グループEを首位通過、れっきとした強豪国

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日本での知名度は決して高くないポーランド。だが、W杯欧州予選得点王・レバンドフスキを筆頭にブンデスリーガやプレミアリーグ、セリエAなど欧州トップリーグで活躍する選手を多く擁する、れっきとした強豪国だ。W杯の常連デンマーク、日本がキリンカップで苦戦したモンテネグロ、古豪ルーマニアというグループを1位で通過している。

EURO2016予選では、ホームで世界王者ドイツに2-0で勝利。EURO2016本戦では、やはりドイツに0-0と引き分けるなどその実力は確か。「日本で知られていない≒強くない」という図式の報道はたびたび見受けられるが、そうした報道に惑わされずに正当な評価をしたい。グループHでは、ポーランドとコロンビアが勝ち抜けの本命、対抗がセネガルというのが一般的な見方ではないだろうか。

圧倒的な存在、レバンドフスキ

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誰もが真っ先に挙げるのは、FWロベルト・レバンドフスキだろう。

2010年からボルシア・ドルトムント、2014年からはバイエルン・ミュンヘンで、8シーズンに渡り驚異的な得点力を発揮してきた世界屈指のセンターフォワード。ゴールから近い位置ではもちろん、遠い位置でもサイドでも脅威になれ、右足、左足、ヘディング、裏抜け、ニアポスト、ファーポストでの競り合い、ポストプレーからカウンター時のコマになることなど、様々な局面で攻撃に貢献する。ワールドクラスのオールラウンダーといえる。ポーランドではサッカー誌やゲームのパッケージにもなる、同国の英雄的な選手。ドルトムント時代には香川真司と共にプレーしている。

W杯予選では、その得点力を存分に発揮し16得点をマーク。GKとの1対1も、ファーポストでの競り合いでもただ単に強い・速いだけでなく、ポジショニングと競り合いの技術によって再現可能なプレーでゴールを陥れる。センターフォワードに限っていえば、世界トップレベルの選手であることに疑いの余地はない。

ブンデスリーガではここ2シーズン続けて30得点、EURO2016予選では33得点、W杯予選では16得点。29歳と脂に乗った年齢を迎えており、自身初となるW杯出場に気合は十分。日本だけでなく、GLで対戦する3カ国すべてにとって脅威となる圧倒的な存在だ。

ファビアンスキ、シュチェスニー……知られざるGK大国

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次に挙げられるのは、GKの質の高さ・層の厚さだ。国民の平均身長が180センチ近く、首都ワルシャワの雑踏を歩けば、女性でもゆうに190センチを超える人をしばしば見かける。そんなポーランドは、日本ではあまり知られないがGK大国だ。代表チームには、身長が高いだけでなくパワー、アジリティ、戦術眼を兼ね備えた優れたGKが並ぶ。

特に、スウォンジーのGKファビアンスキ(190センチ)、ユベントスのGKシュチェスニー(195センチ)というハイレベルなGKの争いは注目だ。アーセナル時代は第一・第二GKという間柄の2人だが、共にプレミアリーグの強烈なFWたちのシュートを日々受け続け、川島永嗣を除く日本のGK陣があまり持たない「強さ」を標準装備する。シュートストップの技術は、誰が出てきても遜色ないレベルで高い。

Jリーグ・磐田で活躍するポーランド人GKカミンスキーは非常にレベルの高い選手であり、日本に帰化すれば代表のレギュラー争いができるはず。そんな彼をもってしても、ポーランド代表には食い込めないという事実が、この国のGKの選手層の厚さを物語る。

高い組織力

そして、相手によって柔軟に戦い方を変えられる組織力も強みだ。

ドイツなど強豪国相手にはしっかり引いてブロックを形成し、レバンドフスキ、ブワシュチコフスキ、ミリクらでカウンターを狙うが、格下相手には一転して中盤で丁寧につなぐサッカーも展開する。守備陣・中盤には国際的に知られた選手はそれほど多くないが、ナポリで売り出し中の若手・ジエリンスキは、長い距離をドリブルで運んでフィニッシュまで持ち込む高いスキルを持っている。W杯欧州予選グループE1位の成績はフロックではない。

ポーランドにとって日本が格上・格下のどちらに当たるかといえば、間違いなく格下にあたる。ただし、彼らは相手に合わせてサッカーを変える。ハリルホジッチ監督率いる日本の現在のラインナップを考えれば、「ボールをもたせたほうが良い」とスカウティングし、カウンター主体の戦い方に切り替えるかもしれない。

日本はどう攻略すべきか?

ドイツ、スペイン、フランスなどと比べれば、メンバーの質は1つ落ちる。ただ、戦い方を柔軟に替えつつ、守備にはGKファビアンスキあるいはシュチェスニー、FWにはレバンドフスキという切り札を持っている。どのような戦い方をしても、辻褄をあわせてスコアに反映させるチカラを持ったからこそ、久しぶりのW杯本戦出場を決められたといえる。

日本としては、戦いにくい相手だろう。「強豪に胸を借りる」「相手の嫌なことをする」つもりで挑もうにも、そこはポーランドのフィールドでもあるのだ。しかも、相手を刺す切り札となるレバンドフスキがいるポーランドに対し、日本にそれほどのクラスの選手は存在しない。現状のメンバーでは、そこに匹敵するほどの選手すら見当たらないのが実情だ。

もし現時点でポーランドと対戦するなら、日本はボールを握れるかもしれない。場合によっては優勢に進められるかもしれない。しかし、ひとたびボールを渡してしまえば高速のカウンターからレバンドフスキという必殺パターンが待ち構える。当たり前の話だが、簡単に勝てる相手ではまったくない。

日本は、どのような戦い方を志すべきだろうか? オーストラリア戦のような、わかりやすい構図は生まれにくい。まるで後出しジャンケンのように手札を持つポーランド、日本も「切り札」を持っておきたい。本戦に耐えうる強度を持つスカッドを見極めるだけでなく、宇佐美貴史のような強烈な「個」を持つ存在を視野に入れることもあり得るのではないだろうか。今後のハリルホジッチの差配に注目だ。

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