年間約25億円の赤字があった横浜DeNAベイスターズを改革し、5年間で黒字化させるなどプロ野球の世界に「経営」「ビジネス」の概念を持ち込んだ池田氏と、Jリーグ鹿島の経営権を取得し、社長としてクラブ経営に乗り出した小泉氏。VICTORYでは、スポーツ界で注目を集める2人の経営者による対談形式のセッションを再構成して紹介。それぞれのビジネス観、2020年東京五輪とその後、フェンシングをはじめとした競技普及への提言など、話題は多岐にわたった。

ーーまずは2020年東京五輪への思いを聞かせてください

池田 「実は五輪自体にはあまり興味がないんです。競技には興味ありますよ、当然。それ以上に、日本中が一瞬のブームになることは分かっているので、そこで一緒に騒ぐのではなく、その後にどうすべきなのだろうということを考えています」

小泉 「私はカシマスタジアムで五輪の試合が行われるので、運営の側として責任を感じています。閉塞感がある中、そこをどう盛り上げ、その後につなげていくか。そこをやり切れば、チャンスはあるんじゃないかなと思います」

ーー閉塞感とは

池田 「ラグビーW杯が始まって、五輪があって、一つのものに向かっていく中で、日本はその後にどうなるのだろうと、何となくみんなが感じているものが閉塞感だと思います。五輪は放っておいても勝手に盛り上がる。なら、その後をどうするかだと思うんです。例えば、平昌冬季五輪があったのは昨年です。でも皆さん、もう忘れていますよね?」

小泉 「池田さんの言っていることもそうだし、いろいろな業界を牛耳ってきたおじさまたちが、五輪まで牛耳ろうとしているじゃないですか。フェンシングは太田雄貴さんが会長になり、変わってきていますが、今まで日本のスポーツって“体育”みたいな、エンターテインメントとは遠いところで話していた気がするんです。それをエンタメやビジネスのフェーズに、次の世代で持っていきたい。そうすれば、閉塞感が逆にチャンスになるように思うんです。サッカーもそう。テクノロジーで野球がエンタメに大きく振れたように、サッカーもしたいですね」

ーー確かに池田さんが球団社長を務めたプロ野球DeNAは、見る側も運営する側も一気に若返った印象があります

池田 「私は35歳で社長になったのですが、その時のセ・リーグの球団社長で一番若かった人がたしか58歳。35歳で史上最年少と話題になったのですが、それ以降に記録が更新されていないんです。それどころか、今はまた最年少が40代後半まで戻っている。最初は、挨拶に来ないなどとお叱りをいただいたり、そういうところからスタートしなければいけない状況でした。日本ですのでそういったことが必要ですし、私もやりますが、それはビジネスの本質とは本来、違います。新しく入る若い人からすれば、皆さんに受け入れてもらわないとものを言わせてもらえない…というのがスポーツ界の大変さなんですよね。結局、しがらみなんです」

ーー年齢やキャリアが重視されるということですね

池田 「多くの人事は横滑り。改革する時というのは、すごく情熱のある人の偏執的なまでのパワーで一気に変えていかないと変わらないものです。表面的な人間関係を重要視していくと、大切な中身が変わらない」

小泉 「スポーツの世界は、他業種との交わりを拒否するというか、受け入れられないですよね。Jリーグでさえ、大きなクラブの社長は大体、親会社の天下り。2〜4年のスパンで社長が代わっていく。だから、なかなか世界が変わらない。
私は今回、ガッツリと言っていこうかなと思っているのですが、ビジネスとして見ると、当たり前のことがサッカー業界ではやってきていないので、今回の交わりによって変化が起こると思います。いろいろな業界を受け入れていくと、いい変化が起こる。2020年で、これまでの事は“ご破算”にする…くらいでいいと思うんです」

