8位:シャルジャ・スタジアム

所在地:シャルジャ
収容人数:1万1073人

ドバイ市街から車で約20分という場所にありながら、所在地のシャルジャは首長国が違い、当然ながら適用される法律も違う。ドバイからのアクセスは路線バスで途中まで行き、そこからタクシーで向かうのがベストという有様。もしタクシーを使えばシャルジャ首長国に入国するだけで20AED(約600円)の税金が発生して非常に割高になる。競技場としてコンパクトではあるが、観客席からピッチまでかなり距離がある上、スタンドの傾斜が緩くかなり見づらい。普段はUAE1部リーグのシャルジャFCがホームスタジアムとして使用している。

シャルジャ・スタジアム(シャルジャ )

7位:ラシッド・スタジアム

所在地:ドバイ
収容人数:1万2000人

アクセス面はおそらく全会場中最高レベルだが、それ以外の問題が多すぎた。スタジアムの目の前にはドバイメトロの「スタジアム駅」があり、市街地からも抜群の利便性を誇る。ところが一般観客以外にVIPやメディアなど複数の導線を設けられるだけのキャパシティがなく、座席の場所などによっては入場のために駅からかなり歩かなければならない不便さがあった。球技専用競技場ではあるが、スタンドからピッチまで比較的距離があり、スタンドの傾斜も緩め。普段はUAE1部リーグのアル・アハリのホームゲームやラグビーなどに使用される。

ラシッド・スタジアム(ドバイ)

6位:ハリファ・ビン・ザイード・スタジアム

所在地:アル・アイン
収容人数:1万6000人

塩谷司が所属するアル・アインが所有する総合スポーツ施設内にある球技専用競技場。同選手曰く、時々チームの練習にも使用されるらしい。やはり「練習」で用いられるだけあり、それほど整備されているわけではなく、バックスタンドやゴール裏は楕円形でピッチまで距離がある。そして公共交通機関でのアクセスに難があることも懸念点の1つだ。しかも周辺の道路には流しのタクシーが少なく、帰る手段を見つけるのに苦労することが多々あった。ただバックスタンドの裏に道路を挟んでそびえ立つ岩山の頂上から試合を観戦する猛者たちもいて、ロケーションは興味深かった。

ハリファ・ビン・ザイード・スタジアム(アル・アイン )

5位:アル・ナヒヤーン・スタジアム

所在地:アブダビ
収容人数:1万2000人

日本代表がグループリーグ初戦でトルクメニスタン代表に大いに苦しめられたスタジアム。アブダビ市内でも最大級のショッピングモールが隣接し、路線バスや都市間交通の拠点になるバスターミナルがすぐ隣にあるアクセスの良さも魅力的だ。しかし、観戦環境として優れているとは言えず、ピッチまで距離があり、メインスタンド以外に屋根がなく日中は厳しい日差しに晒される。普段はUAE代表のレジェンド、イスマエル・マタルが所属するアル・ワフダの本拠地として使用されている。

アル・ナヒヤーン・スタジアム(アブダビ )

4位:ザイード・スポーツシティ・スタジアム

所在地:アブダビ
収容人数:4万3000人

今大会のメインスタジアムで、UAE代表の試合になると多くのサポーターで混雑する。アブダビの市街地から少し離れたエリアにあり、仮に路線バスで向かうと約1時間かかる。無駄な機能が省かれ、外からスタンドにダイレクトにアクセスできる良さはあるが、平坦が故にスタジアム自体が巨大で、サッカーを見やすい環境ではない。ただスタンド全体が屋根で覆われていて、日中でも日陰で観戦できる場所がある。日本代表はグループリーグ第2戦のオマーン戦と決勝で使用した。普段はUAE代表のホームスタジアムとして使われるほか、周辺は「スポーツシティ」として多種多様な競技で使用されるグラウンドやアリーナなどが並んで巨大な公園になっている。最後に悔しい思いを味わったスタジアムで、個人的に思い入れは強い。

ザイード・スポーツシティ・スタジアム(アブダビ )

3位:モハメド・ビン・ザイード・スタジアム

所在地:アブダビ
収容人数:4万2056人

競技に特化したスタジアムが多いUAEにおいて異色の複合型施設としての特色を持っている。メインスタンド側にはホテルが、バックスタンド側の両角にはマンションがスタジアムと一体化していて、病院なども入っている。さらに観戦環境としても申し分ない。2層式のスタンドは傾斜がきつく、高さがあってもサッカーを十分に楽しめる。収容人数も多く、国際試合の開催経験も多い。普段はUAE1部リーグのアル・ジャジーラが使用しており、スタジアムそのものも同クラブの所有だ。

モハメド・ビン・ザイード・スタジアム(アブダビ )

2位:ハッザ・ビン・ザイード・スタジアム

所在地:アル・アイン
収容人数:2万5965人

2014年にオープンしたばかりの塩谷司が所属するアル・アインFCのホームスタジアム。昨年と一昨年のFIFAクラブワールドカップでも使用され、国際試合を難なく開催できるキャパシティと最新設備を備える。アル・アイン市街から少し離れているが、周辺には飲食店やショッピングモールなどもあり不便はない。
さらにスタンド全体が屋根で覆われ、傾斜もかなりきつめと抜群の観戦環境を誇り、アジアカップではメディアからも絶賛する声が多くあがった。特に観客、VIP、メディアなどそれぞれの導線がかなり緻密に計算されており、ストレスが少ない。周辺はホテルや飲食店街、フィットネスジム、オフィスビル、アパート、大学などがスタジアムを中心に開発されているエリアで街並みにも統一感がある。駐車場の台数も非常に多く、自家用車でのアクセスが十分に考慮されている点も素晴らしい。スタンドを覆うファサードは夜になるとライトアップされ、アル・アインFCのクラブカラーである紫色で妖艶な雰囲気を醸し出す。

ハッザ・ビン・ザイード・スタジアム(アル・アイン )

1位:アル・マクトゥム・スタジアム

所在地:ドバイ
収容人数:1万5000人

元々のスタジアムは1981年から同じ場所にあるが、今回のアジアカップのために新スタンドと屋根が建造された。普段はUAE1部のアル・ナスルの本拠地で、周囲には天然芝のサッカー場やミニスタジアム、テニスコートなどが集まるスポーツコンプレックスとなっている。
このスタジアムは「観戦」という意味では非常に理想的だ。ショッピングモールが隣接しているわけでも、駐車場が充実しているわけでもないが、ドバイメトロ・グリーンラインの「オールド・メタ駅」から徒歩圏内に位置し、十分な角度のある1層式のスタンドを備える。さらに360度すべてが屋根で覆われているため、観客の声がよく反響して戦いの場にふさわしい雰囲気を作り出してくれる。日本のユアテックスタジアム仙台に似ていた。

アル・マクトゥム・スタジアム(ドバイ)

VictorySportsNews編集部