まとまったときの爆発力はどのチームにも負けない
ー本日はインタビューよろしくお願いいたします。まず、はじめに今年からdip BATTLESのアドバイザーに就任されたと思うんですが、その就任の経緯について教えて下さい。
Suthoom:自分が経営しているダンススクールに、Dリーグの選手たちもインストラクターとしてたくさん在籍してくれていて、それこそdip BATTLESも含めて各チームの内情はなんとなく知っていたんですが、今回KENSEIが最年少(21歳)でディレクター兼選手に就任したということもあって、そこをサポートしてほしいという話でアドバイザーに就任しました。
ー具体的にアドバイザーの職務としてはどういったものがあるんでしょうか?
Suthoom:ダンサーと、運営の方だったりとの橋渡しがメインですね。運営の方たちが伝えたいことを、ダンサーに向けて言語化してあげたり、逆にダンサーが伝えたいことを言語化してあげて、運営の方に伝えたりっていうことをやっています。
ー今回、dip BATTLESにアドバイザーとして就任されるまでは、Dリーグに対してどういった印象を持ってらっしゃいましたか?
Suthoom:自分と同年代の人たちが立ち上げたリーグということもあって、率直にすごいなと思ってみていました。企業が若いダンサーの子たちにお金を出して、ダンサーたちが自分たちのパフォーマンスを磨くことに集中できる環境を提供してくれるっていうことが、本当に信じられないようなことだなと。
ーアドバイザーに就任される前の、dip BATTLESというチームの印象はどうでしたか?
Suthoom:すごく若くて、勢いのあるチームだなという印象でした。ただその反面、みんな若いこともあって、好き勝手言い合っているなと。(笑)個々人はすごくスキルがあって、言わずもがなうまいんですけど、チームとしてまとめるのは大変そうだなとは思いましたね。ただ、まとまったときの爆発力みたいなものは、他のどのチームにも負けないんじゃないかなとも思っていました。
ーアドバイザーに就任されてから、印象は変わりましたか?
Suthoom:思ったより、みんな素直で良い子でしたね。(笑)ダンスばっかりやってきた子たちなので、どこかやっぱり危なっかしいところもありますけど、まっすぐ一生懸命で、すごく伸びしろがあるなと感じましたね。
ダンサーの子たちって、みんなまっすぐな子が多いなとは思っているんですけどね。自分が表現したいことをずっと突き詰めていくっていうのがダンサーっていう存在だと思っていますし。このチームのダンサーも魅力的な子たちが多いです。
「まだ個々人が爆発できていない」開幕三連敗と苦しむチーム事情
ー今季は開幕三連敗と、難しいシーズンになっていますが。
Suthoom:まだまだ若いチームですし、新メンバーも多いので、今はまだ種を育てているっていう段階ですね。ある意味新チームというか、自分の中では1年目のチームっていうところもありますね。まあ出会って数ヶ月っていうこともありますけど。
正直、まだ個々人が爆発できていないなと感じますね。ダンサーってきっかけを一つ掴むと、一気にパフォーマンスが変わるというか、爆発するタイミングがあるんですよね。爆発すれば、他のダンサーも気付くし、みている人もみんなパフォーマンスが変わったなって気付けるくらい、本当に一気にブレイクスルーしていく感じがあるので、はやくそのきっかけを掴んでほしいなと思います。
ーいわゆるダンサーの方のピークっていうのはあったりするんですか?
Suthoom:爆発のきっかけっていう話に関して言うと、つかめる人もいれば、つかめずにそのままっていうダンサーももちろんいますね。ただ、今dip BATTLESに在籍している、才能ある若いダンサーたちであれば、そのきっかけをつかんでくれるだろうと信じています。
年齢的な話でいうと、ダンスのスキル自体はずっとうまくなれると思っています。50歳、60歳になっても、すごくうまい人はいますしね。ただ、Dリーグっていう舞台に関して言うと、瞬発力だったり、そういうアジリティ的な側面も必要になってくるので、dip BATTLESの特徴である若いチームっていう部分はすごく良いと思っています。そこにスキルも伴ってくれば非常に魅力的なチームになれるんだろうなと。
Suthoom プロフィール
ハウス、ヒップホップ&フリースタイルダンスデュオ 「SYMBOL-ISM」として、
「JAPAN DANCE DELIGHT 13」でハウスチーム初の優勝、ソロでもDANCE@LIVE2019 FINALにおいても準優勝に輝く。
現在は、2013年に「Zutto Dance Studio」を立ち上げ、プロデュースチーム「toremolo」は2018年ALL JAPAN SUPERKIDS CONTEST小学生部門日本一。2021年、2022年同コンテスト中学生部門日本一2連覇し、史上初の2階級制覇、2連覇に導くなど、KIDSダンスの育成にも力を入れている。
dip BATTLES
ディップ株式会社が運営し、2021-22シーズンからD.LEAGUEに参戦しているプロダンスチーム。「新時代をつくる」をシーズンスローガンに掲げ、2022-23シーズンにMVD2回、ベストスキル賞を受賞したKENSEIがDリーグ史上最年少ディレクターとしてチームを牽引する。