ーー池田さんはベイスターズを改革する際にどのような手法を用いたのでしょう

池田 「スポーツは勝たなければいけないという感覚は当然分かっていました。ただ、選手たちが競技を快適に安心して行える環境以上に重要なのは、実は、しっかりと選手は最先端の“商品・サービス”みたいなものだと捉えてファンやお客さんを向けるかどうかということ。彼らを駆使させてもらって、どうやって人気をつくって、どうやってお金を稼ぐか。それによって、さらにチームが強くなり、年俸に反映されて選手たちも豊かになる。その循環が重要です。

私は、最初の2012年のキャンプが始まる時に、選手たちに経営の話をしたんです。売り上げがこう、君たちの年俸はここから出ている、ちゃんとファンサービスしないと駄目だ…という感じで。すると、選手が新聞記者に『あいつ、全然関係ない話をしていた』と文句を言われてしまうのです。ま、当然の反応ですよね(笑)それが、5年たつとガラリと変わりました。ある選手から『次は僕らの番ですね。勝たなきゃいけないですね』と言われるような方向に動いたんです。

要はプロ対プロ。こちらが経営のプロとして姿勢を示すと、プロである選手も勝手に頑張ってくれます。まず経営がしっかりしないと、選手もどこに向かえばいいか分からない。五輪で例えるなら、五輪でメダルを取ることも重要だけど、五輪の後にどういう景色をつくるのかをみんなで共有していかないといけない。そうしないと『俺は競技に集中するんだ』となり、両輪が回っていかない。経営側がコントロールできるのはメダルの数ではないんです」

ーーベイスターズでは異例なほど経営に関する数字も開示されました

池田 「実は、どの数字を見せるかというのは、すごく考えていたんですよ。グッズの売り上げを選手全員分開示したとき、最初は非常に嫌がられました。ただ、どうすれば選手のモチベーションが上がるかを考えれば、有効な手段になります」

小泉 「野球と違ってサッカーはJリーグのもと、かなり経営情報が開示されています。鹿島の社長に就任して、全社でまず発表したのが、業務は全部Slack(ビジネス向けチャット)にしますということ。蛸壷化している業務を全てオープンにするためです。Slackというのは、IT企業のほとんどが入れているツールなんですが、やっていくうちにどんどんみんな慣れていった。業務の階層も7つあったのを3つにして、横で何をやっているか全部見える環境にしています」

池田 「私は、球団社長に就任してすぐに社員の業務を“ガラガラポン”しました。スポーツ業界の人だけではないですが、やはり**界というところは、自分自身の立場を守りがちですし、それを守るためにも周りに見せないようにする。要するにブラックボッックス化させれば、安泰が続く。それでは、お客さん目線で考えれば、進化しなくなるし、つまらなくなるだけです。“ガラガラポン”すると、目の前のことを必死にやらなくちゃいけなくなる。守るものなんかない状態から、お客さん楽しませるということに必死になる。ただ、それだけでは楽しくならないので、例えばサザンオールスターズなどの演出をやっている人の協力を得たりとか、音楽にすごく詳しい人を引っ張ってきたりとかもしました」

ーーそれが結果にもつながった

池田 「そうですね。イニング間はそれまでトイレタイムという認識が常識だったのですが、1000万円で各イニング間のスポンサー枠を売って、いろいろなイベントを開催しました。いつトイレに行かせるか困らせよう…というくらいの発想です。今までやらなかったこと、やっちゃいけないと思われていたところに、どれだけ踏み込めるか。全てパラダイムシフトです。目指したのは、とにかく楽しませること。楽しいところに人は来るという、実は簡単なことをやっていただけなんです。他のエンターテインメント業界は、当たり前にみんなに浸透している考え方ですよね」

小泉 「サッカーは危機的な状況だと思っているのですが、若い人たちが減っていって、テニスやゴルフのような個人スポーツに人気がある一方で、人が集まって行うスポーツの競技人口が減っているんです。昔は学校ごとに1チームあったのが、地方だと2、3校で合同チームをつくったりという状況です。先を見たとき、競技人口が減れば見たいと思うファンも減る。そこをどうするのか考えていかないといけない」

