※表「2026年夏欧州サッカー移籍マーケット」は、本記事内にて紹介した移籍情報について各クラブ公式発表・各種報道をもとに編集部作成したもの
最も象徴的な移籍は優勝したスペイン代表で、大会最優秀選手(MVP)に輝いたロドリだろう。マンチェスター・シティー(イングランド)から母国の名門バルセロナに加入し、ラリーガへと復帰を果たした。英国などの報道によると、移籍金は6500万ポンド。30歳のMFは、的確なポジショニングでスペインの攻撃を組み立てる司令塔で、バロンドールにも輝いたこともある。ピッチ上の頭脳として、リーグ3連覇と欧州チャンピオンズリーグの覇権奪還を目指すバルセロナの大黒柱と期待される。
元々はアトレチコ・マドリードの育成組織出身で、プロ入り後はビリャレアルやAマドリードでプレー。今夏、レアル・マドリードも獲得に乗り出していたとされるが、交渉はまとまらず、その宿敵であるバルセロナが射止めた。
そのレアル・マドリードはW杯の開幕前にマルク・ククレジャをチェルシーから獲得することを発表した。移籍金は6000万ユーロと報じられている。スペイン代表の左サイドバックとして世界一に貢献した28歳のDF。かつては久保建英ともヘタフェで同僚だった(バルセロナの育成組織出身という共通点もある)サイドバックで、ロドリと同じように頭脳的なポジショニングが光る。昨季までレギュラーだったメンディに代わり、モウリーニョ新監督からさっそくレギュラーとして重用されている。
Rマドリードはオランダ代表の右サイドバックのデンゼル・ドゥムフリースも移籍金2000万ユーロで獲得。長く主力として支えたダニ・カルバハルが退団したが、アレクサンダーアーノルドと高いレベルの定位置争いが期待できる。さらに、「白い巨人」はマンチェスター・シティーからポルトガル代表MFベルナルドシルバもフリーで獲得。積極的に移籍市場で動いた。
冒頭のバルセロナは、ロドリとともにもう一人の目玉選手としてイングランド代表アタッカーのアンソニー・ゴードンをニューカッスル(イングランド)から獲得した。移籍金は8000万ユーロとされる。スピードを生かして左サイドを突破するのを得意とし、ラミン・ヤマルらとの強力な攻撃陣を形成する。
主力が引き抜かれたマンチェスター・シティーは中盤にエリオット・アンダーソンを加えた。ノッティンガム・フォレスト(イングランド)からの移籍金は1億ポンド超えとされる。W杯ではデクラン・ライスの相棒として、イングランド代表の3位に貢献。ボール奪取力、走力を備え、23歳にして既にプレミア屈指のMFの呼び声が高い。
そしてもう一人、フランス育ちでモロッコ代表としてベスト8入りを果たしたアイユーブ・ブアディも加わる(25日時点で正式はまだだが、移籍金1億ユーロでクラブ間合意したと報道)。18歳にして、視野の広さ落ち着き、高い技術を備えたセントラルMFだ。ロドリを手放したマンチェスターCの中盤は、アンダーソンとブアディの二人が支えることになるだろう。
W杯決勝でスペインに歓喜のゴールをもたらしたフェラン・トーレスはバルセロナ(スペイン)からパリ・サンジェルマン(フランス)へ約5000万ユーロの移籍金で移った。
このように、W杯を制したスペイン代表、そして、世界最高峰に君臨するプレミアリーグ。この夏の移籍は、二つの軸が中心に進んだといえそうだ。
【表】2026年夏欧州サッカー移籍マーケット(2/2)。日本人選手の移籍金は全体の中ではそこまで高くない現状が見える。 日本代表選手も新天地に飛び込んだ選手がいる。
守護神GK鈴木彩艶はパルマ(イタリア)から憧れだったプレミアリーグのアストンビラへと移籍した。W杯では、オランダ戦やスウェーデン戦での好守が光り、日本の1次リーグ突破に大きく貢献。190センチ、100キロという恵まれた体格。23歳という若さ。パリ・サンジェルマンへの移籍実現が寸前までいったとの報道もあったが、移籍金は3000万ユーロで昨季の欧州リーグ王者入りが決まった。今季は欧州チャンピオンズリーグ(CL)にも出場するだけに、ステップアップを果たしたといえるだろう。
プレミアリーグへ挑戦する日本選手が一段と増えた。前田大然はスコットランド・プレミアリーグのセルティックから、プレミアに昇格したばかりのイプスウィッチへ。さっそく開幕戦でも持ち味のスプリント力を発揮。日常的にレベルの高いプレミアに身を置くことで、さらなる進化が期待できそうだ。アヤックス(オランダ)を退団していた冨安健洋は、クリスタルパレス入りして鎌田大地とチームメートとなった。W杯のブラジル戦で、日本の選手は口々に「個の力」の向上の必要性を訴えていただけに、代表チームにとってもプレミア戦士が増えることは追い風といえるだろう。