千賀と甲斐に牛耳られた初戦、あれがすべてだった気がする。初回、岡本のバットが砕かれなければ、栗原に左中間を破られたあの1球がなければ…。思い出すとまた悔しくなるので、日本シリーズのことは忘れ、セリーグ2連覇を果たした“成功”の2020年シーズンを振り返ろうと思う。


~ジャイアンツの主な出来事~

<2月>
 26日、オープン戦の残り試合を無観客で行うことが決定

<3月>
 9日、シーズン開幕延期が決定
 15日、2勝10敗4分けの最下位でオープン戦を終える

<5月>
 25日、6月19日のシーズン開幕が決定

 緊急事態宣言が出され、外出自粛中だった5月、岡本の鼻毛いじり、元木ヘッド&田口らが大活躍のインスタライブが話題に。プロ野球がない毎日に空虚だったG党の心の支えになった。スタッフさんに、感謝したいと思う。


<6月>
 3日、坂本と大城のコロナ感染が判明
 19日、3ヵ月遅れの開幕戦。新フォームの菅野が力投、吉川逆転2ランでプロ野球史上初の球団通算6000勝を達成
 20日、パーラが来日第1号。シャークダンスが流行
 25日、池田とのトレードで楽天からウィーラーを獲得

 ようやく開幕というタイミングで飛び込んできた、キャプテン感染の報。まさかの事態にざわつくも、開幕戦で逆転勝利の好スタートを切る。相手ピッチャーに2度も打たれて負けていたらどうなっていたのか? あの1発ですべてが好転した気がする。吉川に拍手。


<7月>
 9日、亀井が通算1000安打。年長3位となる37歳11か月での達成
 12日、4連敗で開幕から守った首位陥落
 14日、高田とのトレードで楽天から高梨を獲得。その後、15試合連続無失点と快刀乱麻の活躍
 15日、戸郷が開幕3戦3勝の好投。高卒2年目以内での達成は球団史上初
 19日、DeNA戦の9回2死から増田大の神走塁で追いつき、逆転勝利
 26日、初めて観客が入った東京ドームで20勝一番乗り
 31日、大江がプロ初勝利

 12日に陥落も菅野で連敗を止めた14日に首位返り咲き。結果、今シーズンで首位を譲ったのはこの時だけだった。増田大の神走塁に亀井、戸郷も開幕ダッシュの要因だが、やはり高梨の獲得は大きかった。未来のエース候補放出には疑問もあったが、ベンチを盛り上げたウィーラーと共に楽天組を獲得したフロントの功績は大きい。


<8月>
 4日、北村がプロ1号。元アイドルとの結婚、第1子の誕生も発表
 6日、増田大が甲子園で緊急登板
 11日、大不振の坂本と丸がセリーグ打率ランキングの一番下に並ぶ
 14日、中島が通算200号ホームラン
 19日、育成から這い上がった田中豊がプロ初勝利
 27日、松原がライトゴロを完成させて、その後ブレーク

 物議をかもした増田大の登板、サカマルの不振もあったが、2位に概ね4~5ゲーム差をつけて首位をキープ。その要因として原監督の手腕が大きく取り上げられるが、増田大、松原ら育成出身選手の活躍、中島らベテランの活躍も忘れてはいけない。個人的には北村の活躍の裏にあった今年にかける思いに、いいね!を送りたい。


<9月>
 7日、澤村がトレードでロッテに移籍。香月を獲得
 8日、菅野が開幕10連勝
 11日、原監督が球団歴代1位となる監督通算1067勝を達成
 12日、岡本が1試合2発で、リーグ最速の20号
 16日、虫垂炎で入院した元木ヘッドに代わり、阿部2軍監督が代行ヘッドを務める

 無双モードに入った菅野と、ホームランと打点を着々と積み上げる岡本。投打の両輪の活躍もあり、2位とのゲームが10を超えてセ界独走のクルージング状態に。澤村のトレードには驚いたが、ロッテで活躍する姿をうれしく思うと共に、ジャイアンツ歴代1位の白星を重ねる我らが名将の手腕に感服。


<10月>
 6日、菅野がプロ通算100勝、開幕投手から13連勝のプロ野球新記録を樹立
 9日、中川が左脇腹を痛めて離脱
 13日、菅野が6回4失点で今季初黒星
 26日、ドラフトで育成12選手を含め19選手を獲得
 30日、2年連続47度目のリーグ制覇(1リーグ時代含む)。丸は個人V5

 シーズン無敗はならなかったものの、チームの連敗を4度止めた菅野が新記録を達成。中川が抹消されて以降は不安定な戦いが続いたが、2位阪神に8.5ゲーム差をつけて無事セリーグ2連覇を果たして安堵する。ビエイラが一人絶叫した優勝決定シーン、マスク&手袋をしたスタッフによる胴上げは違和感満載も、大変な年に優勝するジャイアンツというチームが持っている大きな力を実感。


<11月>
 2日、育成10選手を含む14選手に戦力外通告
 7日、岡本が3年連続30本塁打。24歳までの達成は中西、王、清原、松井のみ
 8日、坂本が史上2番目の若さで2000安打を達成。右打者では史上最年少の快挙
 14日、タイトルが確定し、岡本と菅野がそれぞれ2冠を獲得

 来シーズンに向けて大幅な血の入れ替えが行われる中、岡本&坂本が2日連続で快挙を達成。大打者の系譜に名を連ねる岡本のすごさ、コロナの影響で開幕が遅れなければ右打者ではというエクスキューズが取れたかもの坂本のすごさ、14勝2敗で12の貯金を作った菅野のすごさを改めて感じる。優勝決定後のタイトル獲得、記録達成は、ファンにとってはご褒美のようなもので、最後まで感謝。


 ジャイアンツにとしては“失敗”に終わった2020年シーズンも、こうして並べてみると、G党にとっては思い返すとうれしくなることが満載。

 レジェンドへの道を歩む坂本、岡本に、ジャイアンツラストイヤー(?)に輝いた菅野、そして名将・原監督。その4人をリアルタイムで見られたこと、そして異例の1年を歓喜と感動で埋め尽くしてくれたジャイアンツに関わる全員に、G党として心から感謝したい。

※敬称略

越智龍二

著者プロフィール 越智龍二

1970年、愛媛県生まれ。なぜか編集プロダクションへ就職したことで文字を書き始める。情報誌を中心にあらゆるジャンルの文字を書いて25年を超えた。会ったら緊張で喋れない自分が目に浮かぶが、原監督にインタビューするのが夢。