ーースポーツに触れる動機付けが大事になる

池田 「応援してもらうという以上に、緩くどうスポーツと接せられるかですね。一般生活者が『見る』と『やる』をどう緩くできるようにするか。一生懸命やらせるという考え方は、もう終わっています。野球によくある話ですが、お母さんが来ないと、うまくても試合に出さないとか。そんな世界観では、もう子供たちは集まらないんですよ。『来たい時だけ来てください』『いつでも試合に出られます』くらいの“緩さ”が必要なんです。その上で、もっと本格的にやりたいと思うようになったら、三角形の頂点に近いジュニアチームに入ってくださいとか。どれだけ、そういう楽しく、緩くやれる環境を用意できるかの時代に変わってしまったんですよね」

ーースポーツを見せる側も意識改革が必要

池田 「まさに『競技を見せてやる』という時代は終わっていて、どう楽しませるかが重要になっています。『スポーツエンターテインメントの時代』。さらに、今はその先のフェーズに入っていて、格好良い、“かっこいい”かどうかが重要になってきています。僕らの世代は楽しければ来る。でも、これからの若い子を捉えるのは、“かっこいい”かどうかです。

先日、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が、宮崎市の木崎浜で開催されたサーフィンの世界選手権『ワールドゲームス』を視察した際に『する人も、見る人も、若いのがいいね』とコメントしていました。実はこれ、本質をつく言葉だと考えさせられましたね。そういう世界観をつくれている競技って、非常に少ないんです。

野球も、サッカーも、観戦者の年齢層が上がっている。その中で、どうやったら若い子を捉えられるかというと“イケてる”“かっこいい”という世界観。それは競技をやっている人に限らず、働いている人が格好良かったり、選手のライフスタイルが格好良かったり。デザインだけじゃなく、“憧れ”みたいな部分をどう伝えていくか。そういう世界観をつくることができる競技が、これからの若い世代を捉えていくと思います。

例えば、野球選手で一般化している存在といえば大谷選手ですが、それは彼の世界観が格好良いからです。見た目だけじゃなく、球界のご意見番のような人に『あんな二刀流なんて駄目だ』と怒られても、そこに一切触れず、黙々と二刀流を貫き通す。その生き様が格好良いのだと思います」

ーー選手の一般化といえば、Jリーグも危機的な状況ではないでしょうか

小泉 「海外移籍がサッカー業界では大きなトレンドになっていて、スター選手が海外に行くことによって国内のリーグが魅力を失っていってしまう。そこが、ここ1、2年の流れで、これは止められないですね。では、止められない中で、どうやって魅力を伝えていくか。むしろ、育成に力を入れて、スター選手が出ていってもいいじゃないかという環境をつくることが重要だと思うんです」

ーーヴィッセル神戸はスター選手を海外から連れてきています

小泉 「それはそれで、一つのやり方です。ただ、鹿島でいうと、若い選手が代表に入って、すぐ海外に出ていく。現在のレギュラー11人中、昨季のレギュラーは3人ほど。でも、チームは上位にいます。選手がヨーロッパに行くことは止められない。つまり、それを前提としたチームづくりが大切だということです。フィロソフィーを守っていきながら、どうやって強いチームを維持するのかに、むしろ注力すべきで、これから育成面も見直していかなきゃいけないと思っています。スター選手もそうですが、若い選手をどう見せていくかも一つのキーになるのではないでしょうか。

8月27日に完成したアカデミーハウス(ユース所属の若手選手寮、メルカリの 経営参画前は日本製鉄の社員寮を利用していた)の建設に総額5億円ほどを費やしたのですが、そういうことをやらないと優秀なメンバーが入ってこない。それくらい、若い人たちに投資をしていこうと考えています」

ーーでは、フェンシングの現状はどう見ていますか

池田 「見に来てもらうって、実はすごく大変なことです。無料券を配っても結局、次も無料じゃないと来てくれなくなってしまう。来た時に楽しいとか、そういう理由づくりが大切で、どう接点をたくさん増やしていくのかが、どの競技でも必要なんだと思うんです。

