところで、まだ5名でして。絶賛募集中であります。吹奏楽部は、人がいればいるほど強いですし、なんとか入ってもらえるよう、引退まで活動していきたいです。
稲山【立教】:自分たちは団員のモチベーション維持というところで、非常に苦労しました。四年生ですらモチベーションが下がってしまうような状況でしたので、その中でどのようにしてやりがいを感じてもらえるのか、ということを、団内で会話を重ねながら考えてきました。最終的には、自分の役割などに固執せず、団全体がもっと成長していくために、今個々人ができることを精一杯果たしていこう、というところに至りました。オフラインでの活動がないと、元々の役割の範囲ではほぼやることがないような部員にも、そこの役割に拘らず、全員一丸となって団のために活動していこう、という風に伝えましたね。
―最後に、六大学野球は残り2日となりましたが、意気込みを教えて下さい。
宮川【早稲田】:一貫して優勝しかないと考えています。部全体で優勝という目標に向かって、学年関係なく動いているので、その思いを自分が一番体現していきたいと思います。
菊池【慶應】:我々も、慶應義塾大学野球部の優勝を後押しできるような応援席を作りたいなと思っています。
仲倉【明治】:「コロナがあっても、応援団は今年しっかりやり切ったな」と認めてもらって終われるようにしたいですね。
菅沼【東京】:勝利のために、できることなら全てをやっていく気持ちです。自分が先頭を切って残りの試合で全力を尽くしたいです。
堀井【法政】:残り2試合で、理想である「いい応援」、100%盛り上がり続ける応援ができればなと思っています。
稲山【立教】:野球部の勝ち、というとことはもちろんですが、応援団一人一人が後悔を残さないように活動していきたいと思っています。
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満員の神宮でプレーすることが選手達の夢でした。しかし昨今の情勢により、声援を充分に受けられない状態でのプレーを余儀なくされています。そんな今だからこそ、皆様の声援が必要です。
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