フェンシングを考えた時に、多くの一般生活者は、太田会長はもちろん存じ上げています。けれど、フェンシングのルールを知っているかと言えば知らない。では、フェンシングとの接点ってなんだろうと考えると、私をいち一般生活者として考えた場合は映画『スター・ウォーズ』。ライトセーバーへの憧れが、フェンシングを見るきっかけになるかもしれないなと。他に食べ物、漫画が接点になる人もいるかもしれない。

どうやったら、コアなファンではない一般生活者と接点をつくっていけるか。フェンシングは、失礼な言い方をするとマイナー競技です。日本全国津々浦々で爆発的に人気があるという状況になることは難しいのかもしれません。どういうエリアの、どういうターゲットに狙いを定めるか。どこかの県で、すごく子供がフェンシングをやっています…でもいいと思うんです」

小泉 「池田さんの考え方と大体同じですが、私はサッカーチームを経営する上で、カスタマージャーニーマップ(顧客の動きを時系列で図式化したもの)をつくっているんです。インターネット業界では一般的なんですけど、カスタマーがどういう『ジャーニー=体験』をして試合前、試合中、試合後を過ごして、次につながっていくか。カスタマーには子供もいれば、コアファンもいれば、招待客もいる。それぞれでマネタイズを考えます。

フェンシングでいうと、初めて来る人が増えていると思うんです。この人たちを、どうインフルエンサーにするか。その工夫をたくさんしていくといいんじゃないかなと思います。既存のメディアに頼っていては、サッカーでさえ駄目だなと思っていて、どうやって一回来た人に周りを巻き込んでもらうか。サッカーでそういう構造をつくれないかなと思っているんですけど、フェンシングも同じだと思うんです」

池田 「私は、既に人気のあるところに興味はありません。困っているところが大好きです。かつてベイスターズは、横浜という大都市にあって、12球団しかないプロ野球という最高峰にいながら、どん底に喘いでいました。なんで、あんなにお客さんが入っていない状態にまで傾いていってしまったのかが不思議なくらいですけど、そういう状態を盛り上げていく、困っているところで活躍した方が楽しいじゃないですか。

東京五輪も楽しみにしていますが、放っておいても盛り上がる。多くの年配の諸先輩が主軸を担っている中で、我々が関わったところで40代なんて小僧と言われるだけ。そこに関わるよりも、ブームが去った後の2020年以降、スポンサーマネーも一気に引いていく可能性もありますし、分散化も進みますし、1社の偏ったスポンサーマネーや親会社のミルクマネーで黒字に見せているような競技やチームが本当に困り出すはず。そのタイミングに向けて、考えていった方がいいと思っているんです。

世の中と同じ目線、同じ流れに乗っていても駄目。その先に何が起こるか予測し、そこに対して今から準備をしていくこと。東京五輪は100%、間違いなく、ブームになりますよ。大成功することは間違いないですよ。しかし、その先を見る人ややる人が減っていく状況を考えていかないといけない。もう1年しかないので、時すでに遅しの競技はたくさんあるのかもしれません。ラグビーはW杯の後、どうするんだろうとも思うんです。2年前から、私はいろいろなことを提案しましたが、追い出された経緯もありますし、W杯のあとの受け皿が十分な準備期間を得て、ラグビー人気が格段にあがり、ラグビーの景色が変わって欲しいな、とは陰ながらに応援しています」

ーー秩父宮競技場で「スクール☆ウォーズ」の流そうとしたら、試合当日になって日本協会の偉い人から問題視されたんですよね

池田 「CBO(最高ブランド責任者)を務めたサンウルブズの試合の際、スタジアムの前で『スクール☆ウォーズ』の映像を流そうとしたら『今の時代は暴力根絶だ』『政府の偉い方が試合にいらっしゃるのに、あんなものを流しては駄目だ』と言われて…。フィクションですし、ラグビー人気を支えた過去の名作ですよ。『お客さんも盛り上がるのなら流すべき』と主張したら『内規で処分する』と言われた。

私は『変えてくれ』『改革してくれ』と言われたから組織に加わったのですから『世の中をお騒がせするようなつもりはないですし、変えるつもりがないなら、“役職”はあっても“役割”はないですし、去るべき』と 思うのは当然のこと。自分の役割は“改革すること”ですから。別に、しがみつく理由もないですし」

ーー(日本フェンシング協会・太田会長から質問)フェンシングでファンを喜ばせるためにこんなことをしてはというアイデアはありますか?

池田 「五輪でフェンシングを見に来る人は、きっとかなり多いはずです。そこで、来てくれた人に何をするかですね。心に何を刻むかですよね。競技以外の部分で。私は2016年リオデジャネイロ五輪を現地に見にいったのですが、ボクシングの会場でキスカムとかやっているんですよ。激しい戦いの横で、この違和感。でも、来た人はすごく楽しんでいる。ボクシングとは直接関係ないのですが、楽しかったという経験を与えていました。
フェンシングは、どう楽しませてくれて、何を与えてくれるんでしょう。物理的なものでも、なんでもいいんです。小さいライトセーバーみたいなものでもいい。何を持って帰らせて、次につなげるキーにするのかが気になります。五輪でものを配ってはいけないのかもしれませんが、最初から無理と決めつけずに、理想から考えて、最終的に現実的にできるところに落とし込んでいけばいい。それが挑戦するということのはじまり、スタートです。
例えば、フェンシングの剣とか触ってみたいじゃないですか。それが山手線の駅に展示されている、でもいいんですよ。それも経験を持って帰ることになります。どう接点をつくっていくのか。接点は、本当に何でもいいんです。接点は多様に必要なんです」

小泉 「五輪直後に大きい大会をやるのはどうでしょう。メダルを取って熱量のある中、全競技の中で五輪の後に一番最初にメダリストが出てくる大会をフェンシングが開催すれば、ネタを探すメディアが飛びつくと思うんです。五輪の直後に、可能な限りの大きな大会をやる。これが私のアイデアですね」

ーーフェンシングなど多くの競技にとって、どうしても五輪の比重は高くなってしまうのが現状です

小泉 「それは、しようがないのではないでしょうか。逆に前回、カーリングがブームになりましたが、あのタイミングでクラウドファンディングをするとか、次の五輪までの4年分の活動費を集めてしまえばいいじゃないかとも思うんです。感動の最大値に対して、マネタイズが追いついていない。そこの1回で終わてしまうんですよね。五輪を中心とした波は避けられないもの。それなら、そこを利用することですよね」

池田 「五輪を目指すっていう図式は、いいと思うんです。それほど分かりやすいものはない。あとは、そこで終わらないことですね。野球をやっていたときに、いわゆる野球人の方々には、よく『会社全体の目標を優勝にしろ』と言われたんです。もちろん優勝はしたいですよ。でも、会社の目標を優勝にしたら、そこで終わってしまう。会社は、永遠に続くために永遠に進化し続けなきゃいけないんです。だからこそ、ビジョンや目標が大切になる。
日本フェンシング協会は太田会長のもとで大きく変わってきていると思いますが、五輪の後に向けて、どういうビジョンで何を目指しているのかが一般の人にも伝わってくると、それ自体が大きな接点になるし、変わっている感じがもっと広がるかなと思います。重要なのは『メッセージ×媒体』。媒体は時代によって変わっていきますが、メッセージは不変です」

小泉 「スポーツ界は、まだまだかなり、やりようがあると思います。テクノロジーで解決できることはあるし、アントラーズにもテクノロジーのチームをつくろうと思っています。そもそも、スポーツという枠組が曖昧になってきている。アントラーズは病院もやっているし、ヘルスケアや旅行もスポーツビジネスに入ってくる要素だと思います。
私は、自分たちで自分たちの領域を決めずに飛び越えていこうと思っています。極論ですが、サッカーのチームとマーケティング、ビジネスをやる会社は別でもいい。どんどん染み出し、他業界とコラボレーションしていけば、まだ伸びる余地はたくさんあるんじゃないかなと思います。自分たちで、自分たちをはめない。一つのアイコンとしてチームを中心にビジネスをまわしていこうかなと思っています」


VictorySportsNews編集部